第一話[出撃]
初陣から数日後・中東某国・同盟軍基地
「はぁ…」俺は思わずため息をつく。なんでかって?戦死した中隊のメンバーは補充されず、
四人で活動しなければならなくなったからだ。おまけにアーチャー2の機体は被弾が酷くて修理中、実質三人での行動だ。初の戦場でこんな酷い目に遭うなんて思ってなかった。
「銀二、ちょっと」俺の同僚で、親友でもある飯島洋介が話しかけてくる。ちなみにこいつのコールサインはアーチャー6、階級は同じく少尉。
「洋介か…。どうした?」呼び出されて行ってみる。
「新しい任務だとさ。十分後に装備整えてブリーフィングルームに集合」
「了解。お互い頑張ろうぜ」そう言って俺は装備品室に歩いて行った。
十分後
「全員揃ったな…。これより作戦内容を告げる」基地指令がそう言い、説明を開始する。
「現在、この基地の方角から見た北側の戦場で米軍が足止めを食らっている。我々の任務は米軍ストライカー部隊の援護だ」大型モニターに、友軍機と敵機が表示されている。
「米軍機はあと数時間で敵に囲まれてしまう。よって、諸君のストライカーには緊急措置として、新型飛行パックを装備してある。これを使えば友軍が囲まれる前に戦線に到着できるはずだ。ポイントαに到着後、飛行パックを切り離し、友軍と共に敵機を殲滅させろ。以上だ」
無茶すぎる作戦だ。たった三機でなにができるというんだ…?
けれど、軍人である限りは上官の命令に従わなければいけない。
『了解ッ!』俺達三人はそう言って、各自の機体に向かった…。
第二ハンガー
整備ハンガーには飛行パックを装着した俺の舞鶴があった。
「機体は地上用の簡易カタパルトで打ち上げる。その後、飛行システムを起動させてくれ」
整備班長が言う。
「それと、新型のアサルトライフルも無茶を言って装備させた。うまく使えよ!」
「ありがとうございます、班長」俺は礼を言って舞鶴に乗り込む。
「アーチャー7、出撃っ!」俺は舞鶴のシステムを起動させた…。