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イジュース・ファンタジー  作者: 辻 雄介
冬の戦士編
25/36

第25話 赤いイジュースを操れ!?

「リンダリン・リアル!!聞いたことあるぞ!!」

サンディルとヘライクマーは目を合わせた。

「誰だっけ…。」

サンディルはひっくり返った。

「覚えてるんじゃないの!?

その調子だと多分今の私の方がリンダリン・リアルの事が詳しいわ!!イテテ…」

サンディルはひっくり返った時に腰を強打した。

「それより、これから何が起こるか予測しなきゃ!!それと対策も!!」

ヘライクマーは考えた。

「これから、このフューゲ族の兄弟が植物の身体して蘇ってくるはずだ。

その兄弟が何人いるかとどこに発生するかを予測しなければ。」

「6人兄弟だ。僕含めて。」

ミゲルが言った。

「てことはあんな恐ろしいものが後4体も蘇ってくるってこと!?!?」

サンディルは血の気が引いた。

「なるほどな。これで後何体蘇ってくるかは分かった。

次の問題はどこで蘇るかだ。

遠い場所であるほど虐殺しながら近づいて来るかもしれない。

予測を立ててその場で倒さなければならない。

「まって!そう言えばシンディが!!」

サンディルがハロルと戦って散らかった部屋の中からカー・リッカーの連絡先が書いてある紙切れを探し出した。

「これよ!!カー・リッカーに連絡を取ってみたら何か分かるかもしれないわ!!」

ヘライクマーは訝しげだった。

「誰だそいつは?頼れるやつなのか??」

「ええ。そのはずよ。

時効になっても尚リンダリン・リアル事件について調査やら捜索やらをしている刑事さんよ。」

「なるほどな。時効になっても調べ続けてクビにならないのか?という疑問があるが何か分かることがあるかもしれないな。

連絡を取ってみてくれ。

早急にな。」

ヘライクマーはそう指示した。

「そう言えばサンディル。

一応聞くが、ハロルはどんなイジュース使いだったんだ?」

「あぁ、赤いイジュースを使っていたわ。」

ヘライクマーは驚いた。

「赤いイジュースを使っていたのか!?」

「えぇ。」

「ならもうひとつ問題ができたな。

お前に赤いイジュースを叩き込まなきゃならない。

きっとまだ残っているフューゲの兄弟も同じものを使うだろう。」

サンディルは納得した。

「そうよね。これは私の一族の問題だから私自身が解決しなきゃいけないわ。」

「あの…。僕にできることは……」

ミゲルが横から手を挙げた。

「お前は倒した兄弟全員からイジュースを受け継いで冬の戦士を完全なものにする重要な役目がある。

それ以外はサンディルのイジュース練習に付き合え。」

ミゲルには自分にも役割があると知るとほっとした。

「それじゃぁ早速行動開始だ!

まずはサンディル、カー・リッカーにコンタクトを取ってみろ。

それが終わったらイジュースの練習開始だ。

ミゲル!!そこに落ちてるペットボトルを3つ拾って机の上に並べろ!!」

「分かったよ。」

サンディルはカー・リッカーにGmailで連絡を取った。


「これで返信があったらいいんだけど…」

サンディルはそう思いながら送信ボタンを押した。

「サンディル!終わったか?

早速始めるぞ!!」

「分かったわ。」

そして、ヘライクマーのイジュース講座が始まったのであった。

「まずはそうだな。

赤いイジュースの呪文を教えるか。

《《オービエクト》》

これが赤いイジュースを出す呪文だ。

このさっき緑色のお友達が並べてくれたペットボトルを見ろ。

いいか?

今から3つの試練を与えるぞ?」

そう言うとヘライクマーはミゲルが並べたペットボトルを吹っ飛ばして無造作にした。

「えぇ…なんで並べさせたんだろう…」

ミゲルは困惑した。

「最初はこのペットボトル達を適当な場所に立たせろ。

その次はこのペットボトル達をミゲルが並べたように並べろ。

最後はペットボトルの蓋を使って真ん中のペットボトルだけを倒せ。

以上だ。」

サンディルはざっくりだがやるべき事は分かった。

「分かったわ。最初の試練から取り組んでみるわ。」

サンディルは早速言われたことを試みた。

「オービエクト!!」

そして、左側頭部を擦った。

すると、光が左側頭部から飛び出てきた。

一発で成功したのか!こいつは天才だ!!

とヘライクマーは言おうとした。

しかし…

「赤というより黄色いね。」

ミゲルは言った。

「ほんとだな。黄色いな。」

ヘライクマーも言った。

「え!?ウソ!?」

サンディルはてっきり成功した気でいた。

「これは時間がかかりそうだな。」

ヘライクマーはため息をついた。

「で…でも、何か出はしたんだ!すごいことじゃないか!!」

ミゲルはフォローした。

「いや、ミゲル。

黄色いイジュースは元から扱えるの…。

だから赤いのが出ないと完全に失敗なの……。うぅ……。」

サンディルは己の無力さに打ちのめされた。

「ヘライクマー、コツは無いの?」

「コツかぁ……。やっぱりシンプルに目の前の物を動かそうと思う事かな……。

応用すると当然それだけじゃ無理なんだけどな?

