8月祭り2
「ねぇねぇ屋台で必ず食べるものって何?」
「文夏は、また食べ物の話?」
「いいでしょ!好きなんだから!することでもいいよ!ねぇなに?」
「んー…私は基本合わせる派だからよくわかんないけど、ベビーカステラは絶対食べるかな〜。大好き過ぎてさー」
私は何故かベビーカステラを見ると買って食べてしまうほどカステラが好きなのだ。逆に他の揚げ物とかはあまり食べない。
「確かに美味しいよね〜…」
「よだれ吹いてよ…」
「出てない出てない。佐々木は?」
「俺?んー…俺は唐揚げとか…キュウリとかも食うよ」
「…組み合わせ悪いよ…だから伸びないんだよ…」
「…うるせえよ…それはお前もだろ…」
「俺!焼きそばやたこ焼き!」
「王道すぎ!つまんない!」
「うるさいなー…廉は?」
「……僕はよく射的する。」
「あー、成田銃好きだもんねー」
「お?麻梨、廉の射的みたことねぇのか?ならこれから行こうぜ!」
「いこういこう!」
「なんで文夏が一番ノリノリなのよ…」
「嘘でしょ…あんな静かなのに、こんなに落とすの…?」
「前から、銃のことになると変わったけどここまでとは…」
私と文夏は、大きなクマのぬいぐるみを各一つずつ持っていた。
「廉、今年は多めに使ったなー」
「3回だけだよ…?」
「900円って相当だけど店のほとんど落としてるよね…」
廉の手にはたくさんのお菓子が袋から溢れるようにでていた。もちろん佐々木と玉井もそこから当たり前のように取って食べている。2人とも100円ずつ払っているらしい。
「だいぶ暗くなって来たねー」
文夏の一言で気がつくと人通りも多くなって来ていた。
「ここはお化け屋敷だろ〜」
そんなあほなこと言うのは玉井だけだ。私が怖いの無理なのを知っていてそんなことを言っている…
「くじ引きで負けた人が2人で入ったらいいと思う!」
文夏ああああああああ!
「よし!じゃあ行くぞ〜!」
「ねぇ…ここって結構怖くて有名だよね…」
「え?そうだっけ?」
などと話しているのだろうか…?
言い出しっぺの法則で文夏と玉井が入っている。
「ぎゃああああ!」
遠くから悲鳴がするな…本当に当たらなくてよかった…
「なぁ、今日は楽しそうに笑うんだな」
隣から佐々木の声がした。
「いつも変わらないと思うけど…?」
「ぜんっぜんちげー顔してるぞ?不思議と麻梨のその顔は何年もみててても飽きねーんだよなー」
翔太の言葉に成田も頷いている。
この2人には小さい頃から救われてる…こういう何気ない言葉でもあの時の私を少しだけ忘れさせてくれる…この2人の前は、素が出ちゃうんだよね…
「……がと…」
「え?なんか言った?」
「何もないよ!また笑顔が変だったら言ってよね?」
「おう!廉も頷いてることだし、俺らで慰めに行くぜ!」
「わかったわかった(笑)あ、2人でて来たよ!」
「「……疲れた…」」
息が合うほど仲良く慣れた…のかな?行きたそうな顔してたからよかったんじゃないかな(笑)