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悪役令嬢なので婚約破棄されます……人間、食事は必要不可欠なんですよ? 〜食べ物の恨みは恐ろしいですからね!〜  作者: 桜夜


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5話


 私は自室に戻り、お父様達に相談する前にこれからのことを考える。

 

 私はヴァルディア王国の公爵家に生まれついた長女で、家族構成はお父様、お母様、お兄様そして私の4人家族。


 お父様は王国の中枢にはついておらず、大陸一大きい商会を経営している。傘下の商会もいくつか存在し、様々な国に拠点を置いているらしい。……なんで中枢にはいないんだろうか? 公爵家なら宰相とかしてもおかしくないはずなんだけど……実際ゲームでは宰相だったはず? 


 お母様もお父様と一緒に商会の経営をしている。この国だけではなく様々な国に交渉しに渡り歩いているんだけど、最近はこの国で活動している。婦人同士の付き合いがあるみたい……。


 お兄様は今、12歳で隣国の学園に通っている。ちょうど休みの期間で帰ってきているらしい。少しずつお父様の仕事の手伝いをしているみたい。


 私の情報ね。姿見で見る限り、お父様の濡羽鴉のような黒髪とお母様のようなサファイアのような青い瞳を受け継いだ可愛い女の子。実際に入浴する時に贈り人の証は見ているから本物の贈り人。


 この後の展開は確かソフィアが6歳になったらすぐに適正検査があるはず……。私の誕生日はこの間、済ませたからそろそろね。ゲームではそこで光魔法を発現させ、魔力量が多かったはず。婚約者の王子とは爵位が釣り合うから、婚約者にされたが卒業時には王子の愛する少女を虐めたために国外追放にされたんだよね。


 でも、死刑にはされなかったはず……





 それから私は夕ご飯を食べ終え、お母様、お父様、お兄様と家族会議を行う。


「それでは、第1回家族会議を始めます。議長は発案者の私、ソフィアが務めます。よろしくお願いいたします」


「よろしくな、ソフィア」

「よろしくね、ソフィアちゃん」

「よろしく、ソフィア」


「それでは、まず初めに私のこれから、について話したいと思います」


「これからとは?」

「はい、これから適性検査がありますね?」

「うむ、ちょうど3日後くらいにあるな」

「その時、私は光魔法を発現いたします。さらに魔力量が多いみたいです」


「ソフィアちゃんは光魔法なのね……。でもなぜ分かるのかしら?」


「実は――」


 私の前世の記憶でこの世界を題材にした娯楽があり、そこに私が登場していた事を話した。


「そうだったのね、でも少し違うこともあるみたいね」

「そうだな、現に俺は宰相なんかついていない、就きたくもないが……」


「そう、それです。なぜ宰相についていないんですか?」


「……うむ。実は、この国はダメかもしれないからだ」

「……ゴクリ。それは、なぜですか?」


「実はな、王と第一王子がアホなんだ。そして、そこに群がる害虫が多すぎて、手のつけようがないんだ。第2王子はまともだが、この国は第1王子が基本的に王太子となる。よほどの失脚をしなければ第2王子は王位に着けない」


「そうなのですね、でも他の高位貴族もいますよね?」


「あぁ、我が家を除いて公爵家が3つあるが、第2王子が王位につかない限りこの国から離脱するだろう。今はまだ要職にはついているが、俺達は早々に見切りをつけ、商会を他国にまで勢力を拡大していっている」


「そうだったんですね、でも私、王太子の婚約者にされてしまうんですよ?」


「そうなんだよな……。憶測だが、ソフィアが婚約者になったから私も宰相をしていたのかもしれない」


「たぶん、今回も王太子の婚約者になります。他に候補になるような子がいないようであれば、ですけど……」


「そうだな、なると思う。公爵・侯爵家の中に年齢の釣り合う女の子がいないからな……」


「お父様、宰相にならなくて構いません。どうか商会を盛り上げていただきたいです」


「……ソフィアはいいのか?」


「えぇ、かまいません。ただ、私の料理を食べて欲しいのです」


「それは構わないが……」


「お母様やお兄様にも食べていただきたいんです」


「私も構わないわよ? ソフィアちゃんの料理が食べられるなんて嬉しいわ」

「僕もソフィアの料理、食べたい!」


「……私が宰相にならなくていい理由となんの関係があるんだ?」


「私はこの世界に前世の料理を広めたいのです! そのために私は婚約破棄されるように動きます。お父様とお母様は巻き込まれないように商会を動かして欲しいのです。婚約破棄されたあとは隣国に行きます」


「……なるほど。わかった、王国に商会を取られないようにしよう。でもなぜ隣国なんだ?」


「隣国は安定していますもの。私、そこだけは調べているんです」


「ソフィア、それはなぜだ?」


「だって、この大陸一の国を調べないわけにはいかないでしょう。次の皇太子も立派だと聞きますし、今の皇帝が退位しても荒れることはないでしょう」


「なるほどね、僕がいるからかと思っちゃった!」

「もちろん、今はお兄様がいるから気にもなりましたよ……」


「そういえば、ソフィアちゃん。お料理はどうやって広めるのかしら?」


「それは……お父様やお母様に試食していただいて売れると思ったらお店を作って欲しいのです」


「だから、先程の願いがあったのだな」


「はい、お兄様にも10代の試食者として是非判断していただきたいです」

「もちろんだよ」

「楽しみねぇ」


「では、早速提案がありまして、冒険者や平民の方をターゲットにしたものを作りたいと思います。貴族よりも圧倒的に平民の方が多いので価格を安価にしても十分に利益は得られる方法を取ります」


「なるほどな。なら明日の夜、食べさせてくれないか?」


「はい! 私からもお願いしようと思っていました!」

「であれば、明日の夜。ソフィアの料理を食べるとする」

「楽しみだわ」

「僕も楽しみです!」

「では、今日の家族会議は終わります! 私はこれから料理長のところに行ってきます!」


「遅くならないうちに寝るんだぞ」

「はい!」






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