第5話 謎の予知夢!?
サンディルは覚悟を決めた。
ヘライクマーはそうと決まったらという勢いで、これからやるべき事を話し始めた。
「ダイアン・ダウンズを倒すのは大前提の話だ。
本当に成し遂げるべき事は「イジュースを終わらせる」ことだ。」
サンディルは何故イジュースを終わらせる必要があるのかと疑問をいだいた。
しかし、「まだ言えない」という言葉には何かしら大きな秘密があるのか、それとも「ダイアン・ダウンズの様な化け物を二度と生み出さないためかのどちらかだ。」と確信した。
ヘライクマーはその後も淡々と話した。
「まずダイアン・ダウンズを倒すのに必要な物がある。
まず「緑の帝王」、次に「冬の戦士」、そして最後に「創世児」。
この3つが必要になってくる。
全て結晶のような形をしていて、それぞれにダイアン・ダウンズの魂の一部が込められている。
この3つを破壊することで、ダイアン・ダウンズを弱らせることが可能だ。
そこをイジュースで1突きだ。」
「はい」
「丁度いい。質問タイムにしよう。」
サンディルは質問した。
「ダイアン・ダウンズはイジュースじゃなきゃ倒せないの??
3つの魂を破壊したら後は……槍で1突き。
それで終わりなんじゃない??」
ヘライクマーは頭を抱えた。
「あー。
ダイアン・ダウンズは強力なイジュース使いだ。
槍で立ち向かっても、赤い光でねじ曲げられるぞ。」
「赤い光ってことは……潜在能力を引き出すやつ??」
ヘライクマーはさらに頭を抱えた。
「とにかくお前が今やることは、イジュースを操る練習だ!!
まずそこが出来てないと何もできやしない。
ダイアン・ダウンズの「ダ」の字にも達してないのが現状だ。
俺も根気よく付き合うから、ついてこい。」
サンディルはやる気満々になった。
「とにかくやる気は湧いてきたわ!!
それで?どうやったらイジュースは出せるの??」
「今すぐやりたいところだな。
だが今日はさよならだ。」
ヘライクマーは本に戻ろうとした。
「ちょっとまって!どこ行くの!?イジュースは!?」
「地上に出れるのは制限時間があってな。
今日はもう制限がきてしまった。」
サンディルは制限時間があると知ると止めるのをやめた。
「制限時間があるなら仕方ないわね。
なら明日からね。言っとくけど私努力家だからどこまでも成長するわよ。」
「それは期待できそうだ。それじゃ、また明日。」
そう言うとヘライクマーは本の中に戻って行った。
気づけば時間は夜の11:00になっていた。
サンディルは時間の経過に驚き、すぐに寝た。
数時間後…
「緑の帝王」……「冬の戦士」……「創世児」……「16番」……「緑の帝王」……ハッ!!
深夜2時。サンディルは目を覚ました。
「ヘライクマーから言われた事が夢として出てきたのね。
緑の帝王も冬の戦士も創世児も言ってたし。」
しかし、ひとつだけ言われた覚えのないワードがあった。
「16番………?って何かしら…。」
次の日の午後5時頃…
「…という夢を見たのよ。」
サンディルはヘライクマーにその日見た夢の話をした。
「知ったことか。お前が勝手に見た夢だろうが。
その3つの魂を封印した結晶と謎の16番が頭の中を駆け巡ったんだろ??
16番に関してはお前の私情なんじゃないのか??」
「そうかな…。」
サンディルは中々腑に落ちなかった。
基本的に予知夢を見たような経験はなかったが、あまりにも何かしらの繋がりがありそうな夢だったのだった。
「まぁ夢のことは忘れろ。
それより始めようじゃないか。
イジュース講座を。」
ヘライクマーは話題を置き換えた。
「そうよ!イジュースを体得しなきゃいけないんだ!!
マスター、よろしくお願いします。」
「よし、それじゃぁ始めよう。」
そしてヘライクマーによるイジュース講座が始まった。
「いいか?イジュースってのは頭の左側頭部、つまり頭の左側を擦ることで発せられる光の魔法だ。
まずは1番基本的な「黄色の光」を出してみる。
コツはこうだ。
左側頭部を1擦りしながら「ポルテチオ」と唱えろ。
そして、体のどこでもいい。
そこを強化するつもりでいると、出しやすくなる。」
「は?」
サンディルはあまりに複雑な説明に脳がショートしてしまった。
「テルポチオ??」
「ポルテチオだ。」
サンディルは試しに言われたことを思い出しながらトライしてみた。
「ポルテチオ!!」
サンディルは頭をひと擦りした。
そして静寂が訪れた。
「最初はそんなもんだ。」