第49話 安全な入り口
私達は移動を開始した。それにしてもこの二層目に降りてからはモンスターとのエンカウントが全くない、ここにはモンスターはいないのか?
私はマリスに聞いてみた。
「マリスさん、ここには門番的なモンスターとかはいないんですか?」
「モンスターはいない、しかし私が親から譲り受けたゴーレム作製の技術。それはご先祖様から受け継がれた物だ、古文書によるとご先祖様が生み出した無数のゴーレムがこの遺跡の封印を守っているらしい」
「ゴーレムも出て来ませんよ?」
「当たり前だ。私達が通ったあの二層目に行く入口、あそこから来た物には攻撃するなとゴーレムには指示がされているらしいからな。あそこ以外にも入口は複数あるがそこから入ってきた侵入者にはゴーレム達が襲い掛かっている筈だ」
なんと、ここはゴーレムダンジョンだったのか。まあ確かに見た目はまんま太古の遺跡感あるし、しかしそんなアンティークなゴーレムならこの世界ならかなり高価な物として売る事も出来る筈、それをしないのはマリスのご先祖様への敬意故になのかも知れない。
「そしてもし侵入者がいればタダではすまない筈だ、万が一ここを突破されていたら……」
「………」
「この通路を進めばその門番であるゴーレム達が待機している筈だ」
マリスの言うとおり通路を進む、すると開けた場所に出た。
しかし、そこに居るはずのゴーレムは居なかった。
「ゴーレムが居ませんね」
「ここにいないと言うことは、やはり侵入者がいてそれを迎撃する為にゴーレムが出動しているんだ」
なるほど、私は魔法を発動してこの遺跡を探査した。するとゴーレムらしき魔力の反応が数十以上ある場所を発見、そこはかなり広い空間である。
ちなみにその近くにはゴーレム以外の反応も確認出来た。
「それではゴーレムが向かった方に行くんですか?」
「ああっゴーレムの足跡を辿って行くぞ」
本音は魔法で転移して方が速いと思ってる、しかしマリスは多分上位の転移魔法が使えないのだ。だからアトリエには魔法陣を設置するタイプの決まった場所にしか転移出来ないショボい転移魔法を使っていたのだろう。
そんな彼女の目の前で普通に転移魔法を使ったら、彼女はどんな表情を私に見せてくれるのだろうか? なんか少し試してみたくなる自分がいるな。
個人の意見なのだが黒髪美人は得意げに微笑を浮かべるよりも少し悔しがってる時の表情の方がエロい気がするのは私だけだろうか?
まあ新しい扉を開けるのはまた今度だ、私達はその侵入者の顔を拝むために走る。
◇◇◇◇◇◇
そしてゴーレムの足跡を辿る事しばらく、行き止まりに到着する、すると壁が横にずれて入口が現れた。そこを通る。
さっき魔法で確認した広い空間に出る。
恐らくここはゴーレムが侵入者を囲んでボコる為のフィールドだったのだろうが……。
残念ながらそこにあるのはゴーレムの残骸だけであった。
「まさかあの数のゴーレムが……」
「侵入者はどうやらあの先にいったようですね」
私が指差した先には私達が来た通路とは別の通路の入口があった。
「そうか、しかしこの数のゴーレムを倒すとなると向こうの戦力も侮れんな」
「なら先ずは魔法で姿を隠して連中の様子を探ってみますか?」
「お前はそんな魔法まで使えるのか?」
「はいっ向こうの数が多い時は少し強力な魔法で無力化して数を減らすなりすれば良いのでは?」
「……分かった、頼むぞアーク」
頼まれたので魔法を発動する。これで私とマリスの存在がその侵入者とやらにバレる事はないだろう、それではまた歩きである。あのバルギャーノって乗れたりしないのだろうか…。
そして今度はコソコソと移動する、魔法で姿も気配も完全に消してるから音を立てても本当は気づかれる事はないのだがコソコソするマリスが面白いので黙っていよう。
「………なんだアーク? こっちを見て」
「いえ、何もありませんよ」
「そうか、ならいいが……!」
「………居ましたね」
私達の視線の先、まず間違いなく侵入者と思われる連中の姿を確認した。
……ん? て言うかあの連中ってこの前ヤドカリ君達にぶっ飛ばされたチーム怪しいヤツらじゃないか。
変身イケオジもいた、更にその人数を増やしているぞ。
変身イケオジ、厄介なヤツは確実に潰すのがアクつよドラゴンのやり方です。




