選ばれしもの
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帝国の皇太子に出会ったルクスはどうなっていくのでしょうか!
森を抜けた先で、野営の準備が進んでいた。
焚き火の音。
静かな夜。
ルクスは少し離れた場所に座り、剣を見つめていた。
「……さっきの、何だったんだ」
体は覚えている。
だが、理解が追いつかない。
速かった。
いや——速すぎた。
視界の端。
半透明の画面が浮かぶ。
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【祝福】
名称:■■■■■■■■
加護種別:???
権能:部分解放
適合率:100%
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名前だけが、相変わらず読めない。
「……悪神、ね」
自嘲する。
その時。
「違うと思う」
声がした。
振り向くと、ユーヴァスが立っていた。
護衛もいない。
ただの少年として。
「君の動き。あれは訓練ではない」
ユーヴァスは焚き火の光を見つめながら言う。
「才能でもない。もちろん才能はあるんだと思う。しかし今回の動きは違う」
「……じゃあ何だよ」
「“適合”だ」
その言葉に、ルクスの心臓が跳ねた。
ユーヴァスは続ける。
「帝国には、適合者がいる」
「神と共鳴する者」
「だが——」
彼は少しだけ笑った。
「君ほど完全な反応はほとんど見たことがない」
適合率:100%。
ルクスの脳裏に、表示がよぎる。
「……なんで、そんなこと分かる」
「私も、同じだからだ」
空気が変わる。
ユーヴァスの足元に、淡い光が揺れた。
地面の草が、静かに波打つ。
圧ではない。
だが——圧倒的な“格”。
「帝国では、力こそが価値ではない」
「武、知、律、工、商……それぞれが国家を支える」
「そして私は——政の適合者だ」
言葉が、重い。
嘘ではないと分かる。
「ルクス」
ユーヴァスは真っ直ぐ見た。
「王国は、君を捨てた。違うか?」
ルクスは沈黙を続ける。
「だが帝国は違う」
静かな断言。
「価値は、他人が決めるものじゃない」
「君自身が証明するものだ」
ルクスの胸が、わずかに熱くなる。
その瞬間。
視界の端。
祝福画面が、わずかに変化した。
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【祝福】
名称:■■■■■■■■
加護種別:光(仮)
権能:部分解放
・光速歩(NEW)
適合率:100%
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「……変わった?」
思わず呟く。
ユーヴァスは微かに目を細めた。
(やはり——)
確信する。
この少年は。
帝国の未来を変える、いやこの世界の未来をも。
「来い、ルクス」
焚き火の向こうから手を差し出す。
「アストリア帝国へ」
遠くで夜風が鳴いた。
運命は、もう止まらない。
さあさあこの物語に光が差し始めました。ルクスは新たに手に入れた能力をもって帝国に向かいます。そこでどんな仲間と出会うのか。適合とはなんなのか。楽しみですね!




