第47話 大量のモンスター退治
モンスターが一斉にこちらを見た。気配とか全く隠さないでのほほんと移動していたから仕方ないか。
今後はもう少し気をつけようかな。
「くっ! ここは私とバルギャーノが時間を稼ぐ。アークは一旦引くんだ」
「それは無理ですね」
何故戦闘では負ける気配ゼロの私が引く必要があるのか意味分からん。
私はマリスの言葉を無視して前に出る、ワンマンプレイ上等。ここでマリスに怪我でもされると私のお怒りスイッチが入ってしまうよ、そうなるとこの地下洞窟を消し飛ばしてしまうからね。
モンスター達が私に向かって押し寄せる。
「アーク!」
「大丈夫、大丈夫ですからね~」
適当に返事をしつつアイテムボックスからアイテムを取り出す。今回も錬金術師スタイルでいこうかなと思います。
「まあこんなの錬金術師が使うイメージとかないけどね……」
私は赤く光る謎鉱石と黄色い液体が入った栓をしたビーカーを取り出す。それをモンスターの群れに向けて投げつけた、謎鉱石がビーカーに直撃してビーカーを破壊する、その瞬間眩い光がビーカーと謎鉱石から放たれる。
次の瞬間、モンスター達の目の前に赤く輝く鉱石を身に纏った人型のモンスターが現れた。
デュモス。そう呼ばれる生きている鉱石のモンスターである、普通にあのモンスターの群れよりも強いぞ。
あの謎鉱石はその昔手に入れたデュモスの核である。そしてビーカーの中身はモンスター専用の蘇生薬である、モンスター専用だが効果は見てとおり優秀だ。
「モンスターを復活させて戦わせる。これもまた錬金術師の戦い方です」
「んな訳あるか! なんだそのモンスターとんでもない魔力を持ってるじゃないか! 大丈夫なのか!?」
大丈夫である、コイツはその昔私にケンカを売って粉々にされた過去がある。そして長い間核だけをアイテムボックス内に放置されたのだ、また私に歯向かえばどうなるかくらいの知能はあるのできっと従順に働いてくれるだろう。
「デュモスさん……分かっていますね?」
「──────!?」
いきなり復活しても私の声は分かったのか取り敢えずモンスター達の殲滅を開始するデュモス。
赤い身体から炎が立ち上る、アレで大半の近接戦闘じゃ無敵なのだ。そして迫るモンスターの足が止まると炎を吐いて攻撃を開始した。
燃え上がるキモキモモンスター達、正直ニオイもそうだしこんな地下洞窟で炎を燃やしまくるとか辞めろよ、危ないだろうと思わなくもないがそれがデュモスの戦い方なので邪魔はしない。
私の魔法で地上から空気を入れるくらいはしているから大丈夫だ。この地下洞窟は幾つも入り口が地上のザザム荒野にあるからな空調の方は問題ない。
今のデュモスは身長が約ニメートル程のモンスターにしては普通の背丈の人型だ。しかしモンスター達が燃えながらも襲いかかってくるとデュモスは巨大化して五メートル以上ある巨人へと姿を変えた。
大きくなったデュモスは炎を吐きながらモンスターを殴ったり蹴飛ばしたりと暴れに暴れる。
見てるだけなのもアレなので私も次々とビーカーを投げてモンスターの数を減らしていく。
そんな感じでモンスター達の大掃除は完了した。
しかし戦闘後、マリスが『ま~たモンスターの素材が回収出来ないだろうが!』と燃えカスの山を見てプリプリ怒る事になるのだがそこは割愛である。
◇◇◇◇◇◇
先程のモンスターの大掃除が効いたのか、あれ以降は全くモンスターとの戦闘はなくなっている。
デュモスは元のサイズに戻り私達の先頭を歩く、ボディガード兼明かり担当である。
マリスも最初はデュモスのついてあれこれ聞いてきたがデュモス本人は断固として無言を貫き、私もこれが私の錬金術ですと主張し続ける事でマリスが折れた。現在は無言で地下洞窟を探索中である。
「……ここだな。ふうっようやく着いたぞ」
「マリスさんここには何もありませんよ?」
マリスの目の前には大きな岩があるくらいで他には何もない。しかしマリスは意地の悪い笑みを浮かべて言う。
「ここには隠し通路があるんだ」
マリスが岩に触れて何やらブツブツと呪文を唱え始める。端から見ると少し痛い人かなっと思ってしまう光景だろう、しかしこう言う場面ってファンタジーには珍しくないのだ。
基本的にブツブツ喋りながら魔法をぶっ放すのが魔法を発動する王道スタイル、無詠唱で意味もなく魔法の名前を言ってるヤツなんて私みたいな一部の連中だけである。マリスも魔法を使う時はいつもブツブツと何か言っているのだ。
まあそれはどうでもいいか、マリスの呪文に応えるように大きな岩が横にずれる。すると下に続く階段が現れた。
「ふふっさあ先へと進むぞ」
「……分かりました」
あっちなみにここには隠し通路があることを私は知ってました。だって魔法で一度この地下洞窟の内部構造を把握したからね、こう言う隠された通路も普通に見つけているに決まってるだろう。
すまんねドヤ顔のマリス師匠よ。
この地下洞窟は二層構造なのだ、一層はアリの巣の的な洞窟である。そしてこの下は……。
私達は階段を降りるとその階段から先はまるで遺跡のような人工的は地下施設であった。そうっ二層からは遺跡なのである。
「どうだ? 驚いたかアーク!」
「ええっこれは驚きましたね……」
「……本当か? 全くいつも通りのムカつく顔をしてるが」
「ムカつく顔ってなんですか?」
本当に酷い美女である。人の顔を見て問答無用でムカつく顔とかさ、まあここまで来て仲間割れしても仕方ないのであまりしつこくは言わない大人ドラゴンな私である。
ムカつく顔のドラゴンですね。




