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第11話 真竜大公

「すみませんが私達は先を急いでいます、通してはくれませんか?」


「………舐めるなよ、人間。このジグラードは間違っても人間なんぞがいていい場所ではないんだ」


 アルビス船長のちょっとこれ、どうなってんの?的な視線が痛い。そして同じようなスーツ姿の連中がゾロゾロと来だした。


 皆がたいは良く高身長だ、ただ顔が牛以外にも馬とかライオンとかサイやカバやゾウとかいる。

 カバやゾウは身長が三メートル近い巨漢である。


 それにしても何故にこうも話を聞いて貰えないんだ?………あっ。

 私はアルビス船長の姿をチラリと見る、そして今の自分の格好を考えた。


 アルビス船長は完全に海賊のそれであり自分にいたっては下っ端海賊の姿である。確かにそれでこんな所をうろつけばこんな人達が集まるのも当たり前か、職質確実な姿をしていた事を理解した。


「……それで?その集まった木偶の坊で何かサーカスの曲芸でも見せてくれるんですか?」


「!?、キッキサマ……………!」


 まあそれはそれとして、たかが獣人風情がドラゴンの私に舐めた口を叩いたのは許すつもりはない。

 少しだけ怒るとするか。


「この人間を袋叩きにしろ!」

「ああっ何がサーカスだ!?許さねぇぞ!」

「………潰す」


 先ず迫るのは牛頭に指示された馬頭とカバ頭だ、私は瞬間移動じみた速さで馬頭の前に移動する。普通に動くだけでもそんな感じになるんだよ。


「なっ!?コイツ魔法でいどグアッ!?」


 アッパーカットを食らわせた。馬頭は十数メートル以上上の天井に吹っ飛んでいき、頭から激突する。次にカバ頭が突進してくるので頭を床に押し付けた、メゴッと言う音と共にカバ頭が床にめり込む。


「…………無念」


「ん?サーカスの動物よりもずっと芸がないですよ?もう少し奮闘してくださいよ」


「くっ!人間がここまでやるのか!?」

「何か、魔法による幻でもみせられているのか」

「オデが出る!そんな小手先の攻撃、きかんぞ!」


 ゾウ頭がのっそのっそとこっちに来た、お腹に跳び蹴りをしてぶっ飛ばした。そしてライオン頭と牛頭は背後に移動して頭をガシッと掴んで床に押し付ける。


 床に頭がめり込む音がした、実際にめり込ませたので当然だ。


「はいっおしまい……」

「……………ッ!?」


 あ然としているアルビス船長、そう言えば私が前に出て喧嘩の真似事をするのを見せたのは初めてだったな。


 それと当然ながら騒ぎを起こせば人でもモンスターでも集まる、遠目の視線には何事だっと言う感情が込められた視線が無数にあった。


 そこに魔法で現れたのは三名のモンスターである。3名ともスーツ姿は先程静かにした連中と同じ、しかし真ん中の山羊頭は白いスーツを着ていた。


 左右にいるのは獣の頭じゃなくて金属のフルフェイスをしている。


「───これは何事ですか?」


「こちらが用事があると言うのにしつこく絡むので………じゃれ合うつもりはなかったんですけどね~~」


「───まさか、貴方は」


 そこで私はふっと笑って何食わぬ顔で魔法を発動する。このみすぼらしい格好を一瞬でお着替えするのだ。


 私はこのスーツ姿の連中にならって黒のスーツ姿である下も靴も黒にした、帽子も一応出しておくか。


 そしてアルビス船長は青を基調としたドレスである、移動するのにも邪魔にならないヤツを選んでおく。本当に色んな物を集めたもんだよな、過去の私は、まあドロップアイテムとして追い剥ぎしただけなのだが。


 一度目の前で魔法を使ってやれば相手の魔力の気配を肌で感じられるだろう。

 集まっていた連中も途端に視線を外してどこへなりと消えていった。


 そして目の前の鉄仮面二人も明らかにビビっている。山羊頭は表情が強ばっていた。


「「……………!」」

「狼狽えるな馬鹿共……」


「無理は言うものではありませんよ?力の差を少しでも理解出来るのならこの場から直ぐに逃げ出したいはずですからね」


 ちなみにアルビス船長は頭の上に?マーク、いきなりのドレス姿の方が気になるようだ。本当に呑気な女性である。


「よもや真竜大公にそれと知らずにこの者達が粗相を?」


「何でも人間である私は、ここにいてはいけないらしいですよ?」


「!?……それはとんだ無礼を、お許し下さい」


 山羊頭が片膝をついて頭を下げる。それは他のスーツ姿が私に喧嘩を売った事を詫びているのか、それとも人間扱いした事を詫びてるのか。


 まあ相手が頭を下げた以上、この話をするのは時間の無駄だ。


「私達は先を急いでいるので、この者達の行動は目をつむります。それでは」


「ハッ!寛大なお言葉に感謝します」


 そして私達はジグラードの外に出た。アルビス船長はもしかしてコイツ偉いヤツなの?って視線を私に向けながらも一緒についてくる。


 別に偉くはないよ私は、連中が勝手に真竜大公とか無駄に大層な名前で呼んでくるだけである。

 私がこの世界に来たのも数回が精々、まあその度に何かしらトラブルはあったが……。


 私は別に何も悪くない。


 このドラゴニアには確か……竜の王が治める国でドラゴンの姿のまま来たら少し目立っただけである。王族がどうとか服従しろとか言ってきたのでその竜の王族を全員土下座させただけだ。


 するといつの間にか大公呼ばわりである、私は自由を愛するフリーランスドラゴンだ。役職とか要らんし偉くなりたい訳でもないのだ。


 そんな感じで真竜大公呼ばわりの経緯をアルビス船長に説明した。


「──えっと?つまりこの国で一番偉くて強い竜を?」


「タコ殴りにして土下座させました。一族全員」


「アンタが悪いじゃない!」


 失礼な私は悪くない!弱いくせに絡んできた向こうが悪いのだ!。


 私は内心、多いに憤慨した。






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