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余計にわけがわからない状況になった。

『現実』


BGMが変だ。

一昔前にゲームの主題歌になった歌で、イントロが長いし低く不気味な歌声が聞こえた。

「―――100%バグじゃない? これ? 兄貴?」

「―――そうだね? だけど、ぴったりなのを持ってきていると思うんだけどな………」

「―――何にしてもすっごいカオスなんだけど?」

映像越しにものすごくカオスな光景が広がっていた。


『ゲーム』


BGM 君のためなら死ねる。


 いったい何が起きていると言う状況だった。

 飛び込んで30秒ほどして僕は光の先へと出ることができたが、奇妙な世界が広がっていた。

 正確には混沌たる世界と言うべきで、世界が変貌していた。

「―――」

 異世界へと到着したとも言えるが、奇妙なことに光の先を超えると待っていたのは学校の屋上で、僕の世界によく似ていたが、即座に見るだけで違い過ぎていた。


1、時間が夜近かったが昼頃になっている。

2、どう見ても現実にはあり得ないものが世界と言うか地面を歩き回っている。 

3、阿鼻叫喚悲鳴破壊音地響きのオンパレード


 簡単に言うとこうだが戦場とも言える状況だった。

 1は言うまでもなく時間が変化しているが、ほかは詳しい説明が必要だ。

 2がどんなものかと言うと、一番最初に見えたのはどう見ても身長15m以上もある巨大ロボットだった。


『現実』


ロボットアニメだったのかと聞きたくなる。

「何よ? あれ? あれに乗って戦うようになるとか?」

「―――わからない。」

「―――」

もう知らんと言うようにわたしは操作を始めた。

「―――正確にはアームドスーツだと思う。」

「あーむどすーつ?」

 わからないと言ったのに兄貴は少しした答えを出した。

「陸海空宇宙使用を可能にして可変能力を持つ巨大人型兵器だ。」

 少々機械的な発言だった。

「―――詳しい設定ありがとう? ロボットの話だったのね?」

「―――違うよ?」

「これのどこが違うのよ!?」

 これほどのものが出てきて信じられないが、わたしはゲームを続けて理由が分かった。


『ゲーム』


 巨大なロボット事態が信じられないが、地面に眼を向けると余計にすごい事態になっていた。

 恐竜のような生き物と昆虫を巨大化したような生き物に加え、ゾンビのような人間が歩き回って人を襲っている。

 絵に描いたうそを書くなと言う状況だがほかにもなんと言えばいいのかわからないのがいるしこれが現実のようだ。

「―――」

「―――」

「―――」

 襲い襲われ、戦場とはこういうのを言うのかと言う光景で巨大ロボットが歩く中で地響きが響いていた。


『現実』


 訳が分からないしわたしは背を向け、何にしてもあの入口の方へと走った。

 突然話が変わりすぎだし、付き合いきれないのでわたしは引き返すことにした。


『―――まだ調査が終わっていません。近辺を歩いてみましょう。敵に注意しましょう』

『―――まだ調査が終わっていません。近辺を歩いてみましょう。敵に注意しましょう』

『―――まだ調査が終わっていません。近辺を歩いてみましょう。敵に注意しましょう』


 はじかれたと言うべきで、あの入口に向かったが、帰ることができなかった。

 できないわけではなく、設定上制限がかけられているようだった。


『ゲーム』


 何が起きているかわからないが、すぐには帰れそうだし、真白も迷い込んだと言う危険も考え、僕は進みだした。

「―――?」

 屋上を降りようと思い屋上の位置口に近づき、ドアノブに手を伸ばした瞬間に、勢いよくドアノブが回転し、扉が開いた。

「―――!」

 ゾンビのような人間がいると言ったが、ゾンビのような人間がドアノブを開け、屋上にいる僕の前に数体姿を表した。

 遠目に見ていたゾンビのようと言ったが、本物のゾンビのようだった。


『現実』


 ロボットの話だと思ったがゾンビが出てきた。

 これがいやになるほどリアルだ。

 血まみれは当然として、白眼向いているのがいるし、口が片方耳まで裂けているのがいるし、手足と言った身体の部品が無いのがいるし、首の骨が折れているのか首が逆さ向いたのが歩いている。

