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Star gazer -黒と白-  作者: angel⑨(nineball)
2/2

壱  no happiness

最初の話は、とても暗めに

いつもの朝。

いつもの朝日。

いつもの場所。

そして、




















いつもの血生臭い匂い。

























戦場には、虚ろな目をした少女が一人。

残りは皆屈強な男共である。


時は拾七世紀。


まだ魔女狩りなどが行われていた時期。


そんな世の、この場所。

イギリス辺りのこの場所。

この場所には、まだ魔術信仰が残っていた。


そんなこの場所には、ある戦争が起こっていた。

今で言う民族紛争。

<ニンゲン>と<星の子>との、戦争。























実際の所、<星の子>には何の非も無いのである。


<星の子>は、この場所で行われている魔術信仰の中でも、特に星空を魔力の源と考え、信仰している種族のことである。

彼らは、他の信仰者を非難したりだの、巡礼妨害だのはせず、ただひっそりと暮らしていた。


なのに、<ニンゲン>は<星の子>の魔力は我等と比べて高いからいつか皆殺しにされる、と全面戦争を押しかけたのだ。


身勝手にも程がある。


話を戻す。

戦場の少女には、名前が無い。

いつの間にかこの場所にいて、この場所で戦わせられていた。

彼女は、<星の子>と戦う、否、殺し合いをすることを嫌っていた。

いつか分かり合える、彼らもそれを望んでいる。

そう言った時も彼女にはあった。

しかし、彼女に帰ってきたのは、暴力と罵声。

いつしか、彼女は口を開かなくなった。

彼女は泪を流さない。

彼女は弱音を吐かない。


だけれども、心は泣いている。

心は弱音を吐いている。


彼女は壊れていく。徐々に、そして徐々に。






彼女は<星の子>を見つける。

殺し合いを始める。罪悪感を心にしまいこんで。

少女は身の丈に合わないほどの大剣を振るう。無表情で、しかし心は今にも泣きそうになりながら。

相手の顔なんて判らない。

吐き気しかしない。

大剣を振るう。

前さえ見えない。

「……い…たい……」

少女が口を開いたのは、首の付け根から鎖骨の辺りまでを切り裂かれた時である。

続けて横腹から腹のど真ん中まで。


鮮血が辺りに飛び散る。

ここら一帯は森だが、今その森を見たなら、緑より紅の方が目立つくらいに。


意識が朦朧としだす。

他の<ニンゲン>は、彼女の周りにはいない。他の相手を見つけたからか。












彼女は、笑っている様に見えた。

さあ、気分が悪くなるなら逃げましょう。評価ヨロです。

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