前置きが長いゲーム
『現実』
何にしても話が進まないのでプレイを続け、学校の外へと飛び出し、インカムを使い呼びかけるが、人の姿は一切なかった。
『ゲーム』
廊下も、ほかの教室も、職員室ものぞき見てみたが奇妙なことに人の気配が一切なく、人の気配も一切なく、思わず学校を飛び出して外を見まわってみたが、人っ子1人姿が見えることはなかった。
公園やスーパー、どこに行っても、姿もなく、誰かいないかと呼びかけてみたが、誰も姿を表さず、言葉通りに1人だけな上、奇妙なことに信号機などの光が消え、街そのものが機能していないようだった。
「―――――?!」
誰かいないのかと探し回っていると、不意に少し遠くの後ろの横道を、何かが通ったような気配を感じ、振り返るが、人影も何も見えなかった。
『現実』
「何? 何か通ったみたいだけど?」
「ソーかな?」
「違う! 気のせいじゃない!」
映像がムービー映像に切り替わり、ホラー映画の様に白鳳の後ろを怪物のような影が高速で勢い良く通り過ぎ、わたしが何かと聞く中で兄はそっけない返事を返した。
「違う、ソーだよ、ソー。」
「だからさっきから言ってるじゃん!」
兄はわたしの言葉に対し、返事を返したが、よく考えると文法的に変な返事だった。
「違うよ? ソーじゃないかと言ったんだ。」
「どっちなのよ?!」
否定しているのか肯定してるのか、意味不明な会話に対し、わたしは怒って返した。
「原作と同じコントをしないでくれ?!」
「へ?」
「ソーだよ? カタカナのソを伸ばしてソー、ソーっていう怪物かもしれないと言ったんだ!」
言葉の問題だったようで、そうだと、ソーだを、聞き間違えたようだった。
「ほら、こっちの画面見て?」
「え?」
「ほら、これだよ?」
何にしても兄は言うと反対側の画面を見るように指示を出し、兄の操作している画面を見ると、画面に大きく恐竜のような生き物の全体が横に回転しながら映っていた。
恐竜の様なと書いたが、大まかな外見は肉食恐竜のようだが、皮膚が黒く、眼が赤く光り、凶暴そうな外見で、足元は間違いなく先ほど白鳳の後ろを通り抜けた影の形によく似ていた。
「なにこれ? こんなの出るの?」
「原作でもかなり厄介な敵で―――って追いかける気か?」
「え? そうだけど?」
何にしても話が進まないし、わたしは先ほど白鳳の後ろを通り過ぎた、ソーだと思われる人影を追いかけることにした。
兄が少しおどろいているが、ゲームでは怪しいことが起きれば首を突っ込まなければ話が進まないのが普通だろうし、進む以外道がないと思った。
『ゲーム』
気のせいかどうかわからないが、僕は先ほどの気配を追ってみることにした。
丁字路の右に曲がり、少しの間まっすぐな道が続き、先を行くと先ほど言った場所の1つ、公園が見えていた。
何にしても公園に僕は再び向かうことにして歩きだしたが、不意に先ほどとは違う人の気配を感じ振り返った。
「―――――」
『現実』
思った通りで、再びムービーが始まり、白鳳が振り返ると、小学生ほどの小さい少女の姿が見えた。
『ゲーム』
公園までの道は細い道だが、反対側の道には少し遠いが大通りが見え、大通りの道路の中心辺りに、小学生と程だと思われる少女が立っていた。
少女の姿に僕には間違いなく見覚えがあった。
「―――真―――」
紛れもない妹、真白の姿、僕は人を見つけたことに加え、妹の真白が無事だったことに安心して声をかけようとする中で公園のほうから花火のような音が聞こえ、思わず音に反応し、妹を守るように、盾になるように振り返った。
「―――――?」
思わず焦ったが、花火のような音におどろいたが、何か起きるような様子もなく、安心して真白のほうを振り返ると、先ほどまでいた真白の姿はなかった。
道路の中心に立つと車が通って危ないと言うような常識的な注意をかけることもなく真白の姿は影も形も見えなくなっていた。
「真白? 真白?」
呼びかけるが影も形もなく、どこに行ったかと考える暇もなく、先ほどの花火と似たような、正確には連続した火薬の爆発音、銃声のような音が公園のほうから聞こえた。
『現実』
Mission Select
→真白を探し、大通りの方向へ行く。
真白がいるかもしれないので、銃声と思われる音がした公園に行く。
白鳳を動かせるけど、どちらかを選べと言う状態に入ってしまった。
真白を探し、大通りの方向へ行く。
→真白がいるかもしれないので、銃声と思われる音がした公園に行く。
