第26話 正座スパークペイン
召喚されたモンスターは、豪炎の魔神、メデューサクィーン、オーガロード、死毒のキングコブラ、フロストケルベロス、風化の支配者の六体である。
どいつもこいつもダンジョンの深部を任せられる強力なモンスターだ。あの激おこプンプンゴッドを合わせて七体、このダンジョンの主力を喚んだな。
「かかれぇい! コイツら倒したらボーナス弾むぞーーー!」
しかしね、悪いね。ここには私がいるんだよ。
最強無敵のドラゴンさんがね。
「受けなさい。我が魔法を……正座! スパークペイン!」
「──え? 魔法名ダッサ」
「辞めなさいマルス!」
どっからか、無礼な言葉が聞こえた気がした。
しかし直ぐに激おこプンプンゴッドとその部下達の絶叫と苦悶の声にかき消された。
◇◇◇◇◇◇
その後ボスモンスター達にはここが非合法ダンジョンである事を説明して早々に裏の世界に帰ってもらった。別にモンスター法を犯してまであの阿呆に付き合う通りはないと捨て台詞を吐いて帰って行ったわ。
自称黒幕とかいう男の寂しい後ろ姿よ。
まあざまぁ見ろとしか思わんがね。
お宝も無事に回収し終えた、私達は後は帰るだけとなったのだが…………。
「ぐっおオォオオ! この! 盗っ人共めぇえ……!」
「アーク様、あの神族どうにか出来ませんか? もの凄い殺意込めた目で見てくるから宝を運ぶ時も気が気じゃないんですよ」
「まあ本来ならヤツ一人相手にしてもこちらのモンスター冒険者達全員でも勝てるか怪しいレベルの戦闘力を持ってますからね」
「───そんなのを完封するとかなんなんですか? そのセイザースパークペインって」
「ハッハッハッ私が暇な時に創ったオリジナル魔法ですよ。冗談の類のね」
「…………」
ちなみに正座スパークペインは喰らったら魔法の類(神族や他の種族が使う魔法に類似する系の物も全部)ほぼ使えなくなる。
更に身体能力も人外は全て人間並みに弱体化すると言うデバフ効果もあるのだ。
これらの効果はゲームとか大好きだった私が命名すると、状態異常『抵抗は禁止』『雑魚キャラにな~~れ』と言った所である。
なにぶんどこまでの効果があるのか創った私にも分からん部分が多い、だって実戦で使ったのはまだ二回だからさ。
しかし神族相手にここまで効果を発揮するとは、私の魔法はボスモンスター達は解除したら痛みはすぐに引いた。
この神族はまだ魔法を解除していないので継続してあの正座の痛みにまともに立てないでいる、きっと正座とかしたことがないんだろう、未知の痛みに悪戦苦闘していた。
まあその間にお宝は全て戴いたので別れの挨拶でもするとしますか……。
私は未だに地面にうずくまる阿呆神族を見下ろして口を開く。
「まあ取り敢えず……この非合法ダンジョンの事は裏の世界にもすぐに知られると思います、ダンジョンコアをどうやって手に入れたか知りませんが。もし力ずくで奪っていたりした場合は…貴方は消されるでしょうね、ご愁傷様です」
「こっこの悪魔め!」
悪魔じゃないですぅ、ドラゴンです。
私はとても良い笑顔でこの神族の現状を説明してあげたのに、失礼なヤツである。
「それではアルビス船長、戴く物も戴いたのですぐに………」
「──けるな」
「ん?」
「ふっざけるなぁあああーーーーーーーーッ!」
おおっ神族が無理矢理、神性を解き放ったぞ。
流石は腐っても神を名乗る阿呆、大したもんである。
「よくもこの我をここまでコケにしてくれたな! 最早、人間もモンスターも関係ない! 全て消し去ってくれるわ!」
すると地面が不自然に歪み、大きな穴となった。
その穴に飛び込む神族。私は追うべきか悩んだ。
しかし直ぐに島が地震に襲われたのだ。仕方なく私は宝も回収したのでダンジョンの外に移動した。
外にはモンスター冒険者と幽霊海賊団が慌てていた。
「この、地震、なんだ!?」
「くっ! この島には長いこといるが、地震なんて初めてだぞ!」
「皆さん落ち着いて下さい、今からこの場の全員を我々が乗る船に転移させます」
「そっそんなことまで出来るのアーク!?」
出来ますよ、なんせ正体はドラゴンだからね私は。
緊急事態なので問答無用である、私は転移魔法を発動した。
魔導軍艦に戻った。直ぐにクトールのパーティーメンバーに事情を説明して、私の魔力で魔導軍艦を操り沖に出る。
しかし島の周囲の海域の白い霧、あれがここに来た時とは違っていた。
「魔法の霧が操作されています、恐らく突入してもここに戻って来るでしょうね」
「なら、あの裏の世界に行くのは?」
「ボスモンスター達は転移門を使えていましたが………」
私は転移門に変形する黒い鍵を投げた、しかし鍵は地面に当たり前のように落ちる。
「やはり何らかの魔法か何かで転移門も封じられていますね、まあ向こうは私達を生かして帰す気がないのですから当たり前ですが……」
「何を冷静に確認してるのよ!」
すると今度は海にいても揺れを感じた。
そして沖に出て島を離れて見る私達だから分かった、なんと島が動いているのだ。
「──なるほど、あの神族がダンジョンの奥に何をしに行ったのか分かりましたよ」
「それは一体何なの?」
「ヤツは、ダンジョンコアと融合してダンジョン、そしてあの島と一つになったんですよ」
私達の視線の先、島から巨大な触手みたいな物を生やしまくってる、更にその触手の先には1つの目ん玉が付いていた。
キモイタイプの変身をするなよ阿呆神族が。




