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要塞と艦隊 8話

 世界征服。


 俺の知る限り、地球の歴史上のどの文明も成し遂げた事のない野望と夢の言葉。


 毎年毎年、世界中のどこかで多用されがちな単語だが、世界平和と同じくらいの人類の未達成ワードだ。

 

「世界征服したい……の?」

 

 バカみたいな調子で俺はラグナロクに確認してしまった。


「うん!」

「……」


 自信満々にラグナロクは応じる。

 俺はため息をついて、部屋の窓から見える謎の惑星の輪郭を見つめた。

 美しい、そしてデカい……。

 ユーラシア大陸でも南北アメリカでも、アフリカ大陸でもない大地と海が俺の眼下に広がっている。

 そして、俺の前にいる少女は。そのすべてを征服すると言うのだ。



「いや、おかしいだろっ!」

「そお?」

「なんで!? 何ゆえに世界征服なんだ?」

「それは……私たちが、欲しいからだよ」

「……いや。俺は別に欲しくない」



 そこはハッキリしている。俺は世界征服する大魔王願望なんて……無くはないが。

 少なくともこの未知の惑星を占領したいとかはまだ思っていない。


「マスターじゃなくて。私とマリスとかが欲しいの」

「……この星を?」

「そそ。ちょっと案内しながら説明するね! 一緒に来て、マスター」



 ラグナロクは混乱を続ける俺の手を取り、部屋から出ようと歩を進めた。


「お、おいおい」

 俺はその手の柔らかさと冷たさに思考が遮られ、そして強引に部屋から連れ出された。


 転生? 移動? 戦闘? 宇宙? 征服? 艦内を案内? 


 そして。


 女子と手を繋いで歩いてるよ、俺っ!? 

 ラグナロクの怪しさはともかく、軍服美少女なのは間違いない。

 俺は不覚にもドキドキしながわ。いやしながらホテルの通路のような場所をラグナロクに連れられて進んでいる。


 

「なにマスター顔が赤いの? お手てつないで歩くのがハズい?」

「ううっ」

 

 いたずらっぽく、身につけた軍帽を傾けて煽ってくるラグナロク。


「いいから。説明しろっ! なんか教えてくれるんだろ?」

「ハイハイ。いま歩いているところは居住区ね、他の乗員クルーがいる場合はドアの向こうの個室をそれぞれ使用するわ」

「え? ほかに誰かいるのか?」


 さらに謎の人物との出会いは、心の準備が出来ていない。


「うーん。今は……いないかな? 居るともいえるのだけれど」

「なんだよそれ?」

「ま、ともかく。マスターに比較的伝わりやすく言えば。この高速戦艦ラグナ……はサイズ的には……」

「こうそく戦艦? え? これ船なの? 宇宙ステーションとかじゃなくて?」

「そう。マスターに理解しやすく言えば船。戦艦っぽいモノ」

「……」


 もう俺は、とりあえず。何も考えずラグナロクの話をしばらく聞くことにした。


「続けるよー。全長約800m、全幅約200mで惑星……へスターⅢを周回しながら待機中なの」

「そして?」

「そして、マスターが慣れてきたら、私と二人で。へスターⅢ……先住民の表現を使えば。フランシア」

「フランシア? この星の名前か?」

 


 この星には言語を持つ、知的生命体も生存しているのだ……前に見た緑のホブゴブリンやスプリガンのような連中が……。



「そそ。そして、もうちょっとで格納庫ハンガーに付くよ! そこでなぜマリスや私が惑星フランシアを征服するかについて語り合おう!」


「ハンガー? 格納庫って、なにを格納してんのよ? 戦闘機とかロボとかあるの?」

「うん。あるある。でもって、それを使ったりしてフランシアを征服したいんだけれど、ちょっと難しくて」


 ……なんか、戦闘機もロボットみたいなのもあるらしい。

 一瞬、斧や弓で武装するような相手に戦艦とかレーザーで戦う訳だから征服とか楽勝だろ。

 と思いはしたが、もし俺とラグナロクだけで惑星上の文明を破壊するとかなら出来ても、占拠や征服とかは二人では無理な気がする。


  など考えているうちに、俺たちはラグナロクのいう所の格納庫ハンガーにたどり着いた。





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