第42話 ビルル
その後私達はチーム怪しいヤツらへの処理を済ませると別れる事にした。今回はわりと働いてくれたので今度会う時はお土産とか持っていこうかと思う私だ。
私はオトシマエをつけてスッキリした、その日はマリスのアトリエ支店で一日休んで次の日に錬金術師ギルドへとむかった。
「おはようございます。アーニャさんアレから何か情報は入りました?」
あのチーム怪しいヤツらの中にはミリアの姿はなかった、まさかあの変身イケオジがミリアに変身していた可能性も疑ったが……あのオヤジがミリアの正体とか私的に冗談じゃないと考えたのでミリアは別口の相手だと考える事にした。
まあ魔法か何かで変身しても本人の魔力は誤魔化せないので完全に別人だろう、そう言う訳で秘薬か或いはヤドカリ君が言っていたこの地で昔暴れたヤバイヤツとやらに用があるのか、詳しい話は本人にでも聞くしかないが未だにその足取りも掴めない。
錬金術師ギルド、あまり人材がいないのかね? っと失礼な事を考えてしまうね。
「……あの、アークさん」
おや? 何やらアーニャが少し暗い表情をしている、これは何か嫌な予感ですな。
「どうかしましたか」
「実はアークさんに言われた調べ物をしていたら、何故か上からストップがかかりました。理由はよく分からないのですが、とにかくこの件から手を引けと……」
「…………」
話を聞くとあのハゲに化けていたチーム怪しいヤツらの事を調べるのもダメらしい。どう言う事だろう、やっぱりミリアとあのチーム怪しいヤツらは繋がっているのか?
「すみませんアークさん」
「それなら仕方ありませんよ」
「それとこの話はアークさんも忘れてた方が良いと私は思います。多分このハーマストで力を持っている人間が動いているかも知れませんから」
人間の権力者なんてドラゴンの私から見れば同じアリンコである。しかしアーニャの話を無視する態度もよろしくはないだろう、向こうは親切で言っているからだ。それにアーニャも可愛い美少女だし、その意見を聞くのも悪くはない。
「分かりました、私も危険な真似なんてごめんですしこの件は忘れますね」
「はいっ多分その方が安全ですよ。私もアークさんにはギルドの仕事を頑張ってほしいですしね」
「ハッハッハッ今日は用事があるのでお断りしますね」
幾ら美少女の頼みでもそこまで都合よく使われる訳ないだろ。
私は錬金術師ギルドを後にしてマリスがいるアトリエ本店へと向かう事にした。
◇◇◇◇◇◇
「ふぅ~ん? つまりはこれ以上首を突っ込むと何されるか分からないと…」
「はいっギルドにも圧力がかかっているとなると、そういう事かと思いますよ? どうします? 調べろと言うなら調べますけど……」
私個人としてはチーム怪しいヤツらとかその背後にいる権力者的なヤツらが何をしても別に構わないのだ。だってそのヤバイヤツを復活させたとしても私がいるのでどうとでも出来ると思っているからね、問題はまたヤドカリ君達やこのマリスに何かしらの被害がある場合なのである。
本音はヤドカリ君は大丈夫そうだからマリスのボディガードをしたほうがいいかなと思っている。
「………いやっそれならほっておこう、そもそも私もなんとなく気になる程度の理由だし。やぶ蛇なんて割に合わない事はごめんだ」
「それじゃあ私は何をすれば?」
「う~~ん、それならこの森をハーマストがある方向とは逆方向に向かうと広い荒野があるのは知っているわね?」
それは知ってる、確かザザム荒野とかいうこの森の数倍の面積が草木も生えない不毛の大地になっている場所だ。
主にヘビやクモみたいなモンスターが棲息していて、地下にはアリの巣みたいな洞窟が広がってるらしくそこには……。
「もしかしてザザム荒野の地下洞窟ですか?」
「ええっその通りよ、そこには錬金術に使える様々な素材があるわ。それを取りに行くからアークお前もついて来い」
なんとマリスとパーティーを組むことになった。
マリスレベルの黒髪美人と共に洞窟探索か、望むところである。私のテンションは密かに上がる。
「ザザム荒野の地下洞窟にはナメクジを巨大化したようなモンスターのビルルってのがいる、コイツは天井とかに張り付いてそれに気付かないで真下に行くと落ちてきてヌメヌメになるから気をつけておけよ? あとコイツは臭いんだ……」
「………………」
私のテンションは地に落ちた。どうして薄暗い洞窟にはそんなファンタジー世界にも存在する必要のないと思われる連中がこぞって住み着くのだろう。
ナメクジモンスター、最悪ですね。