 言葉にならないような声を上げながらこちらに近づき、不気味な声を上げ、だれがどう見ても人を襲う気が丸見えだった。

「―――ゾンだ。」

「―――あー、もー、詳しい話はいいから、ゾンビなんでしょう?! 逃げる方法教えてよ?! どうすんのよこれ!?」

 映像の中のゾンビたちは白鳳に向かい始めていた。


『ゲーム』


 変装のようにも見えず、僕はゾンビたちを見るなり後ろに下がり始めた。

 理性と言うものも感じず遠慮なしに近づいてきている。

「―――――」

 屋上の広さなんてたいして広くもなく、僕の背中はすぐに屋上の端の柵に当たった。

「―――!」

 思わずもうだめかと思ったが、功を制して襲い掛かる寸前横へと逃げた。

 僕を狙って一方方向へ進んでいたと言う状況で集まっていたので僕は横に逃げるとすばやく屋上の入り口へと走り出した。


『現実』


 近くのロボットは背景かと思うほどこちらを気にせずに動き続けているし、こっちはこっちで武器はないかと必死だ。

「武器とかないの? ゾンビなら銃でしょう? てか何でロボット出る意味あんの?」

「―――」

 何にしてもわたしは操作して校舎の中に入ることに成功できた。


『ゲーム』


 いつの間にかと言うべきか、この学校は最初からだったのかわからないが、ゾンビたちの姿が見えた。

 見とれているひまもないし、屋上からも追いかけてくる音や階段をうまく降りられず落ちる音が聞こえ、僕は急いで階段を降りることにした。

 校舎内でもゾンビがいるのか声や人影、普通の人もいるのか悲鳴のような声も聞こえている中で僕は玄関の方へと向かった。


『現実』


 進行方向にゾンビは見えるが動きが遅いのでわたしはうまく操作して回避し玄関へと到着した。

 最後の一匹が玄関の前でうろついていたがうまく引きつけ、玄関から反らし、わたしは急いで学校を飛び出した。


『ゲーム』


 安全な場所はないのかと言う状況だった。

 校舎内はゾンビたちがいて戻れないが、外はあの巨大なロボットが歩いている状況だった。

 幸いと言うべきか距離が少しあり、こちらに向かって来ておらず、動きも遅いので踏み潰されるなんてことはないと思うが、問題は別のものが僕の視界には映っていた。

「――――――――――」

 屋上からも見えたが、恐竜やお巨大な昆虫のような化け物がいて普通の人間だったのかゾンビなのかわからない物体を集団で襲って食い漁っている。


『現実』


 このゲーム絶対バグってる。

 普通の人間ならばだれでもそう考えるしわたしも考えた。

「これバグってない?! 本当にこういう話なの?」

「―――いや~、このカオスが醍醐味なんだよ~。」

「―――あ~、も~、とにかく逃げるよ?」

 兄貴はと言えば計画通りだと言うようなもの言いで、わたしは仕方ないと言うようにゲームを進めた。


『ゲーム』


 最良の方法が逃げる以外には存在しなかった。

 あの時元に戻っていればとも僕は考えたが、後の祭りで玄関から学校の中に戻るのは難しそうで、怪物の姿も見えるし僕はこの場からは逃げてほかの入り口を探すことにした。


『現実』


Mission Object

屋上に戻って本来の世界に戻る。


 新しいゲーム内容が出てきた。

「言われなくてもそうする!」

 当然な答えをわたしはやりながら返した。

「―――でもどこ逃げたらいいのよ~?」

「―――入口は1つじゃないし、裏口もある。探すんだ。」

