第41話 変身イケオジへの断罪
と言う訳で三分後。
「なっ何者だ貴様らーーー!?」
「フッフッフッ私達は謎のマスクマン、この盗っ人共よ、今からコテンパンにしてやりますので覚悟するとよろしい……」
魔法が解け、目覚めたハゲ一味(ハゲは一人もいない、恐らく本当の姿はハゲではないのだろう。だからどうした、私がハゲ一味と命名したのだからハゲてなくてもハゲ一味なのだ)。
そして目の前には謎のマスクをつけた私とチームヤドカリ君の二人である。
コイツらの背後関係が不明なので顔を隠しておくことにした。
念の為コイツらをボコった後は寝てる間に記憶も操作して我々の痕跡を完全に偽装する手筈となっているので思う存分暴れられる。
まあ暴れるのはモイモンとイプシーだけど。
私は今日は高みの見物をしたい気分、なので常に相手を見下す謎の人物ポジにいることにした。
「お前達に逃げ道などない、ここで我々の手で罰を受けるか、土下座して額を地面にスリスリして命乞いをするのか選び─」
「ガルフ! 魔道具と素材を回収しろ!」
「分かった!」
「バル! ベロス! マム! 俺と共にコイツらを捕らえるぞ! 残りは後方で待機!」
「「「「………ハッ!」」」」
「……………」
人が……いやドラゴンさんが話をしてるのに無視して臨戦態勢を整えるとは何事か。
これはガチで自分達の今の状況を教えてやろうか? あっアイテムの山が一瞬で消えた。恐らく空間魔法か何かを使えるヤツがいるな。
恐らくソイツが転移魔法を使って洞窟から逃げたハゲだろう、ソイツは私が直接ボコする。
親しくしてる訳ではないけど錬金術師ギルドに登録してる身なのでね、同僚を捨て石に使ったヤツにはそれなりのオトシマエをつけてもらうよ?
そしてハゲ一味の準備が完了した時点で私は転移魔法を発動した。流石にここでドンパチするのは目立つしハーマストの一般市民にも迷惑だからね、場所を変えようって話だ。
わめくハゲ一味を無視して転移は一瞬で完了した。私達が移動した先は草原だ、ゴルフ場かってくらい短い草くらいしか生えていない長閑な場所である。
ハーマストから十キロ程南に離れた場所で道も通っていないのでまず人目にもつかない場所だ。
「くっ! 今のは転移魔法か!?」
「その通り、そしてもう一つ……」
私は結界を張った、これでハゲ一味は逃げる事が出来ないぞ? フッフッフッ。
「さあっ我が僕チームヤドカリ君よ、あの変な連中をダメージで気絶するくらいいじめてやるのです」
「オイラ達、別に僕じゃないよ?」
「………チームヤドカリ君………ダサ…」
「一番変なヤツに変なヤツと言われた!?」
私のコメントへの不評が凄いな、いいからさっさとやり合えよもう。取り敢えず戦う事にしたヤドカリ君とイソギンさんは前に出る。敵さんも今度は攻撃魔法を放ってきた。
ヤドカリ君達は人間の姿からモンスターの姿へと変わる、全長八メートルはある超ビッグヤドカリへと変身した。身体がデカくなったので魔法にはバンバン当たるがやっぱりダメージは受けていないな、モイモンとイプシーは魔法と物理の両方にとても強いようだ。
さらに結界はそこまで広くはない、今のビッグヤドカリとイソギンチャクである二人を相手にフィールドを逃げ回るような真似を出来なくするためだ。
敵さんのチーム怪しいヤツらはその事を理解しているのか顔色が悪いな……おや? 後方に配置されたチーム怪しいヤツらの一人が何やら他の仲間と距離を取っているぞ?
「!? なっ何故だ、転移魔法が発動しないだと……」
「それはそうですよ? この結界の中では攻撃魔法以外の魔法は発動出来ないようにしています、無論貴方達だけですけど…」
「なっ!?」
心底驚いているのは四十くらいのオッサンだ、顔立ちはそこそこイケメンのオヤジ、コイツがあのハゲに化けていたヤツだな。以前は黒人系の顔立ちだったが今は白人よりのフェイスをしている。
どのみちそこそこ顔面偏差値が高いので取り敢えず殴っておこうかな。ボコッと。
「取り敢えず錬金術師ギルドをいいように使ったオトシマエはこれでチャラにしてあげますね?」
移動は一瞬、私は暫定元ハゲの目の前に立った。
私の右パンチが変身イケオジのアゴにヒット、意識を刈り取られて倒れようとするコイツに蹴りも放って十数メートル程蹴り飛ばして結界の見えない壁に激突させた。
「ふうっこれで私個人は許してあげましょうかね」
「うわ~~本当に何の躊躇もなく……引くよ~」
「…………………引く」
そんなことをいいながら鋏をぶん回してチーム怪しいヤツらを薙ぎ払っているのはどこの誰だよ。
モイモンとイプシーのコンビはヤドカリ無双よろしくって感じで敵をいじめていた。既に前衛は全滅して後衛が逃げながら攻撃魔法を放っている、そして大きなイソギンチャクであるイプシーがウネウネと触手を伸ばしては捕まえた人間を毒か何かで気絶させていってる。
錬金術師ギルドの連中よりかは頑張ったけど、なかなかにこのヤドカリとイソギンチャクのコンビの方が強かったようだ、チーム怪しいヤツらは全滅した。
「ふう~~これで盗っ人達には罰を与えてやれたよ!」
「それは良かった。後は連中の記憶から私達の事を少し都合よく改竄しますね……」
コイツらの正体も分からないし、この場で処分なんて物騒な話もするつもりはないのでここはそのくらいで勘弁しといてあげよう。
むむ~~ホイホイッ! 記憶よ私の都合のイイモノになれ~~~いぃ!。