でもやっぱり最初はシンプルな思想が必要だな。」

「とりあえず分かったわ。

目の前の物を動かそうとすればいいんでしょ??

やってみるわ。」

サンディルはまた左側頭部をこすった。

「オービエクト!!」

「また黄色いね。」

「あぁ、黄色いな。」

「それっ、オービエクト!!」

「黄色いよ。」

「本当だ。黄色い。」

「えぃっ、オービエクト!!」

「えぇぃっ、オービエクト!!」

「そらぁっ、オービエクト!!!」

3時間後…。

「ハァ…ハァ…オービエクト…。…どう?」

「うん…黄色いな。」

「zzz…zzz…」

ミゲルは付き合っていたがヘライクマーは寝てしまった。

「ちきしょうヘライクマー!!とうとう寝てしまったわね!!私を無視して!!……そうだ!!」

サンディルはいいことを思いついた。

「オービエクト。」

そう言うとサンディルは、ヘライクマーの帽子を浮かそうとした。

すると、黄色かったイジュースは次第に赤くなり、ヘライクマーの帽子を浮かせた。

「浮いた!!浮いた!!やったぁ!!

ミゲルどう!?赤い!?」

「緑色に輝いてる。」

「緑色??」

サンディルはヘライクマーの頭に目をやると、ヘライクマーの頭はツルッツルで緑色に輝いていた。

サンディルは思わず口を抑えて笑ってしまった。

「あ!サンディル!イジュースが赤い!!」

ミゲルはサンディルのイジュースを見た。

「やったわミゲル!!成功ね!!付き合ってくれてありがとう!!」

「いいんだよサンディル!試練を2つ目にしても問題ないよ!!」

サンディルとミゲルはヘライクマーにバレないように密かに喜んだ。

「なんだ…頭がやけに冷たいな。……ん!?」

ヘライクマーは目を覚ました。

そして、自分の帽子が宙に浮いていることに気づいた。

「おい!!お前ら!!」


そして、何とか赤いイジュースを出せるようになったサンディル。

1つ目の試練の入口まで漕ぎ着けたのであった。

「最初はこのバラバラのペットボトルを適当に並べるのよね…。

よし、やってみるわよ!!」

「ものを浮かせれるようになったらこの試練は簡単だ。

俺の帽子を浮かせられたんだからな」

ヘライクマーは皮肉を言ったつもりだった。

しかし、サンディルにとってそれは皮肉という扱いにはならなかった。

ミゲルは顔を隠して笑っていた。

サンディルは左側頭部を擦って唱えた。

「オービエクト!!」

イジュースは赤く染まり、ペットボトルにそれを流した。

すると、

「よし!よしよし!!浮いたわ!!」

ペットボトルはヘライクマーの帽子の様に浮いた。

あとは、ペットボトルを倒さずに机の上に置くだけだった。

しかし…

ペットボトルの底は帽子と違って狭いので立たせるのはひと苦労だった。

「ダメダメ!!たおれちゃう!!もっとこう……あぁ違う!!」

サンディルのストレスは爆発寸前だった。

「手を動かしても何も起きないぞ。

イジュースを調整しろ。

イライラしてもどうにもならないぞ。」

サンディルは無意識のうちに手を動かしていた。

そして、ペットボトルは床に転がった。

「あぁ……もう1回…。」

サンディルの長い挑戦が始まった。

20トライ目…

コロンッ

ペットボトルはまた床にころがった。

「んん……あぁ!!もう1回!!」

40トライ目…

トンッ

今度はペットボトルの底が机の上についた。

「やったわ!!続けたかいがあった!!

成功だわ!!」

だがしかし……

ピョーーン

ペットボトルはロケットのように机の上から飛んでいってしまった。

「まって!おかしいわ!!どういうこと!?」

「おぉ、赤いイジュースの射撃作用が起きたようだな。

これはこれで進歩だぞ。

ペットボトルを置く時はイジュースの出力を弱めながら置くのがコツなんだ。」

「早く言ってよ!!」

サンディルは怒り気味に言った。

そしてついに50トライ目!

サンディルはペットボトルを浮かせること自体はお手の者になった。

さぁ、最後はペットボトルを机の上に立てるだけ。

サンディルは精神を統一させた。

「考えることはひとつだけ。

ペットボトルを机の上に倒さず乗せるだけ…。

それ以外の考えはシャットアウトよ…。

いける…いけるわ……。」

宙に浮いたペットボトルの底は机の上につき、固定された。

「あとは優しくイジュースを解除するだけ……!」

光に包まれていたペットボトルの光は弱まり、そのまま静かに消えていった。

そしてペットボトルは見事に机の上に乗っていた。

「やっっっっったぁぁぁぁーーーーーー!!!!」

サンディルはジャンプして喜んだ。

「凄いや!!サンディル!!」

ミゲルも一緒に喜んだ。

「よくやったサンディル。

そしたら今やったのがまぐれじゃないって言うのを示すために残り2本も同じように机の上に置いてみろ。」

「分かったわやるわよ!」


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