 こんな状況で前からも後ろからもどこから何が来るかわからない状況で、わたしは何にしても逃げ始める中で、兄は口を開き指示を出した。

「窓からも入れるかもしれないし、割って入れるかもしれない。調べてみて?」

「わかった。」

 このゲームがどこまでできるかわからないが、わたしは逃げながらボタンを適当に押し始めた。


『窓は閉じられている。』

『割れそうだが少し高さもあるし入り難そうだ。』

『中からゾンビのうめき声が響いている。』


 調べてみたが窓から入るのは危険な空気が満ちているようだし一向に入る気配もなく、わたしは白鳳を走らせ続けた。


『ゲーム』


 窓からは入り難そうで僕はあきらめて走り続けた。

 入口は1つだけではないだろうし、ゾンビのいない場所もあるだろうしと言えたが、問題は後ろで逃げている間に怪物たちが僕を追いかけ始めていた。


『現実』


 武器なし、防具なし、回復系なしで後ろからは怪物たちに追いかけられていると言う状況だった。

 最悪意外に言えないし、攻撃されたら何がどうなるかわからないし、わたしは絶対に捕まるかと逃げるしかなかったが、問題があった。

「も~、どこ逃げたらいいのよ~?」

「―――」

 兄の方もうどうすればと言う状況で必死に調べているようだった。

「―――マップ! マップ! グラウンドに向かえばいいみたいだ!?」

「―――?」

 手出しはできないが指示はできると言うように兄は攻略法を見つけわたしに勢いよく指示した。


『ゲーム』


 走りに走り続けたが入れそうな場所もなく、途中で渡り廊下とかの別の入り口を見つけたが鍵がかかっている状態で入れず、僕はグラウンドまで来ていた。

「―――――」

 普段は走るとなると嫌に広く感じるグラウンドで一般的なスポーツ競技用の2、3倍の広さがあり備え付けの遊具も多くはないが存在し普通の学校のグラウンドだ。

 廃材や粗大ごみ置き場と言うべきか、ロボットがいると言ったが、壊れたのが2、3台ほどグラウンドに倒れていた。

 ガソリンやオイルみたいな匂いが立ち込めているし、部品が外れているし、どう見ても大破と言うべきで、一時的にだが置いていると言う状態には到底見えなかった。

「―――――」

 見とれていると言うと言う間もなく後ろには怪物も迫っているし、グラウンドの方からは別のロボットがこちらに向かっていた。

 何にしても入口を探そうと僕は必死に走り、入り口とも言えるが入り口とも言えない入口を見つけた。

 意味不明な言葉だが進行方向の先に見えるのはグラウンド越しの校舎の壁だが、倒れたロボットが手を前に伸ばし、壁を壊していた。

 1人ならば十分に通れそうで、後ろから迫る怪物たちみたいにたくさんいれば通れなさそうな隙間が見え、僕はあれなら入れるのではないかと足を進めた。


『現実』


 中はゾンビ塗れだろうし、ロボットが来る前に、制限時間までに本来の世界に戻れと言う状況だとわたしは思ったが、この後問屋は下さないし、普通通りの物語にはさせないと言うことになった。


『ゲーム』


 後少しと言う時だったが、この世には待ち伏せと言う言葉が存在している。

「―――――うわわぁっ!?」

 待ってたぞ来たな獲物と言うような状況で、恐竜が勢いよく眼の前に降りてきた。

 動くな逃がさんと言うかのように鳴き声を上げ、後ろからも怪物たちの群れが迫っていた。

 迫ってきているとは言うが、協力していると言う様子はなく、捕っては食われてやり返してと言う状況で、これが少しだが時間を稼いでいるようで僕が生き残っている理由とも言えた。