普通に考えると大通りのほうにいる可能性が高いけど、これはゲームだし、うまくいくわけもないしわたしは兄がなんとなくだが冷ややかな目を向けていた気もするが、気にもせずに公園に向かうことにした。
『ゲーム』
真白の姿が幻か現実かは解らないが、現実にあの音が銃声かはわからないが、僕は最悪の事態、言わば真白が公園にいて、銃で撃たれていないかが気になり、公園のほうへと足を向けた。
「真白!」
名前を呼ぶが、誰も返事を返すこともなく、公園のほうも、大通りのほうも人の気配も何もなく、僕一人だけのようだった。
『現実』
ムービーの映像は面白半分に選んだ現実のわたしと違って非常にまじめで、白鳳は妹の名を心配そうに呼ぶと公園へと勢いよく走って行った。
公園へと到着すると、白鳳は不意に表情を変え、公園の人工的に植林された葉の中に身を隠した。
『ゲーム』
公園へ到着した僕は思わず近くに身を隠した。
「なんだあいつら……?」
なぜ身を隠したかと言うと、公園には奇妙な人間たちが闊歩していたからだ。
赤く大きい2つの眼、深く大きい呼吸音、全身黒く堅そうな身体、説明すると不気味な怪物のようだが、眼はレンズ、呼吸音は防毒マスク、身体は防具と、よく見ると武装した人間たちのようだった。
『This is echo2. Call me alpha1. Over』
『This is alpha1. This dimension is No Human―――』
話している言葉は英語のようだが流暢で聞き取れず、防毒マスク越しで話すためか低く、ふたがされ、反響、言わばエコーのようなものが起きていた。
『現実』
黒衣に防毒マスクと言う軍人とかの怪しい集団が公園で話し合っている様子を白鳳が見ていると、不意に少し慌てた物言いで言葉を出したのが兄だった。
「ワーパーだ……」
「ワーパー?」
先ほどのソーと言う怪物が本当に出るかもわからないのに、訳の分からない設定が再び登場し、何にしてもわたしは兄に何かというように声をかけた。
「未来から来た時限調節のための武装集団だ。」
「へ?」
怪物事態信じられない状態だが、兄は先ほどと同様に平然と答えを返した。
「だから、未来から来て、この世界を調査か、何かをしに来たんだ。」
「未来? 調査?」
訳が分からないが、何にしてもムービーは続いていた。
『ゲーム』
彼らは真剣な話し合いをしているが、幸いにもこちらには気づいていないようで、言葉は解らないが、僕は彼らの監視を続けた。
『―――Org order?』
監視を続けていると、不意に1人が何かにおどろいているような反応を見せた。
「?」
『―――』
『What Up? Echo1?』
言葉は解らないが、彼らは少し慌てているような口調で話し始めた。
『現実』
ムービーにはリアルタイムで進行し、隠れてこそいるが、いつでも飛び出せたり移動が可能になっている。
「飛び出すなよ?」
試しに少し前に進んだ瞬間、兄はわたしの操作に歯止めをかけさせた。
「何が起きるかわからないこの状況だ。先ほどの銃声、ソーを射殺したのかもしれない……」
「……」
真剣なシーンに対してゲームだと言うようなわたしの反応も知らず兄は真剣な表情でものを言い、映像を真剣に見ていて、わたしも映像を見ていると、映像にも変化が起きていた。
『ゲーム』
彼らは少しの間話し合っていたが、少しすると仲間の2人が長さと太さが人の膝より少し長く腰よりも短い柱のようなものを2つもってきて、ある程度距離を離しておいた。
『現実』
こういう映像の時あの手のものは爆弾みたいなやばいものだとわたしが思う中で、不意に答えを出したのは兄だった。
「ポータブルゲートだ。」
答えを出したとは言ったが、わたしには訳の分からない物体で、何にしてもムービーは進行して、柱と柱の間には強くまぶしい光が姿を表していた。
『ゲーム』
柱と柱の間には強い光が姿を表し、彼らは軽く何かを話し合った後、光のほうへと足を進めて行った。
光は非常に強く、光の先へ進んでいく彼らの姿は光に包まれ、見えなくなり始めていた。
『現実』
Select
→追いかける。
追いかけない。
追いかけてもみたいが、兄に求められたし、わたしはあきらめることにして見届けることにした。
『ゲーム』
彼ら全員が姿を消すと光は爆発するかのように一瞬より強い光を出して一回りほど大きくなったが一瞬で収縮し、柱を含め、彼らの姿も痕跡も何もなくなっていた。
『現実』
何にしても怪しい集団はいなくなった。
わたしは白鳳の操作し、公園を歩くことにした。
「ところでさぁ、ワーパーって何?」
何にしてもわたしは兄に質問した。
