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詩 彼が塾に通うって

作者: WAIai
掲載日:2026/06/16

「あ」

「どうしたの?」


下校途中、急に彼が足を止めたので、私は驚いて見つめる。


二重まぶたの大きな瞳。

自分ては意識していないのだが、彼の瞳に吸い込まれそうだった。


そんな彼がとある場所を指差し、答えてくる。


「俺、塾に通うことになるかもしれない」

「え…塾!?」


私はびっくりし、うさきが飛び跳ねたみたいに、身体を反応させる。


彼は鋭い目つきで周りを見回してくれたが、注目する人はおらず、ほっとする。


「ここの塾、この前、親と見学に行ったんだよ」

「そ、そうなの…? でもそんなにテストの点が悪いわけじゃ…」

「そうなんだよな」


2人で塾を凝視する。

国公立大学進学率1位と書かれた文字に、何故か不安がわきあがる。


彼は文系が得意らしく、よく名前が貼り出した紙にのっているのだが、数字や化学といった理数系が苦手のようだった。


私的には、答えが出てすっきりす理数系のほうが得意なのだが。


「私が教えようか?」


勝手に口が動いたのだが、彼は静かに首を横に振る。


「駄目。お前には、お前の勉強法があるだろう? 俺に合わせるな」

「でも、その、2人の時間が…」

「大丈夫。夜だから、下校は一緒にできるし」

「そうなの? それならいいけど…」


私は答えると、長い髪を指に巻きつける。

本当はずっと2人でいたかった。


「どうした? 不安か?」

「不安に決まっているでしょう!! 私、その、あなたとの時間を大切に、楽しみにしているんだから!! …あ」


言い過ぎたかと思い、顔を真っ赤に染める。

彼は嬉しそうに破顔すると、頭をぽんぽんと叩いてくる。


「そうか。そんなに俺といたいか?」

「いたいに決まっているでしょう!!」


ずるい質問に、正直に答えると、肩を抱かれる。

驚いたが、私も彼を感じたくて、ゆっくりと背中に腕を回す。


頑丈な身体。彼女としては、最高のパートナーである。


塾もいいけど、私を淋しくさせないでね。



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