邂逅
設定とか内容考えるのめちゃくちゃ楽しい!今回は視点が変わって新たな人物が登場します!
森を抜ける風は、どこか冷たかった。
アストリア帝国次期皇帝——ユーヴァス・アストリアは、馬上で静かに前方を見据えていた。
年齢はまだ十。
だが、その瞳には年齢に似合わぬ落ち着きが宿っている。
今回の訪問は、正式な外交ではない。
父である皇帝が病に伏して以来、帝国は静かに揺れている。
だからこそ、彼は自ら動く必要があった。
「殿下、もうすぐ王国領です」
護衛の声に、ユーヴァスは小さく頷く。
その瞬間。
空気が、裂けた。
「——伏せろ!!」
地面が爆ぜる。
黒い魔力の刃が走り、護衛の一人が吹き飛ばされた。
「次期皇帝だ! 仕留めろ!」
森の影から現れたのは、刺客。
統制の取れた動き。
ただの盗賊ではない。
(……内部情報が漏れている)
ユーヴァスは瞬時に判断する。
護衛が迎撃に入るが、数が多すぎた。
包囲が狭まる。
剣を握り直したその時。
「……下がれ!」
声が響いた。
若い声。
振り向けば、一人の少年が立っていた。
粗末な旅装束。
だが、目だけが異様に澄んでいる。
「危ないぞ!」
護衛の叫びを無視し、少年は前に出た。
剣を振るう。
技はない。
だが——速い。
一人、倒れる。
二人目。
しかし、数に押され始める。
「くっ……!」
その時だった。
少年の視界に、淡い光が浮かぶ。
——《条件確認》
——《初期権能の部分解放を開始》
(……また、これか)
理解できない表示。
だが、拒む理由もない。
「……来い」
世界が、わずかに遅れた。
風の音が引き伸ばされる。
体が軽い。
「な……!?」
少年の姿が消えた。
次の瞬間、刺客の背後。
閃光のような一撃。
「速……すぎる!」
敵が崩れ落ちる。
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【ステータス更新】
権能:部分解放
《光速歩》取得
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最後の刺客が撤退し、森に静寂が戻る。
少年——ルクスは、荒く息を吐いた。
自分が何をしたのか、理解できない。
その前に、ユーヴァスが歩み寄る。
同じ年頃の少年。
だが、その立ち姿には自然な威厳があった。
ルクスはすぐに片膝をつき頭を下げた。
「助かった。礼を言う。頭を挙げよ。」
静かな声。
「……名前は?」
少し迷ってから、答える。
「……ルクス」
ユーヴァスは、その名を繰り返した。
「光、か」
(振る舞い自体は教育の受けた貴族のようだが...なぜこんなところに一人でいるんだ?)
微笑む。
「私はユーヴァス。アストリア帝国の——次期皇帝だ」
ルクスはその威厳に納得していた。
だがルクスは、驚きより先に別の感覚を覚えた。
視界の端。
祝福表示が、微かに揺れる。
名称:■■■■■■■■
文字が、一瞬だけ光った気がした。
「ルクス」
ユーヴァスが真っ直ぐに言う。
「君は、帝国に来るべきだ」
その瞬間。
運命が、静かに動き出した。
さてこの邂逅がどのような影響をルクスに与えるのでしょうか。徐々に明らかになっていくルクスの能力も楽しみですね!
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