「Weapons And Rescues Professional、またはWarriors And Revolution Professionalの略だ。」
「へ?」
「何にしても、さっきも言っただろう? 未来から来た軍人たちだ。」
半分操作半分兄の話を聞いてゲームをしている状態だが、ある程度のことを理解するつもりだが、理解できない話だった。
「いいから、ゲーム進めて。」
「―――」
「自分の身体で覚えて。」
詳しく聞こうとしたが、兄は少々機嫌が悪そうに言い、解らない時に言われる言葉を口にしてわたしを黙らせ、わたしは少し腹も立ったがゲームを進めることにした。
よく考えると兄は何しても本題となる売れない3文小説を知っているから意見の食い違いが出るのは当たり前だし、ゲームのうまい下手が真逆のわたしにも問題があるのだから怒れないのだ。
『ゲーム』
跡形もない。
言葉通りで彼らのいた痕跡は全く残っておらず、人の気配もない、何にしても真白を探さなくてはいけない。
『現実』
何にしてもプレイは続けなくてはいけないようで、わたしはプレイを続行することにした。
何にしてもそこらじゅう歩き回り、家(正確にはアパート)や公園を含め、わたしはある程度白鳳の情報を得ることができた。
白鳳、本名日比谷白鳳、14歳の中学生の少年、身体能力や性格、名前以外に特に変わった点一切なしのごく普通の人間だけど、少し複雑な家庭事情を持っている。
暴力と金銭的事情で離婚しシングルマザーだった母親が小学校の時に再婚し、父親違いの妹真白が存在する。
新しい家族で特に際立った問題もないようだったが、白鳳が中学校進学数か月前に両親が交通事故で死亡し、現在は真白と2人暮らしをしているとのことだった。
兄が言うにはランダムの設定で数えきれないほどの設定や可能性があるため、これだけではない可能性が高いと言うことだ。
ゲームの方では悲しそうな音楽に合わせてセピア色の再現VTRが流れ、白鳳は顔に手を当て、涙をこらえると言うような少々感動的な映像を見せてくれた。
『ゲーム』
公園を出た後はアパートやスーパー、そこら中を探し回ったが、真白の姿はなく、人の姿も見受けられず、日も沈み始め、このままでは何にもならない気がして、何にしても僕は学校に戻ることにした。
学校に戻ると日も赤く染まり、夕方になっていて、校舎は赤く染まっていた。
「?!」
屋上に人影のようなものが見え、僕は思わず走り出した。
全速力で走り、屋上へとたどり着くと、普段は鍵がかかっていて、普段設けられている立ち入り禁止の表示もなくなり、開かないドアが勢い良く開いた。
「―――」
夕方の明るい気分のいい空だが、よく耳を澄ますと鳥の鳴き声も自然の音も、何も聞こえず不気味な空間が広がっていた。
『現実』
彼のことがある程度知れたからいいけど、やはりあの時あの不気味な奴らを追いかけたほうがよかったかと考える中で、何にしてもわたしはプレイを続けた。
『ゲーム』
少しの間屋上を探したが結局人影はなく、時間も時間で、僕は何にしても家に帰ろうと考えて教室にバッグを取りに教室に入った。
「―――」
教室にも案の定人の影も形もなく、無音状態で、僕だけがこのように存在しているようにも感じる状態だった。
「―――さて―――?!」
何にしても、帰るかと言う独り言をいう寸前に、自分の机の前で身体の向きを変え、視線少し横を向いたとき、右側、教室の入り口の引き戸に人の姿が見え、僕は眼を向けた。
『現実』
どこまで引っ張る気だと言うわたしの気も知らずにこのゲームは進行し、教室の入り口には大人の女性が立っていた。
大人の女性とは言ったが、学校の教師と言う格好ではなく、黒いスーツ姿で、少々上品で優し気な感じもするが、かなりの度合いで怪しさ満点の女性だった。
『ゲーム』
先ほどまで人気がなく、屋上にいた人影かと考える暇もなく突然教室の引き戸の前に教師とも誰とも知らない女性が立っていた。
「日比谷白鳳君ですか?」
「ぇ……?」
女性は僕に対し質問し、僕は瞬時のことで答えられなかった。
「ぁ、ぁあ、はい、そうです。」
何にしてもうそではないし、こんな時だし言うとまずいと後で少しだけ考えたが、何にしても僕は答えてしまった。
「―――――」
「突然ですが、あなたの日常は崩壊しました。」
あなたは何者ですかと質問する間もなく、女性は結論だと言うように言葉を口にした。
「―――」
「あなたはこの世界を取り戻さないといけません。」
突然何を言い出すのかこの女性はと、質問を返す暇もなく女性は言葉を続けた。
『現実』
