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第14話 魔導軍艦

「ちょっと……流石に意味が分からないわ。なんで湖とか都市を銀行に預けてるのよ」


「だって船を預けるんですよ?船は浮かべてこその物でしょう、だからこの場所も一緒に預けたんですよ」


 アルビス船長が呆れている。だって水に浮かべない船になんの意味があるかって話である、そんなのプラモやボトルシップだろう。


 私は船を手に入れたらちゃんと水に浮かべるのだ、ちなみにあの船達は……確かどっかの海を泳いでいたらどっかの大国の艦隊にケンカを売られたのだ。


 海水浴を邪魔されてイラッとした私の尻尾アタックで壊滅させたがその艦隊の何隻か無事だった魔導船をドロップアイテムとしてゲットしたのである。


 魔導船の外観は軍艦をファンタジー仕様にした感じである、木製とかじゃなくてこの世界特有の謎金属とかを謎技術で加工した結果、砲撃やらミサイル攻撃の代わりに魔法兵器を装備するに至った魔導軍艦ですな。


「アレが私が所有してる船です、全て魔導軍艦と呼ばれる魔導船の一種です。整備も不要ですからずっと海に浮かべてました」


「まっ魔導船!?」


「魔導軍艦です、軍艦ですよ軍艦」


 アルビス船長が驚愕するのも無理はない、何故ならこの世界ではまだまだ船は木製の帆船が全盛であり、魔導船とは古代の失われた魔導技術によって造られた代物。


 つまりアルビス船長からすればこの魔導船も途方もないお宝なのだ………盗まれないようにしょう。


「……ふむっこの様式の魔導船は知っているぞ、確か二千年前に滅んだ大国が有していた軍艦であるな?」


「その通りです、記録によると真竜大公がその大国が有する当時世界最強を誇った魔導軍艦艦隊を滅ぼした事で没落し消滅する事になった国の魔導軍艦ですね」


 あっエルモアとタコ頭め余計な事を、私がさり気なく自身の年齢をさば読んでる事がバレるだろうが。


 ………人間もドラゴンもゴロ寝してる時とかどれくらい時間経ったかなんて分からないものである、私の実年齢は秘密なのだ。


「それじゃあ一番手前の魔導軍艦を使いましょう、これから各々食糧やら必要な物の買い出しをお願いします。出発は明日にしましょう」


 そんな感じで話は決まった。

 その日は魔導軍艦の内部の案内とかをメインに一日を過ごす。


 この軍艦には風呂もトイレもちゃんとした物がある。リビングルーム的な部屋もどっかの海賊船に比べればずっと綺麗で清潔で広い部屋があったりする。


 そして後日必要な物を買い揃えたモンスター冒険者と私とアルビス船長は再び『竜王帝国銀行』に集合、荷物を積んだ。


 荷物を積む間にアルビス船長なりにモンスター冒険者達とコミュニケーションを取っていたようでそれなりに話をする場面を何度か見た。


 アルビス船長も上の人間の事がまるで分からない状況では共に命懸けの冒険を共にするのは気が引けるのだろう、お互いに死なない為にも良好な関係を築く努力が大事な事を知っている彼女だ。


「……それで?この湖からどうやって戻るの?」


「勿論この鍵でですよ」


 私は黒い鍵を湖に放る、すると表の世界への転移門が現れた。今回のはかなり大きめである何故なら船が通り抜けれないと困るからだ。


 そして私達は船に乗り込んでエルモアにお世話になったとお礼を言って転移門を潜った、その先は表の世界である。


「…………ここは」


 転移門を潜った先、直ぐに気づいたのはアルビス船長だ。

 そこはアルビス船長が砂浜に流れ着いて無人島の近くである。


「流石にあの海賊港に戻る事はないと思って、恐らくこの辺りから探した方が貴女の宝の地図も約に立つでしょう」


「確かにこの地図と『大海賊エルドアの財宝』の情報を集めた結果、あの海域に向かったのだけど。その結果は幽霊船に襲われただけだったわ」


「その時の状況を聞いても?」


「?、別にいいわよ。あの時は……」


 そしてアルビス船長の話を聞く、それによるとあの夜、深い霧が周辺の海を覆ったらしい。そしてしばらくすると幽霊船が霧の中から現れた、それに対して戦闘準備をしているといきなり近くに別の幽霊船が浮上してきて体当たりしてきたらしい。


 突然の強襲にアルビス船長の海賊団は混乱し幽霊船から幽霊船員やガイコツパイレーツが船に乗り込んで来て戦闘開始。その後霧から迫ってきた幽霊船もアルビス船長の船に突撃。


 敵の増援を前にアルビス船長達は為す術なくやられてしまったらしい。


 まさか幽霊船が二隻とは驚いた。これはもしかするともっと数がいる幽霊船団の可能性があるな、幽霊って群れ出すと結構の規模で結託する事が多い特性を持つモンスターなのだ。


 アルビス船長の話を聞き終わり、私はモンスター冒険者達にその話を共有する事を提案した。

 アルビス船長の許可をもらいマブトやザガンやクトールを呼ぶ。


 その日は今後の航海の予定やらなんやらを説明して1日を終えた。


 そしてその日の夜。


「…………ん?」


 私は船に積めまれたタルが置かれているのを見て違和感を覚えた。何がおかしいかと言われると説明が難しいが何かがおかしいのだ。


 私はタルに近づこうとすると、ザガンが話かけてきた。


「真竜大公、何をしてる?」

「その呼び名は別に必要ありません、アークで良いですから」


「分かった、アーク様はそのタルが気になるのか?それは空のタルだ。何かに使えるかもってマブトのパーティーメンバーが積んでた」


「マブトが?そうですか」


 私は空のタルを一つ手に取り……魔法で粉々にした。驚くザガン、私は無視して次のタルに手を伸ばす、すると……。


「ちょっちょっと待った!」


 私が手を伸ばしたタルから声がした、やはり中に誰か潜んでいたな。気配を消すのが上手いがドラゴンには通用しない、なんとなく分かるのだよ。


「なら速く出てきなさい、タルごと粉々にされたいんですか?」


 そしてタルの蓋が開いた、中から現れたのた。

 あのキツネ耳の糸目冒険者、マルスだった。


「こんにちは女海賊の子分さん、それとも真竜大公様とお呼びした方が?」


 飄々とした物言い、中々に図太い神経してるな。


「ふふっこれが海賊船だと知って乗り込んだ訳ですか………なら自分が海のモンスターの餌にされても文句が言えない立場なのは理解してますね?」


「─────それはマジで勘弁して下さい」


 マルスは速効で私に土下座した。

 私は速効で主導権をゲットした。


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