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イジュース・ファンタジー  作者: 辻 雄介
緑の帝王編
8/36

第8話 ようこそ!?グリーンキングダムへ!?

サンディルは光に飲み込まれ、目を覚ました。

「うわーーーー!!

……あ…あ、ここはどこ……?」

サンディルは緑の深い森の中にいた。

「森??」

薄ら寒い風がサンディルのブロンドの髪をやさしくなでた。

「ここのどこに緑の帝王があるのかしら。…あれ、これは何??」

サンディルはズボンの右ポケットに銀色で円形のボタンが入っていることに気付いた。

「このボタン…押したらどうなるの??」

ボタンを押してみようとしてみた。

その時、

「ガサッ」

森の奥深くで物音が聞こえた。

「何!?」

急な物音にサンディルは驚いた。

「…ガサガサガサ……」

物音はこっちに近づいてきた。

サンディルの心拍数は一気に上昇した。

そしていつでも逃げられるようにイジュースを出した。

「ポポポ……ポルテチオ!」

足にイジュースを吸い込ませ、近くにあった木の影に隠れた。

「ザッザッザッ」

物音は間近になった。

サンディルは勇気を振り絞って何が近づいているのかを見ようとした。

すると!

目の前に身長2m以上でライオンの頭をして仁王立ちをしている謎の生き物が木の葉っぱを鷲掴みにしていたのだった。

サンディルは悲鳴をあげ、思わずその生き物を蹴り飛ばしてしまった。

「何なのこの生き物は!?!?」

ライオンの様な生き物は2,3m吹っ飛んだ。

サンディルはイジュースを腕から足にシフトして、命からがら逃げ出した。

「はァっはァっ…何だったのさっきの生き物は…!森にライオン!?」

散々走ったサンディルは、逃げ切ったと思い草むらに隠れた。

しかし、また「ザッザッザッザッ」という音が近づいてきた。

もうダメだ!逃げきれない!そう思った瞬間だった。


「ねぇ君!これ、落としたよ!ねぇ!」

突然生優しい声がサンディルの耳を伝った。

「え?」

サンディルは泣きそうな目になりながら素直に振り向いた。

さっきのライオンらしき生き物だった。

「わぁ、君、ここの住人じゃないね。

見た事ない生き物だ。

君一体誰なの?」

その優しくて素直な声にサンディルはとうとう泣いてしまった。

「私はうっ……うっ…私は…サンディル・ブランデーぇぇぇぇぇぇ怖かったぁぁぁぁぁ」

サンディルはそのライオンの様な生き物に泣きついてしまったのであった。

「落ち着いて…自己紹介ありがとう。

僕はダンドルだ。ダンドル・クィーンズ。

ほら、これが君の落としていったもの。」

「グスッ…ありがとう。」

それから数分してサンディルとダンドルは何となくだが仲良くなった。

「君、異世界の人間かい?

それとも宇宙の侵略者か何かかい??」

「異世界の人間…ってことになるのかな。

少なくとも宇宙の侵略者ではないわ。」

「それは良かった。

宇宙の侵略者に出くわしたら真っ先に殺せって本に書いてあったから。」

「物騒な本ね。誰が書いたの?」

「僕の家の隣の隣に住んでる人。」

「へぇー。」

「ほらここが僕んちだ。」

目の前にはむき出しの部屋のような場所があった。

「へぇー。1DKなんだ。」

「1D……なんだって?」

「いや、何でもないわ。」

「どうぞ、入って。」

サンディルは目の前の草を乗り越えてダンドルの家に入った。

「君はどうしてここに来たの?」

「あぁ。私は…」

サンディルはふと、緑の帝王の破壊のことを話すのはまずいのではないかと察した。

「あ…遊びに来たのよ!ほら、楽しそうじゃんここの世界って!!」

ダンドルは視線を下に落とした。

「楽しそう…か…。」

サンディルは少し気まづい雰囲気にしてしまった。

何とか立て直そうとするために、話題を変えてみた。

「そういや、このボタンのことなんだけどね!実は1度も押したことがないの!今押してみようかしらー??」

「その落としたボタンかい?押してみなよ。」

「そうね!押してみるわ!いちにのさんでやるわよ」

ダンドルは興味をそそられた。

「せーのっ!1,2の3!」


「ダンドル??どうなった?

……てあれ?私の部屋だここは。」

ボタンを押した瞬間、サンディルはいつの間にか自分の部屋に戻ってきたのであった。

「どうした?向こうに何年もいたか?

それとも数ヶ月か?

それとも……謎の生物に追い回されて命からがらにげて10秒だけしかいなかったか?」

「私、さっき森の中にいて、ダンドルに出会って、ボタンを押したわ。」

ヘライクマーは頭を抱えた。

「忘れてた!ボタンの説明をしてなかったな。

そのボタンを押すと自分の元いた世界に戻れるんだ。」

サンディルは納得した。

「ねぇ、本当にここでは10秒しか経ってないの??」

「10秒。ジャストだ。

それで?なにか進展があったから記念に戻ってきたのか?」

サンディルは向こうで起こったことを全て話した。

「ということは向こうの世界に仲間ができたってことか!!それは進展だな!!」

「そうなの!彼真面目っぽくてちょっとタイプだったりするかも~~なんて。」

「どうする?今からまた行くか??」

サンディルは感情が忙しかったもんだから疲れていた。

「また明日いくわ。」

「分かった。また明日だな。」


一方、グリーン・キングダムでは…

「……………………消えたな。

確か謎のボタンを見つけたら慎重に扱わなきゃいけないって本に書いてあったような………。」

ダンドルは呆気にとられていた。




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