「伏せて!」

「―――ぇ?」

 左に壁、右は倒れたロボット、前後は怪物と四方を僕は囲まれたしまった。

もうだめなのかと思いかける中で、不意にどこのだれかと聞く暇もなくどこかから声が聞こえ、不意に恐竜の前の腕が動き出した。

 正確には動き出したのではなく何かが当たって吹き飛ばされたと言うのが正解だったが、状況的には僕はそう見えこちらに勢いよく向かいかけていた。

「―――――ゎっ!?」

 不意な声の言うとおりにしたと言うべきか、眼の前の光景に対しての反応と言うべきか僕は勢いよく身を伏せた。


『現実』


 圧巻な映像だ。

 眼の前の腕が動き出したと言うよりも浮かび上がり、勢い良くこちらに向かってきた。


『特定のボタンを同時に押せ!』


 言うとおりに伏せないと一発で死ぬと言う状況だが、結局はゲームで、白鳳のある意味人生のかかる一瞬だがわたしのボタン操作で決まり、彼を生存させた。

「―――?」

 ここで何故と言う状況だがBGMが切り替わった。


BGM 星間飛行


『ゲーム』


 腕が吹き飛ばされたと気付いたのはこの伏せた時で、右のほうに眼を向けると本体だと思われる身体の部分は動いておらず、腕だけが飛んで行く状態になっていた。

 信じられないが声の主が助けてくれたのかと思うが、どうしたのかもわからないが、何にしても前後の怪物たちは腕が直撃して倒された。

「―――」

「―――大丈夫ですか?」

 10秒ほど時間が経過し、起き上がってももう大丈夫かと懸念する中で、不意に近くと言うよりも眼の前に人の足が見え、僕は顔を上げ、足の持ち主と顔を合わせた。


『現実』


 世に言う魔法少女系だ。

 不意になんだと言われそうだが、白鳳の眼の前に現れた人間だ。

 白鳳が顔を上げると白鳳と同じほどの少女が心配そうにこちらを見ているが、彼女は世に言う魔法少女のように見えた。

 魔法の杖と言うべきかを両手に持ち、髪の色も携行食と言える明るい色で、服装も状況的に少々華美で、心配そうな顔をしていた。

 BGMも切り替わるし、何が別なことが起きていることは事実だ。


『ゲーム』


 僕は少しの間顔や服装を見ていることしかできなかった。

 子供向けのテレビ番組と言うべきか、いかにも魔法少女と言うかのような格好で、この場にはある意味不適合な状態だった。

「―――ああ、はい。」

「―――よかった。」

 いつまでも伏せているわけにもいかないので僕は立ち上がった。


『現実』


 問いただすのが現実的に一番正しいことだ。

「で、この子は何者?」

「―――魔法少女かな~?」

「―――見た通りの回答ありがとう。」

 造った人間の1人がわからない状況のようで、わたしは深くは聞くことを止めようと考え始めた。

「?」

 何にしてもゲームに戻ろうとした時、画面に奇妙な文字が表示された。


Real Question

「あなたはどう言った経緯でここに来ましたか?」


 一体なにかとわたしは見ていたが、文字に反応したのは兄の方だった。

「リアルクエスションだ!」

「りあるくえすしょん?」

「プレイユーザーのリアルな質問だ。この質問には現実での、言わばリアルでの答えを返さないといけないんだ。」

 質問をされているようで、兄は説明を簡単にだがした。

「僕が応対する。」

 言うと兄は操作を始めた。


Answer

「こちらは管理者と一緒にプレイしています。キャラクターの設定はランダムで自分でもわからない部分が多く、ここに来た理由もよくわかりません。」


 兄は答えを素早く返した。


Real Question

「そちらはテストプレイヤーですか? 逆に聞きますが、どう言った経緯でここに来ましたか?」


 兄の不意な質問に対し、画面の相手の少女は不意だったので返せないと言う状況のようだった。


Answer

「試作ゲームのテストプレイヤーとして参加しました。アイドルになるゲームだって聞いたんですが、プレイ中突然魔法みたいな変な力が手に入って、気が付くとここにきていました。」


 微妙には違う、彼女もわたしと似たような状況のようで、兄のように教えてくれる人がいないと言う状況のようだった。


『ゲーム』


 僕は立ち上がり、とりあえず口を開いた。

「とりあえず、助けてくれてありがとうございます。」

「い、いえ、いいんです。」

 奇妙な格好だが僕も学校の制服で文句を言える立場でもないが、彼女の服装は少々常識外れだ。

「あの、あなた………?」

「―――撮影中だったんです。」

「へ?」

 状況的に聞くべきか迷い、何にしてもあなたは何者かと言いかける中で、少女は意味不明なことを言った。

「魔装少女 ストライカーって、番組で、収録中で………」

「―――?」

 言われても返答に困ると言う言葉だった。

「な、何にしてもです!」

「―――!?」

「あ、危なそうだったんで助けようと思たんです!」

 話を聞いてから答えるしかないと思う中で、不意に少女がおどろいたような反応を見せたかと思うと、勢いよく僕に対して言い放った。

「あー、何にしても助けてくれてありがとうございます。」

 噛んだことを放置し、僕も同じことを繰り返して言ったが、何にしても一応は丸く収める必要が存在していた。


『現実』


 ゲームはゲームで現実は現実で情報交換が始まっていた。

 この少女はなんでもアイドルになれるゲームだと言ってこのゲームをプレイしていたが、突然と言うように魔法が使えるようになり、気が付くとここにいて怪物に襲われかけたわたしを助けたようだった。