どこの誰かは知らないが、事情を説明してくれる女性のようだが、いかにも何とかできそうな外見をしているし、何とかできないのかとわたしは少しだけ心の中で突っ込んだ。
『ゲーム』
女性の言葉を意味を理解できず、僕は女性のほうに眼を向けると、女性は話を続けた。
「取り戻すためには屋上に―――」
「司令官、お時間です。」
「?!」
話しを女性が続けている中で不意に女性の背後、正確には廊下からスーツ姿の少し目つきの悪そうな男が姿を表し、女性に声をかけた。
「―――後少し―――――」
「聞き分けてください。彼一人だけに時間を特別に与えるわけにはいきません。」
女性は困ったように言うが、男性は事務処理的な物言いで言い、女性のほうに真剣だが冷たい眼を向けていた。
「何にしても、先に行き、準備をしておきます。」
言い終えると男は敬礼し、女性に勢い良く背を向け教室を後にしていった。
「あ、あの―――――」
女性は僕にとって見えなくなった彼を呼び止めようとするが、不意になんとも言えない状態で静止した。
「解りました。大佐……」
「―――大佐?」
女性は司令官と呼ばれ、男は大佐と呼ばれ、軍隊か何かの人のようだった。
「まったく、プライベートではあんなに―――」
「あの―――――?」
「ああ、ごめんなさい?」
事情は分からないが女性は男性と何か深い縁があるようで不満そうな物言いで文句を言い始めたが、何にしても何しに来たのか気になり僕が声をかけると、女性は元気良く反応した。
「あなたは、いったい……」
「敵でも味方でもない―――」
「?」
僕の名前も知っているし、何物かと聞こうとした瞬間、女性は冷静な表情で僕に対し言葉を口にした。
「正義でも悪でもない、たとえて言うと―――――」
「………?」
「調節者です。」
少しの間言葉に間を置いたが、女性は何にしてもそう名乗った。
「ばらんさー?」
「なににしても、屋上に行って? あとはあなた次第! それじゃあ!」
「あ! ちょっ!?」
何者かと深く聞きたいが、先ほどの男が急がしているためか、女性は慌てた様子で言うと、勢い良く走り去っていった。
追いかけようとも思ったが、無駄な気もして足を止めた。
『現実』
屋上はさっきもいったし、何もない気もするが、ムービーも終わり、わたしは教室の中で操作を一時的に止めていた。
「バランサー、調節者……」
「何にしても屋上行くよ?」
兄はと言うと少々おどろいたような様子であまり動きもせずと言う状態で、わたしは兄から事情も聴きたいが、面倒なので何にしても白鳳を屋上に進ませた。
『ゲーム』
何が起きているかわからないが、彼女の言うことを信じるのは悪いことか正しいことかわからないが、手掛かりも何もないし、僕は屋上に向かうことにした。
時間が経過し、外はすっかり夜に変わり、屋上は少し肌寒い気がした。
「―――――?」
何もない、このままでは寒いし、もう校舎に戻ろうと振り返り、後ろを見ると、視界の左側に奇妙な物体が見えた。
一言で言えば不気味な何か正体のわからない物体で、現実に何が一番いいたとえかと言うと紫色のブラックホール、と言うべき姿だった。
近づいてみても特に違和感や吸い寄せられるような感覚もなく、触れてみたが、空気に触れると腕何もないが、腕が物体に入っていき、慌てて引き抜いても手は何も変わってなかった。
『現実』
Mission Object
入ってみる。
→やめて家に帰る。
どう考えても罠かここへ入らないと話が進まないように見える状態だった。
→入ってみる。
やめて家に帰る。
Next select
飛び込む
→慎重に足を踏み入れる。
選択があるゲームをいくつかしたことがあるけど、選択の次に選択があるのは面倒だ。
→飛び込む
慎重に足を踏み入れる。
何にしても勢いが肝心だと思ったわたしは飛び込むを選択した。
兄は何も言わずに真剣な表情で、わたしが声をかけても返事をしませんでした。
ある意味気楽だが、黙っている男と言うものは少し怖いものだ。
この後からが本格的に大変だったし、話が長くなるし、一度一休みする。
ここで遅れてタイトルロゴが出てきた
「こんぐろまりっと! Universe」
『ゲーム』
あの女性が何者かわからないけど、この物体が女性が言ったものかもしれないが、解らないことは多いが、異常事態が起きていることは確かで、真白がいるかもしれないと思い、僕は勢い良く物体に飛び込んだ。
真白は家に帰っているかもしれない、寝ぼけているのかもしれない、何が起きているかわからないが、僕は手掛かりを求め勢い良く足を踏み入れた。