第20話 ボーグ船長も再び
薄暗い海賊村を歩き、聞き込みをするという地味な作業を繰り返す事しばらく。
少し休憩をしょうと食事処的な店に入る、しかし建物に入ると速効で鼻に来たのは異臭。
見ると腐った何かの肉とか皿に乗せて運んでいた。
「うわっ何アレ?」
「幽霊海賊は既に死んでいるので腐った不浄な物でも平気で口に出来るんでしょうね。ここで何かを口にするのは避けた方がいいですよ」
「…………」
私は黙って開けたドアを閉じた。
仕方ないので建物の裏にて休憩をする、糸目は水筒から水を飲んでいてアルビス船長は携帯食料をかじっていた。
「ハァ~ッゴースト系はともかくガイコツとゾンビ化した幽霊海賊はキツいわ、俺は鼻が良いからこの海賊村に入った時点で鼻がひん曲がりそうだぜ」
「人間のわたしもよ、早く必要な情報を集めてさっさとずらかりたいわよ」
「……そうですね」
一つ私の予想では、ここにはヤツがいる可能性が高い。ならば魔法で探してみるか?。
私は探査魔法でとある男を対象に発動した。
すると見事にビンゴ、やっばり幽霊海賊になっていたか。あの男は。
──ボーク、アルビス船長の船で副船長をしていた男である。ハゲを隠すためのバンダナと厳つい悪人面は変わらないな。肌が青白になってる以外は以前の姿のままだ。
「そんな、なんでボークがいるの!?」
「幽霊船にやられたヤツらは同じ幽霊船の一味になるのではないですか?しかしあのボークはそれだけではないでしょうね」
「それはどういうこと?」
「本人に聞けば分かります」
私は堂々とボークに近づく。
「ん?なんだお前?新入りか……てってめぇは!」
「分かりやすく自分が本人だと教えてくれてありがとうございます、そ~~れ」
私は魔法を発動、ボークを人の言う事を聞くように素直なだけのオバケ海賊にして私達は人目のないところに移動した。
そして海賊村の建物の裏手に行くと魔法で結界を張った、これで他の邪魔が入る事はないだろう。
「これで安心して聞きたい事が聞けますね」
「ううっうう……」
「ちょっとこれ、ボーク大丈夫なの?頭がパーになってるようにしか見えないわよ?」
「魔法を解除すれば元に戻ります、それよりこの男に幾つか質問をします。今のボークはウソが一切つけない状態だと言う事を理解して聞いてください」
そして魔法に掛かったボークに質問する。
「ボーク、お前がアルビス船長の船の副船長になったのには理由がありますね?それを全て吐きなさい」
私の言葉にアルビス船長は何を言ってるんだ?って顔で見てきた。しかしボークの本音を知りたいのだよ私は。
「……おっ俺は不老不死になりたかった、そしてある日それを叶えてくれるという男に会ったんだ」
「………は?」
「その男は不老不死を俺に与える代わりに要求したのは海賊の魂だった。だから俺は当時船長をしていた船の部下達の命を全て捧げたよ、あの幽霊船に襲わせてな」
あ然とするアルビス船長、ボークの言葉は続く。
「しかし生贄は足りなかった、だからアルビス。あの女を使ったんだ、アレだけの女なら祭り上げれば直ぐに必要な人間は集まる。何度か海賊の真似ごとをさせて下っ端を補充したら直ぐに十分な生贄は集まったよ」
成る程、アルビス船長は客寄せパンダだった訳か。
「私をタルに入れて海に捨てた理由は?」
「生贄の中に俺に逆らうバガがいた。しかも異様に魔法が強力な得体の知れないヤツだった、邪魔になると判断して寝てる間に捨てた」
「───それで?お前は不老不死なれたのか?」
「完全に騙された、不老不死どころかゴーストにされた上にこの島と霧の中までしか生きれなくなった…………」
まあ全然可哀想だとは思えないな。ざまぁ見ろと思った、そして良いように使われていたアルビス船長は腰の剣を抜く。
他にも必要の情報があるのでそれは魔法で直で頭から抜いてしまおう、アルビス船長がキレる5秒まえであるからして。
無論ボークはアルビス船長の好きにさせる、私もこの阿呆には海に捨てられたし構う理由もないからな。
「海賊はね、裏切りには死を与えるのみよ、フンッ!」
アルビス船長の剣の一閃が、ボークの首を切り飛ばした。
ボークの幽体は霧のように消えてなくなる。
しかしヤツはゴースト、一度消えても時間をかければ復活するだろうな。ゴーストは基本的に強力な魔法か魔法が込められた武器でしか倒せない。
「さてっ必要な情報は手に入れたので行きますか」
「行くってアークの旦那、どこに行くんで?」
「──フッこの海賊村を取り仕切る海賊共の幹部の所にですよ」
私がこの海賊村に来た理由、それはボーク以外にもある。それにはまず海賊村で他の幽霊海賊達に指示を出せる強力な幽霊海賊の幹部と会わないといけないのだ。
何故なら私は、ここの海賊達を上手いこと仲間に引き入れられないかと考えているからである。
海賊は自由が大好きな連中だ、それがこんな島に縛り付けられてるなんて……実に不満を溜め込んでそうではないか?クククククッ。