 飛んできた腕は魔法で動かしたとのことで原理は一切不明で、事情も深く聞きたいが、深く聞く暇がなさそうな映像に切り替わった。


『ゲーム』


 詳しく事情を聴きたいが、事情を聞く時間がないように見えた。

「―――狙ってる。よね?」

「―――ですよね?」

 何かというとロボットの肩の部分に装着されている物体だ。

細長くだれがどう見ても銃に見える物体で、お前ら狙っているぞ吹き飛んで死ねと言うかのように機械と言うかモーターのような音を出してこちらに銃口が向いていた。

距離も15mほどと言う距離で、何か別のものを狙っていると言うようには見えなかった。

「―――――」

「―――」

 銃口からか、部品からかわからないが、引き金か何かが引かれたようで、一瞬銃のような物体から光が見えたかと思う中で、僕の眼の前の少女が何かを言った。

「―――――?!」

 短く、小声で何を言ったか聞き取れなかったが、言った瞬間に絵に描いたような青色のきれいな光の盾が僕と少女の前に姿を表した。

「わっ!?」

幸か不幸か間に合ったと言うべきで、撃ち放たれた弾丸は僕たちの方へ飛んできたが、光の盾は僕たちを守った。

盾越しに銃弾の爆発するか砕ける音が聞こえ、激しい粉じんが舞い、間接的にだが視界が塞がった。


『現実』


 乗れないし背景ではないかと疑っていたが、実際に存在しているようで、ロボットは攻撃してきた。


『ゲーム』


 常識的な判断は逃げることだ。

 光の盾の向こうで煙が舞っている状況で、逃げるのが一番いいと僕は判断した。

「逃げよう!?」

「あ!? はい!?」

 煙はいずれなくなるし、仕留めてないと解ると再び攻撃してくるだろうしで、僕は少女に近づき、勢いよく言った。

 少女は声に反応し、走り出し、言いだしたのは僕だと言うことも無視して彼女を追いかける形で走り出した。

「―――学校の中に入ろう! その方が安全だ!」

「―――わかりました!」

「こっち!」

 思わずと言うように走り出したが、僕は先ほどの手がなくなり通りやすくもなったしと思い、学校の中に入ることを提案した。

 道を戻ることになったが、何にしてもあのロボットから姿を隠せることは確かだった。


『現実』


 九死に一生を得たがこれだけではだめなようで、わたしと、魔法少女は教室内に逃げこもうとしていた。


『ゲーム』


 走っているさなかに不意に煙の向こうで何か大きい音が響いた。

 音の根源はあのロボットが立っていたあたりで、何か硬いものと硬いものがぶつかり合うような音だった。

「―――?!」

「―――何?」

 僕も少女も何事かと走りながら音の方向へ顔を向ける中で、煙が晴れて本来の光景が見え始めていた。

「―――――?!」

「―――何!?」

 少女の最初の何と言う言い方はいったい何が起きたと言う物言いで、次の物言いは、僕と同様で、いったいあれは何だと言うものの言い方だった。


『現実』


 ロボットが倒され破壊されている。

 倒れたロボットの上には人影が見えた。

BGMが切り替わった。



BGM 「The Beast II」


『ゲーム』


 人間ほどの小さい怪物がロボットを倒したと言う表現が一番正しいようだった。

 ロボットは地面に倒れた状態で、ロボットの上には眼を赤く光らせた怪物が立っていた。

「―――――」

「―――――」

 思わずと言うように僕たちは2人は立ち止まり、直視してしまった。

 遠くからだが呼吸が大きくて荒く、怒り狂った猛獣のように見えた。

「―――!」

「―――!」

 何が起きたかと言うと、眼が合ってしまったと言う状況で、あの不気味な生き物は間違いなくこちらに眼を向けてきた。

「―――――」

