第23話 ダンジョン探索は…三日で飽きた
ダンジョン探索初日、私達は遂に訪れた冒険の舞台に心を躍らさせていた。
先ずは私が魔法でこのダンジョンの構造を把握した。ふむふむ?。
どうやらこのダンジョンは全部で十階層に及ぶ地下に続いていくダンジョンのようだ。
イメージとしてはアリの巣というよりも横倒しにした蜂の巣見たいなくっきり層で別れてる感じ。
恐らく階段か何かで繋がっているんだな。それと魔法か何かでダンジョンと言う空間を広げていて一階層ごとに十数キロメートル程の広さはある。
更に階層ごとに階段のある部屋の前には一際大きな大きな広間があった、アレはまず間違いなくボス部屋だ。
つまりダンジョン一つに十体のボスがいることになる。中々に手応えがある感じである。
果たしてアルビス船長とモンスター冒険者達はこの高難易度ダンジョンを踏破出来るのか!?。
………私はもちろん応援に専念する。専念するったら専念するぞ。まあヤバくなったら助けるが。
ちなみにバルゼか他の海賊かは知らないが、誰かしらの頑張りによってなんと第三階層までボスは既に倒されていたのかボス部屋の中はカラだった。
ダンジョンの中には普通のモブモンスターは多数いる、恐らく誰もこない間に新たに補充したのだろう。この世界のダンジョンモンスターはゲームのように何もしなくてもリポップするお手軽仕様ではないのだ。
そしてボスがいない理由、それは階層ボスは高給取りだからな。きっとこのダンジョンの主、つまり全ての黒幕のふところ具合がアレなんだろう。
なんかそう考えるとダンジョンを踏破して財宝まで持っていったら、泣いちゃうかもな。その黒幕。
しかしそれも悪くない、ダンジョン探索への情熱を私は得た。頑張ろう。
ダンジョン探索初日は第一階層を踏破するのが目標だ、一日あれば歩いても踏破出来るがそれはモンスターもダンジョントラップもなかったらの話。
普通にどちらも私達を殺しに来るので早々、事は上手くは運ばない。ゲームと違って戦うのはキャラクターではなく私達だから一回の戦闘をするだけで普通に疲れるのだ。
気を抜けて進めばトラップで普通に死にそうになる。初見殺しのトラップとかも阿呆みたいにあるのがダンジョンなのだ。
まさに一獲千金の大博打、ダンジョンには夢もあるが失敗すれば死あるのみである。
故に戦闘はローテーションを組み、罠の判別が出来る者を休憩させながら確実に進んだ。
第一階層は難なく突破した、初日は好調であった。
そして二日目、遺跡のような建築物的な内部は変わらずだ。ダンジョンは階層を進むとその内装がガラリと変わるダンジョンもある。
モンスターやトラップの種類もガラリと変わるので注意が必要である。見た目の変化に呑気に興奮しているとお陀仏だ。
まだ第二階層だし、碌に変化はないか。
私達はダンジョン探索を進めていく、罠の類もそうだが現れるモンスターについても触れておこう。
このダンジョンに現れるモンスターは石で身体が出来たロックゴーレムや真っ黒い身体をした大きな蛇のモンスター、ブラックボアだ。
ロックゴーレムは動くと音がするので分かり易いが、ブラックボアはその音に紛れて接近してくるので不意打ちを喰らう可能性が高い、私が雇ったモンスター冒険者は大丈夫みたいだが。
ロックゴーレムはザガンパーティーが一撃でブラックボアはマブトパーティーが確実に感知して不意打ちを防ぎ撃破していった。
後はスケルトン系のモンスターだ。骨だけの連中が汚い武器と防具を装備して現れる、彼らはクトールが魔法で一蹴していた。
数は多いが単体ではあまり強くないスケルトン、まともに相手をせずに魔法で片付けた方が速い。
ダンジョントラップについては、基本的に壁の小さな穴から矢が飛んでくるとか。宝箱があって開けたら石コロが飛んでくるとか。
そんな古典的なのが多い、落とし穴や地面から槍がドンッと出て来るヤツもあった。
初見殺しのトラップだとそのフロアに入ると通って来た道が塞がれて魔法で部屋の床なら炎が吹き上がってくるなんてのだ。
まあ閉じた道を私がワンパンでまた開けて、そのフロアを魔法の炎ごと破壊したので今後その罠にかかる者はいないだろう。
そんな感じのダンジョン探索二日目だった。
しかしその日の探索終わりにアルビス船長から硬い床じゃなくてベッドで休みたいという意見が出た。即席のお風呂なら用意出来るがここでベッドを出してもな……。
仕方ないのでジグラードの部屋に転移する事でその不満を解消した、しかしコレには他のモンスター冒険者も不公平だと文句を垂れるのでもういっそ寝るのと休憩はジグラードでとることになったのである。
ダンジョン探索三日目、朝シャワーを浴びて軽く朝食を食べる。アルビス船長やモンスター冒険者も携帯食料ではアレなので冷蔵庫から適当な物を出して料理を作った。
中々好評だ。朝の運動だとマブトとクトールのパーティーがダンジョン探索に行った。
小一時間もすれば戻って来るだろう。
その日は事件が起きた、なんと大部屋で雑魚寝していたザガンが朝から酒を飲んだ勢いで私やアルビス船長が使っているキングサイズのベッドにダイブしてベッドを壊してしまったのだ。
ジグラードで働く人に平謝りする私とザガンであった。そんなに雑魚寝は嫌なのか?仕方ないので彼ら歩くマンモス用の特注ベッドを働く人に頼んだ。
働く人からは「ここはホテルではないのですが……まあ真竜大公の言葉なら…」と渋々了承してもらった、ベッド一つでそんな大層な呼び名を出さんでほしい。
そしてその日の昼、昼食をとったらまたマブトとクトールが腹ごなしにダンジョン探索に向かうと言う、今度はザガンパーティーも一緒か。
なかなか勤勉な連中だ、私は彼らをダンジョンに送った。
「いやっ送ったじゃないでしょう!?食後の運動にダンジョン探索とかおかしいから!主目的がダンジョン探索でしょう!?なんで日頃のライフワークのついでみたいになってるのよ!」
アルビス船長からの鋭いツッコミを頂戴してしまった。
私としたことが、全く以てその通りであった、完全に便利な生活に触れてこっちに重きを置いてしまっていた。
便利さと快適さとかかくも恐ろしい物である。
私はダンジョン探索を再開した。




