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第46話 地下洞窟

 洞窟へと足を踏み入れる、明かりの類は皆無なのでマリスが視界を確保するための光る球を魔法で二つ程生み出した。


 ドラゴンである私には必要ないものだがマリスには必要なのだ。一応魔法による探査を仕掛けて地下洞窟の構造を把握しておく、これは……まさに超巨大なアリの巣のようである。こんなのが自然に出来るとは流石ファンタジーな世界だ。


 ん? 何か……。


「アーク、何をボ~ッとしているんだ? 速くついてこい」

「……分かりました」


 まあいいか、私はマリスの後について行く。

 地下洞窟の通路は横幅も天井も五メートル以上はあり人間なら余裕で通れる。無論モンスターとの戦闘の時はそこまで広さに余裕はないからそこは考える必要があるな。


 ドラゴンである私ならブレス一発で敵を倒せるシチュエーションだ、そんな感じで前方に広範囲攻撃出来るモンスターがいたら速効で倒す必要があるからな、いくらバルギャーノが盾役も兼ねているとはいえアテにし過ぎるのは危険だ。


 そこでふとした疑問、私はマリスに尋ねる。

「マリスさん、あのビルルを相手にしてもバルギャーノは体当たりするんですか?」


「ふふんっ舐めるなよ?バルギャーノは自らに電気を纏う魔法を扱う事が出来るのだ、ビルルなんてバルギャーノに触れたら直ぐにお陀仏と言う訳だ」


 いや、だからそれって体当たりじゃん。

「……しかしビルルの身体の粘液はニオイもキツいんですよね?バルギャーノが汚れたらどうするんですか?」


「そんな決まってるだろう?」

 するとマリスはベルトポーチからデッキブラシの持ち手部分らしき物をニュッと出してみせる。

 まさかコイツ……。

「汚れたら綺麗にするんだよ、お前が!」


 今後地下洞窟での戦闘は私がする事にした。

 一体何が悲しくて汚物にまみれたゴーレムの清掃なんてしなければならんのだ、そんなの断固拒否である。

 そんな事するくらいなら初めから戦闘を全て私が受け持つ方が遥かに楽だわ。


 地下洞窟は私が先行する事にした、マリスと四輪ゴーレムの前を歩く私だ。

 地下洞窟を進むと当然だがモンスターが出て来る、またビルルか。


「……鬱陶しいですね、これでも喰らいなさい」

 私はアイテムボックスから栓をしたビーカーを取り出した。中にはオレンジ色の液体が入っている、コイツを投げつけてやる。


 ビルルの身体に当たったビーカーは割れる、中の液体がビルルにかかった。するとそこからビルルの身体が石になっていく、物の数秒でビルルの石像が完成した。それを魔法で塵にして掃除する。


 今のは石化薬、錬金術で作れるならマジックポーションの一つだ。作成難易度はそこそこ高く、見てのとおり戦闘にも使える非常に危険なアイテムだ。


 今の私は錬金術師なのでそれらしい戦闘スタイルをそろそろしてみようとした結果である。


「………アーク、石化薬なんて高価なアイテムを使い捨てにするなよ。アレは本来持ち運びが困難な代物を一時的に保管する為のポーションだぞ」


「まあ私が持ってても他に使う機会もない代物ですから……」

 そんな事にこのポーション使ってるの? やはりこの世界の人々はファンタジーな連中である。


 それ以降の戦闘も私は前世で見た錬金術師が冒険したりモンスターとバトルしたりのゲームの記憶にあった錬金術師の戦闘を真似た。

 地下洞窟で出会ったモンスター、主にビルルだがヤツらには様々なポーションを投げつけてやった。


 その度にビルルはマヒになったり火柱に焼かれたり、猛毒に苦しんだり身体の色がマーブルカラーになったりした。マリスはポーションが勿体ないと小姑のようにグチグチ言っていたが無視した、私の物をどう使うかは私の自由である。


 そしてビルル退治も少し飽きてきた時に新しいモンスターとエンカウントした。

 それは青紫色をしたこれまた巨大なムカデだった。本当に洞窟ってキモイヤツばっかでイラつくわ~~。


「マリスさん、あのモンスターは……」

「ポイズンセンチピードルだな。毒液を吐いてくるムカデ型のモンスターだ、この地下洞窟でも滅多に現れない強力なモンスターだぞ」


 毒ムカデが動いた、あの巨大で脚を高速だ動かして洞窟の壁や天井を突き進んでする。速い、そしてなんてキモイんだよその巨体でそのスピードは反則だろう、ゴキブリか貴様は。


「よしっここは私とバルギャーノに任せ─」

「そいやっ!」


 私はポーションを投げつけた、毒ムカデにポーションが当たる。すると毒ムカデ身体から煙が出始める、毒ムカデの身体が錆び付いた鉄くずのようになっていき程なくして死んだ。


「ふうっお終いですね」

「お終いですねじゃないだろう! 滅多に現れないって言った筈だぞ! 希少なモンスターの素材をみすみす使い物にならなくしてどうするんだ!」


 マジか、こんなキモイムカデなんてなんの材料にするんだよ。意味分からんわ。

「次は死体が残るように善処します」

「ハァッお前というヤツは……」


 正直な話をするとマリスの魔法だとあのムカデ倒せなかったのだ。バルギャーノもあの巨体で攻撃されたら壊れる可能性もあったし、何よりアイツ速かったからな。ああ言うのは先手必勝で倒さないと人間なら泥仕合になりかねないから仕方なかったのである。


 まあそこを説明しても納得してくれそうにはないので何も言わない私だ。

 地下洞窟を進む、この洞窟はアリの巣に近い構造をしているが時折広い空間がある。


 そこに出た時だ。マリスが異変に気付いた。

「……おかしいぞ、こんなにモンスターが大量にいるはずがないんだがな」


 ここまでも何度かモンスターと戦闘をしたが、その開けた空間には何十体ものビルルや他のモンスターがいた。これはなかなかにテンションが下がる光景ですな。

マリスも相当理不尽な女ですよね。

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