 言うまでもないし、決定事項だし次はお前らだと言うようにこちらに向かって来ていた。

 逃げるな必ず捕まえて殺してやると言うように手を前に伸ばしていた。


『現実』


 よく見るまでもなく、あれは兄が言っていたワーパーとか言う人間の1人のように見えた。


『ゲーム』


 距離が4、5mまで迫った時で、少女が不意に手に持っていた杖を振り上げた。

「―――――」

「―――――えいっ!?」

 少女は思い切り強く杖でぶん殴り、怪物は以外にも簡単に殴られて倒れた。

「えい!? えい!? えい!? えい!? えーい!?」

「―――い?! いいぞ!? やっちゃえ!?」

 倒れる中で立ち上がるそぶりを見せ、少女は半塲悲鳴とかした声を上げながら怪物をぶん殴り続け、僕は思わずと言うように応援してしまった。

「えい!? えい!? えい!?」

「やっちゃえやっちゃえ!?」

 拍子抜けと言うのはこういうのを言うのかと言う状態で、少女は杖を折れないかと心配もせずに殴り続けた。

「えい!? えぃいっ!? えい!?」

「―――待った待った待った待った!? わたし人間わたし人間わたし人間ん?!」

「―――?!」

 ここから出て行けと言うよりも半殺しにしかねない状況の中で、怪物が不意に人間だと、正確には女性だと思われる声を出した。

「―――――ぇ?」

「―――わたし人間だって!? これ鎧なの!? 信じて!? 見て?!」

 僕が声に反応し、少女も遅れて手を止める中で、怪物は何とか上半身を起こし、自分の手を自分の首の近くに持って行った。

「―――――」

 不気味な顔は防毒マスクか何かだったようで、首の近くからスイッチか何かを押す乾いた音が聞こえた後空気が排出される音が聞こえ、複雑な機械仕掛けがマスクを外し、人間の素顔をさらした。


『現実』


 人間だと言うが普通の人間ではなかった。

 確かに人間の女性だが、ちがうのは体色だ。

 髪が緑で肌が青、耳がファンタジーのキャラクターのように耳がとがっていた。


Real Question

「も~? 最悪? 何よこのゲーム? ど~なってんのよ~? オンラインファンタジーでRPGだって聞いて参加したのに~?」


 わたしのプレイしている白鳳が学園系と言うかアクションに見え、少女はアイドルになれるゲームとか言ってたが、突然現れた彼女の言葉はこのゲームがわたしたち2つと違うゲームだと言っていた。


『ゲーム』


 人間にはたくさんの人種が存在している。

 僕のような日本人は基本的にアジア系で黄色人種として、ほかにもたくさん存在するとして、彼女はいったい何者だと言う状況だった。

 髪も肌も色が特異で、耳もとがっていた。

「―――あの、人間ですよね?」

「当然だ!」

 言うまでもなく先ほど彼女が言ったが、少女が質問すると女性は勢い良く返してきた。

 僕と少女が同じ10前後半ほどだが、女性の方は20代前半ほどで大人に見えたが、だれがどう見ても状況的に似つかわしくない外見をしていた。


『現実』


 質問と言って質問にならないが、こんな場所にこんな人間が存在することはあり得ない状況だ。

彼女はこのゲームをファンタジーとかだと聞いてプレイして、顔はファンタジー系だが、服装はどう見ても近代的なアクションゲームな外見の格好をしていた。

「どうなってんのよ?」

「カオスだろ?」

「―――」

 状況を細かく説明してほしいと言うようにわたしが聞く中で、兄はご機嫌な様子で笑顔で答えた。

「―――」

 この笑顔に女の子が落ちるが、現状的にわたしは怒りがこみ上げ、殴ってやろうかと思ったが、根本の解決にならないので握り締めた拳をコントローラーに戻す中で兄は女性に返答していた。


