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イジュース・ファンタジー  作者: 辻 雄介
冬の戦士編
21/36

第21話 兄弟虐殺!?

1996年9月の10日の夜のこと。

6人のフューゲ兄弟は車でアニメのレイトショーを観に行こうとしていた。

「母さんの車勝手に使ってバレないかな。」

三男のケロリは心配していた。

「母さんは今日ばあちゃん家でお泊まりなんだから心配すんなって!」

長男のフューゲ(フューゲ・フューゲ)はそう言って聞かせた。

「楽しみだよなぁ。なんて題名だったっけ?」

「宇宙へ行ったマヌケだよ。」

四男のフロール(フロール・フューゲ)の質問に次男のアンサー(アンサー・フューゲ)は答えた。

「題名から面白さのオーラが出てるよね。……でもやっぱり心配の方が勝ってる…。」

五男のミゲル(ミゲル・フューゲ)は言った。

すると運転席からフューゲが

「心配すんな心配すんな!!俺だって免許持ってんだ。

ちょっと借りるだけだ。職質されても何も問題は無いぜ!!」

と大声で言った。

「そうだよ…そうだよね!」

ミゲルは少し安心した。

すると、誰かが車の窓を叩いた。

「誰だ?」

フューゲが窓を開けた。

そこには一人の女の人が立っていた。

「もしかして警官の人?」

フューゲは尋ねた。

すると、

「あなた達、フューゲ家の人達なの?」

と聞かれた。

「えぇ、まぁ、そうだけど…。

なんで僕たちの苗字を知ってるの?」

フューゲはまた尋ねた。

「そう、なら話は早いわ。」

女はそう言うと地面に落ちていた小石を拾った。

「悪く思わないでね。これは使命よ。」

フューゲは女のそのセリフを怪しく思い、車のアクセルを踏もうとした。

その時、女は手で拳銃の形を作り、人差し指と中指の間に女が拾った小石を挟んだ。

そして次の瞬間、女の腕に赤い電流のようなものが流れ、小石は拳銃の弾のように発射され、フューゲの頭を貫いた。

一瞬空気が凍りつき、悲鳴が上がった。

「うわぁぁぁぁぁ!!!フューゲ兄ちゃん!!!」

末っ子のハロル(ハロル・フューゲ)がそう叫んだ。

他の兄弟も同様に叫んでいた。

女は小石を更に拾いフューゲの隣に座っていたアンサーの頭にも小石を貫通させた。

その後も次々に兄弟は女に虐殺されていった。

そんな中ミゲルだけは車からなんとか逃げ出し、近くにあった交番へ走っていった。

しかし、女はミゲルが逃げたと気づくと、追い始めた。

そして、ミゲルは見つけられた。

すると、女は左側頭部を擦って青い光を出し、ミゲルの頭に吸い込ませた。

ミゲルは交番に向かって走っていたはずが、気づけば兄弟が虐殺された現場へ走っていた。

「あれ?この方向は交番じゃないぞ!

どうなってるんだよぉ!!」

ミゲルが立ち止まっている瞬間、女は小石を指で挟み、発射させた。

そしてフューゲ家の兄弟は一人の女に全員虐殺された。

女は遺体が残った現場に一枚の紙を残した。

その紙にはこう書いてあった。

《《リンダリン・リアル》》

と……。





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