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第34話 洞窟とかマジで最悪

「なっなんでそんな依頼を私が……そんなの冒険者とかがする仕事でしょう?」


「さっきアークさんが言ったじゃないですか、採取する時に素材の扱い方を知らない冒険者だと後々困った事があるって」


「それは……」


「それに今回の依頼はかなり大口の取引らしくて、ギルドマスターも本気でそのタナード鉱石をゲットする気らしいんですよ」


 ならなんでこんな登録して日が浅い、素人錬金術師に依頼するのかね?。


「大丈夫ですよ! 実はこの話はアークさんだけじゃなくて十数人の錬金術師達に話が言っているんです、アークさんはむしろ後衛で前衛をする人のお手伝い的な感じになると思いますよ?」


 お気楽に言ってくれる、戦闘慣れした冒険者が失敗した依頼だよ? それを基本的に研究と実験ばっかりの錬金術師なんて後衛職だけで固めたパーティーでどうにかなると思ってるの?


 これっ完全に人の数で依頼をゴリ押しでクリアする気だな、下手すると死人や全滅もあるぞ。


 何しろハプオン洞窟の中に存在するという湖には主がいる、それもかなり強いらしいのが。

 むしろ私一人に任せてくれた方が助かるんだけどな……。


 本当にしがらみって面倒くさい。やる気はないがここは人間の街で私はまだ滞在する予定なので変に力で脅すのもな……。


「…分かりました、行きましょう。但しきちんとした情報をこちらにも渡して下さいね?」


「はいっ任せて下さい!」


 本当に返事だけはいいんだから……渋々私はそのハプオン洞窟とやらに向かう錬金術師団のメンバーとなった。


 話を更に聞くと翌日には洞窟に出発するらしい、一度マリスのアトリエに戻るべきかな? いやっいちいち報告されても私なら困るだけだしいいか。


 ここは日本社会に非ず、一日や二日連絡しなかったからって上司から鬼電メールやラインがくる訳でもないのだ。


 まあ今の私ならそんな上司はね、上空五千メートルからパラシュートなしのスカイダイビングでもさせて海に着水させるけど……死ぬな。まあいいか。


 とにもかくにも明日は仕事だ、その日私はハーマストにあるマリスのアトリエ支店の二階にある個室の一つを借りて寝ることにした。


「…………汚いな」


 そこは恐らくマリスが使っていたのかとても物が散乱していた。ゴキブリとかいないだろうな? いたらこのアトリエ支店が消し飛ぶぞ。


 仕方ないのでこの汚部屋を魔法で掃除する、ただのゴミは魔法で消して、本とか何かしらの用途がありそうな物はテーブルの上に置いておくか。


「余計な仕事を増やして、そう言えば確かにマリスがよく研究に使ってる部屋からは変なニオイがしてたな……」


 これは一度汚部屋らしき彼女の研究室を改める必要があるな。

 そんな事を考えながら私は綺麗にしたベッドで寝た。



◇◇◇◇◇◇



 そして翌日、起きて身支度を整える。


 アイテムボックスからバックパックやら服にズボンを出す、革製のブーツならいつも使ってるが適してるだろうから大丈夫だろう。


 薄暗い洞窟用に松明たいまつくらい持っていくか、私は暗闇でも見えるけど。

 そして前日にアーニャから聞いた集合場所に指定時間五分前につくように出発した。


 場所はハーマストの出入り口となっている門である。そこに総勢二十人くらいの人間が集まっていた。中には錬金術師じゃなくて荷車を引いて採取したタナード鉱石を運ぶ役割の者もいるな。


 私の仕事は前に出て戦う人間の手伝いだと聞いている、この一団の責任者に先ずは話を聞きたいところなのだが…。


 そう考えていると錬金術師団の前に一人の男が立った。見た目は黒人よりの顔立ちと肌の色をして、歳は三十過ぎのガタイはがっしりしてる強面のスキンヘッドだ。


「俺の名は……」


 私は野郎の名乗りを無視した。おっさんなんて記憶するだけ無駄なのだよ。

 そして名乗り終わったタイミングでまた話を聞くようにスタンバイ。


「──それとモンスターの相手をするのは俺達錬金術師ギルドでも戦闘技術を持つヤツだ、荷車引きや数合わせで来たヤツらは基本的に戦闘に参加する必要はない、まあ荷車引きがモンスターに襲われたりしたら護ってくれ」


 なんとまさか数合わせだったのか私は? しかも荷車引きのこのおっさん達の護衛的な仕事をするみたいである。


 護るのがおっさんとか、新手の拷問ではないのかね? これなら部屋で寝てる方がマシである。

 ……しかし仕事を引き受けた以上途中で投げるのもな、ハァッ本当に嫌で仕方ないが我慢するか。


 出発前からやる気をどんどん削られる私だ。


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