第33話 ハーマストの街
その後私はハーマストの街に移動する事になった、理由はミリア以外にもその秘薬とやらの材料を求めてる怪しいヤツがいないかを調べろと言われたからだ。
あの研究大好きマリスが気にしてる事なので弟子として少し頑張る事にしたのだ。ドラゴンも美人には勝てないんだよ。
ハーマストの街は豊かな自然に囲まれてる街だ。
街は高い壁に囲われ、地面には石畳が敷かれてる。家は青とか赤の屋根でレンガ造りの家が多い、ファンタジーゲームの背景にありがちな街並みってやつである。
そこで私はこのハーマストの街に幾つかあるギルドの一つ、錬金術師ギルドに向かった。
三階建てのレンガ造りの建物で結構デカい、ギルド内には数十人の人間が出入りしている。
「と言う訳で何か情報とかありませんかアーニャさん?」
「どう言う訳ですか?」
錬金術師ギルドの受付にて、私は一人の女性と話をしていた。
十代後半くらいの黒髪をポニーテールにして青い瞳、白人的な白い肌と顔立ちの美人がいた。錬金術師ギルドのギルド穣であるアーニャだ。
この世界には冒険者ギルド以外にも魔術師ギルドやら盗賊ギルドとかもある……盗賊ギルドとかゲームの中だけじゃなく本当にあったよ。
せめて斥候ギルドとかにしない? ネーミングセンス最悪だと思ったね。犯罪ギルドだと思われたりしないのだろうか?
まあそれは関係ない、大事なのは今の私は錬金術師ギルドに登録して錬金術師としてハーマストの街で活動しているって事だ。
マリスに言われてハーマストの街まで来た、マリスのアトリエにはハーマストに転移出来るワープゲートをマリスが用意してくれているので移動は一瞬なのである。
ワープゲートはこの街にあるマリスのアトリエの支店に設置されているが街の人間は殆ど知られていない。
「え~と? その秘薬の材料となる様々な物を集めている人達がいないかですか? ん~~錬金術師ギルドって基本的には錬金術で薬やアイテムの錬成を依頼されるのが殆どだからその手の情報は集まりが悪いんですよね……」
「けど錬金術に使う材料って素材の状態もかなり関係してくるので、採取の仕方が丁寧な人間にしか依頼されないでしょう? なら冒険者ギルドとかよりも情報が集まったりしませんか?」
「う~ん、そう言われると……ちょっと待っててくださいね?」
アーニャがギルドの奥に消える。
しばらく受付カウンターで待つ、すると他の錬金術師達が何やら話をしていた。
なんとなくその話に耳を傾ける、盗み聞きだ。
「知ってますか?何でもハプオン洞窟内の湖畔で珍しい素材が手に入るらしいですよ?」
「ああっあのミミズ型のモンスターやゲジゲシみたいなモンスターがいる洞窟か?」
「はいっただ湖に住み着いた主が強力なモンスターらしくて、冒険者ギルドの冒険者も中々それをゲット出来ないらしいです」
「冒険者ギルドが動いたのか? つまりそれを欲しがるヤツがいると?」
「そうです、何でも高価な秘薬の材料らしく。大金を出すので何としても手に入れて欲しいと、この錬金術師ギルドにも話が来てるとか……」
「しかし冒険者ギルドが動いて失敗とは、ならその主を倒せるヤツなんてこのハーマストにはいないんじゃないか?」
ハプオン洞窟……モンスターって事はある程度デカいんだろうな、ミミズにゲジゲシ?有り得ないね。何であんな存在が異世界にまでいるのかと私は考える。
いっそ私がこの世界の神となりあの手の存在を全て絶滅させてやりたいとすら思えるね。何がどうとか説明する気にもなれない、ヤツらは人類ともドラゴンとも共存出来ない存在なのだ。
ミミズは普通サイズのは畑で活躍するので見逃す、しかしゲジゲシよお前は普通サイズでもデカいので許さん滅亡せよ。滅亡せよ!
私がゲジゲシを呪っているとアーニャが戻って来た。
「アークさん、どうやらアークさんが知りたい秘薬とかそれを欲しがってる人達の情報が手に入りそうですよ!」
「それはよかった、それでその情報は?」
「フッフッフッギルドマスター曰く、情報には対価が必要だそうです」
それは確かにそうだマリスも似たような事を言っていた、この世界も日本もそうだが人の善意やなあなあで本当にタダ同然で他人を使おうとする厚かましい阿呆は必ずいる。
そう言う人間はこっちが甘い顔をするとどこまでもつけ上がる、そんな連中には毅然とした態度でノーと言えなければ世間は渡っていけないのだ。
私はそんな阿呆共とは違う、払うべき対価ならしっかり払うつもりである。
「分かりました、では幾らほど?」
「いえっ実はお金とかじゃなく、一つ依頼を受けて欲しいんですよ~~」
「依頼? 別に構いませんけど…ちなみにどんな依頼ですか?」
「ハプオン洞窟に稀に取れる言われるタナード鉱を採掘して来て欲しいんですよ」
「………………」
それさっきの錬金術師達が話してたやつじゃね? ウソだろう、デカいミミズもゲジゲシもマジで嫌なんですけど。そうっやっぱりミミズも勘弁な私なのである。




