表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TRRGプレイヤーズ~恋と、青春と、TRPGと、先輩と~  作者: 鏡読み
第二章 佐々倉サクと黒木スズネ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/55

第十四話「日曜日」

第十四話「日曜日」


今日は休日だ。いや昨日も休日だったけど、今日は休日、日曜日。

とはいえ、あまり休んでもいられない。次の集まりが来週の土曜日だと加美川先輩から連絡がきたのでネタを決めないと。


俺は自室でパソコンを立ち上げ、メモ帳を起動していた。しかし、メモ帳に向かいシナリオを打つことはせず、俺は昨日買ったTRPGのリプレイを読むことにした。


(なるほど……シティアドベンチャ)


学習机の椅子に座り、ページをめくる。

リプレイ本は声優が使っている台本のような書式で書かれていて、小説界ではご法度である(笑)や(爆笑)が用いられる。

まるで卓を囲っている人の様子が見えてきそうな書き方だ。


(探偵小説みたいな展開だな)


街の中を聞き込みや探索をして事件を解決する形式のことをシティアドベンチャというらしい。

このリプレイのシナリオはその形式を採用していた。


あのメンバーで遊ぶとしたら、黒木さんのギムレットにぴったりの形式だろう。交渉メインのキャラなので、こういう聞き込みをメインとする話はうってつけだ。

前回あまり活躍できないシナリオを用意してしまった手前、多少なり色をつけてあげたい。


(それじゃシティアドベンチャに挑戦してみるか)


本も読み終え、何をするかが決まったので、話のネタだしを始める。前回一瞬頭をよぎった猫探し、食材の買い付けに来たら食品がなくなっている、泥棒探しなどなど。


(思いのほか、ピンとくるネタが出ないかー)


一度、パソコンのメモ帳にネタを書いていくのやめ、俺は体を伸ばした。

明日は文芸部もある。

プレイヤーに聞くのもどうかと思うが、先輩にも相談してみよう。


「あと、相談前に、情報も収集しておこうか」


俺はおもむろにツイッターを開いた。

検索に『シティアドベンチャ』とワードを打ち込む。


「お、あるある」


意外と、プレイヤーの体験談や、オススメのシティアドベンチャのリプレイの紹介、シナリオの紹介が出てくる。

やはりTRPG人口は意外と多いようだ。発言者の年齢層高めなのが気になるところだが。


俺は気になる部分を見つけては、再びメモ帳に記述を写していった。


「なるほどな。うーん、そうなるとどうシナリオを書けばいいんだ?」


試しにシナリオを書き出そうとして、手が止まる。


俺は頭を抱えた。

シティアドベンチャの性質上、よくある一本道のシナリオにはならない。

フリーシナリオと呼ばれるゲームみたいな感覚で書けばいいのか?

書き方がよくわからない。


(ゲーム的に考えればフラグ管理か? ううむ)


そもそもまだやりたいことのネタがぼやけている状態でシナリオを書き始めるのは無理な話だ。


俺はもう少し話の展開、大きな流れを考えたほうがいいかなと、昨日のセッションを思い出した。


(宇和島先輩と黒木さんは演技凄かったな、須山さんはシナリオを先読みして先行するタイプ、先輩は意外と噛まなかった、決めるときには噛んでたけど)


ふと黒木さんのソウルネーム、ブラックラックという単語が頭をよぎる。


「まさかね」


思わずその単語をツイッターに入れてしまった。


(……†ブラックラック†、その十字架どうやって入れてんだ?)


見つけてしまった。

怖いもの見たさで、アカウントを開けてみる。


『私は敬愛する御仁との会合(きゃー先輩)せし、混沌への帳に(楽しかったです)


よくわからないが、ルビが浮かんで見えた。


くッ、俺の特殊能力 der die(世界を) Welt sieht(観る者)が発動したというのか。


いや、うん、そんな能力俺にはない。知ってる。


たぶん昔抱えていたものが近いからシンパシーか何かで読み解けるのだろう。

ああ、思い出したくない。


中学二年生時代がフラッシュバックし、思わず苦笑いがこぼれた。

どうしてカッコつけようとするとあとでこんなにダメージが返ってくるのだろう。


(あまり覗いているとストーカーみたいでキモいよな)


「まあ、そっと――」


閉じておこうと思ったら、うっかりいいねにクリックをしてしまった。

消すのもなんか悪いきがするし、俺はとりあえず、そのままにしてツイッターをたたんだ。


(さて、ネタを決めてしまおう。黒木さんといえば、あの時マティーニの素性を推察していたよな。……あ、メモしてなかった)


明日なり、明後日なりにでも演劇部にでも顔を出してみるか、と俺はうーんとわざとらしく声を出しながら悩んだ。


流石に女子生徒に会いにいくのは気恥ずかしいお年頃なのだ。お願いだから悩ませて欲しい。


(宇和島先輩に取り次いでもらうか? それとも加美川先輩に一緒にきてもらう……いやいや、子供じゃないし)


しばらく悩んだが、結局結論は出ず。

その日、俺は資料漁りという名の問題逃避を行って休みを過ごした。


明日部活に行ってから考えよう。

登場人部メモ(new)


ガフ


須山ライカのキャラクター。

周りがカクテル縛り始めたので、昔読んだ漫画からシャンディガフを思い出し、分離してガフ、GMが都合がいいNPCを登場させたらシャンディと名付けて乗っ取ろうという魂胆。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