ANSWER

「こちらは管理者と一緒にプレイしています。管理者からのコメントですが、あなたはこの作品のカオスな設定部分に巻き込まれています。」


Real Question

「カオスな設定部分?」


Answer

「―――これがこの話の醍醐味です。ご堪能ください。」


 彼女も少女もわたしと言うか、管理者を殴りたい問う衝動に駆られているのは間違いない状況だった。


『ゲーム』


 髪や肌の色は、尖った耳と普通の人間とは違うが、何か害があるわけでもなく、人間だと言い張っているし、僕と少女は返す言葉もなかった。

「―――ここはどこなんだ? ドリィムミアではないようだが………?」

「「どりぃむみあ?」」

「―――ドリィムミアを知らないのか?!」

 もう殴られないなと言うことを確認し、体力的に回復したのか女性は立ち上がりながら言う中で僕も少女も知らない言葉を口にした。

「人口1000万、世界最大の都市だ。建国1500年で式典の真っただ中だぞ!?」

「「―――――」」

「―――――」

 説明されても知りませんと言うしかなく、僕と少女は首を軽くだが左右に振って否定する動作を見せて、女性はうそはついてないと言うようなおどろいた顔で言葉を止めた。

「―――あの男たち、何者なんだ?」

「―――?」

「―――ワープ、と名乗ったが―――?」

 言いながら女性は困惑しているような表情を見せ始めた。


『現実』


 確かに彼女は調節者と言う言葉を口にしたが、再びBGMが止まり、別の人影のような物が姿を表した。


『ゲーム』


 話し合おうとする中で、不意にだれかが僕たちに話しかけてきた。

「あの~? 日比谷白鳳さんに、月宮英華さん、エリーサ ミズノさんですか?」

「「「?!」」」

 話しかけてきたのは怪しい女性だった。

 年齢は10、20代ほどだが、白いシャツ以外はネクタイまで黒いスーツ姿で中折れ帽を被り、手には皮手袋をして眼にはサングラスをしていた。


『現実』


Real Question

『このゲーム、こんぐろまりっと! Universeですよね? SNSとアクションRPGを融合させた最新のゲームのテストプレイだって聞いて参加したんですが、これバグですか?』


『バグでしょ? さっき管理者って聞いたけど、変なうそ言わないでよ!?』



 話しかけてきたが、彼もわたしたち3人とは全く違うゲーム設定のようで、わたしは答えを返した。


Answer

『こちらは管理者と一緒にプレイしています。管理者が言うにはこれは仕様だそうで、バグでも間違いでもないそうです。』


『―――まだこれは序の口です。』


『ゲーム』


 僕たちは何とか学校内に入り、屋上に行き話すことにした。

 ゾンビたちや恐竜たちもいるが、息をひそめたり、いつの間にか逃げ出したようだった。

「あ? わたしこういうものです。」

 不意に姿を表した女性は言うと名刺取り出して渡した。

 僕は学生で学校の制服だし、月宮英華と言うのか少女は魔法少女みたいな冗談のような服装、女性は武装服と、彼女がある意味が一番普通の人間に見えた。


新しい治安維持を提案する。

警備会社

アドヴァンスド ガード セキュリティー

スズキ シノブ


『現実』


 学生、アイドル、異世界から来たと思われる女性に、警備会社の女の人と、意味不明な人間たちが集まっていた。

「あ、少ししたらアシスタントを表示して、僕も説明に入るから?」

「え?」

 これからどうなると言う状況の中で、兄は気軽な口調で言った。


『ゲーム』


 警備会社の人が何の用ですかと言う状態だった。

「―――警備? 会社? 貴様傭兵なのか?」

「―――あ、いや、あの、その~?」

 女性ことエリーサ ミズノはシノブに対して質問した。

 まるでファンタジーの世界から抜け出てきたような顔で、話し方や会話の内容と言い、本当にこの世界のことを何も知らないような雰囲気だった。

「それにその奇妙な黒い恰好! 貴様あのワープとか言う人間たちの仲間か?」

「―――――」

「答えろ! そしてわたしをドリィムミアへと返せ! わたしは王女を護衛する任を―――

――」

 エリーサがすぐにでも自分のいる場所に帰りたいと言う要求をだし、シノブは関係ないんですと言うような反応だがエリーサはシノブに詰め寄った。

「We l Come to こんぐろまりっと! Universe!」

 状況的に見て誰も詳しい答えを知らないんだなと言う雰囲気が僕と言い英華にはある程度伝わっていたが、エリーサは聞かずと言う雰囲気でシノブを落ちつめている時に、僕らの頭もとで声が聞こえた。

「―――フェアリー?」

 ゴシップロリータと言う服だと思うが、そういう格好の2,5頭身ほどの少女と言うか、背中に羽の生えた少女が突然姿を表し、エリーサが何事だと言うように口を開いた。

「―――」

「―――混沌満ち過ぎた世界へようこそ!」

 僕たちは言葉を失っていた。


『現実』


最初に消したあの少し信用できなさそうなアシスタントが出てきた。


『―――これからこのゲームの世界観を詳しく話したいと思います。』

『―――詳しい設定?』

『できる限りは簡単に説明しますが、それでも難しいと思いますが、わかるとかなり楽しめると思います。』


 兄が操作しているようだし、わたしたちはこの意味不明な世界に関してずいぶん時間がかかった気がしたが、説明を受けることができるようだった。


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