第53話 女王は倒す、けどお宝も…
取り敢えず近場の宮殿に入る事にした。何処か高い所に上らないと一番大きな宮殿とか言われても分からないからだ。
ちなみにマリスはどうか知らないけど、こんな所まで来たのなら……お宝とか探したい気分の私だ。
こんなに派手な宮殿なら何かあるだろう、宝物庫とか、せめて金庫でもあればアークチョップで破壊して中身を拝める筈である。
「マリスさん、取り敢えず宮殿に入ったら地下を目指しませんか?」
「は? 何でだよ。高い場所から一番大きな宮殿を探すんじゃなかったのか?」
その通りである、たんに私がお宝がありそうな宝物庫とかは地下の方にあるんじゃないかと思って行きたいだけなんだよ。
ここは何とか言いくるめて宮殿の探索をしたいのである。
「まあそうなんですが、そもそもあの言葉を全て信用する訳ないではないですか。魔法だとあの黄金像のせいで反応が多すぎて判断もつきませんし、取り敢えず一度、他の宮殿も探索してみようかと」
「ふぅん? まあお前の事だ。何かしらの考えがあるんだろう……ここは通常の空間ではない。それを念頭に行動するのなら私もアークの指示に従おう」
スッゴい上から目線なセリフである。
しかしあのマリスが指示に従おうって言うのなら従ってくれるのだろう。ここはラッキーだと考えるか。
「分かりました、では先ずはこの宮殿の地下に行きます。そこに妙な魔力の反応がありますからね」
そして宮殿の一つに入り探索を開始する。
見たところ、かなり時間の経過した国のようだ。
壁にかけられた絵画や床の絨毯とかもあるのだが、全てが朽ち果てている。とても値がつく様な物はありませんな。
宮殿の内部は広く、ちゃんと掃除とかすれば観光客とか呼べるくらい大した造りをしている。
いわゆる歴史的価値とかで考えればこれだけの宮殿をポンポン建てられる国とか普通に凄いのだ。
まあそれだけ大した国のトップだからこそ、我欲に歯止めがきかなくなったのだろうけど。
「人間はやはり程々で納得出来ないと、色々な物を失う事になるんですね」
「当たり前だ、このがらんどうの宮殿を見ろ。国の繁栄も豊かさもそこに生きる人間の為の物の筈だろうに……それを自らの為だけにと傲った結果がこの有様だ、無様としか言い様がない」
「……そうですね」
宮殿の廊下を歩いていると、幾つも扉があった。
中を開けて見ると私室だ。椅子やテーブルも元はかなり値の張りそうな物だったのだろうが残念ながらこちらも朽ちているな。
探索を進めて行くが、残念ながら金目の物はなかった。おのれ。
しかしまあ宮殿の地下には何かしらあるかもなのでそこを目指して頑張る。
宮殿の地下へと続く階段を降りる、今のところ宮殿内にモンスターとかは出て来ない。しかしあの不気味な黄金像はチラホラと見かけたのでいつ襲ってくるか分からない、常にマリスとは一緒に行動する。
バルギャーノは分からないが、デュモスは単独でも問題ないとは思うが一応は一緒に行動中である。
階段を降りると少し広めの廊下が広がる、そこを進むと、おっ今度は木製の扉じゃなくて金属製と思われる扉があった。
これは宝物庫とかの予感がする。
「デュモスさん、お願いします」
私の指示に従いデュモスが燃え盛る拳を金属製の扉にぶち込む。狙うのは鍵とかをロックしてるであろう部分だ、拳でその部分を溶かして中のかかっている鍵も溶かせば自然と鍵は解除される。
デュモスもそれを分かっているらしく問題なく金属製の扉は開いた。
デュモスなら炎で扉も全て燃やせるが、やはり地下なので全てを破壊するとか、下手をするとマリスが生き埋めになりかねないのでご法度である。
「……もうあのモンスターだけで良いんじゃないのか?」
「それは言いっこなしで」
そして金属製の扉の向こうの暫定宝物庫へと侵入成功である。さてさて何がやねんあるかな~?
……ん? なんだあれ。
見ると黄金の塊がここにあったであろうお宝。例えば高そうな装飾された壺とかネックレスとか、他にも剣や槍を取り込む様にしていた。
謎の前衛芸術作品?あっなんか黄金像まで取り込まれている、本当に何処にでも現れるな黄金像。
「…………」
しかしあの黄金像だけじゃない、あの黄金の塊にもモンスターの気配がある。あれも黄金像と同じような魔法生物なのか?
お宝的な物は全ておの謎の前衛芸術に取り込まれている。そこでデュモスが動く。
右手の平の上にファイアーボールを生成するとそれを謎の前衛芸術のある地面付近に投げつけた。
すると謎の前衛芸術が燃やされて反応する。
なんか黄金の塊の真ん中付近にギョロッと大きな目ん玉が現れた。
「ギュルアアアーーーーーーーーーッ!」
「これは、中々の大物ですね」
お宝を欲しがるのはドラゴンの本能でしょうか。
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