01_02 アイムフレンドリー!
「うほほほ~ぅ!!!」
あ、今のは俺の声です。
え~、信じられないかもしれませんが...
俺、猿になったっぽいです。
そんでもって目の前には、俺そっくりな猿がいます。
き、君はもう一人の僕!
「ぐるる...」
...そんなわけないっすよね。
ていうか相手の猿めっちゃ警戒してるのがなんとなくわかるぞ。
とりあえず、なんとか警戒を解きたいが。
「うほうほっ!うほほ~!」
落ち着け!敵じゃないぞ~!という気持ちを載せて吠えてみた。
「うほ...」
おっ!効果あるっぽいぞ。
いけるいける!へ~い!アイムフレンドリー!
ちょっと余裕が出てきたし、相手を観察してみよう
顔は...まぁ普通に猿だよね。俺よりちょい優しめな感じ。
おいおい、俺より胸筋あるじゃねぇか。いいな~。
そのまま視線を下にずらしていくと、あることに気づいた。
ない...
こいつ、リトルサンがねぇじゃん!
メスだったのかよ!?
しげしげと見つめていると、メスの猿が近づいてきた。
わわっ、近づかれると迫力すげぇ。
そのまま匂いを嗅がれる。
あの~、ちょっと恥ずかしいんですけど...
すぐに解放されると、メスの猿は一歩離れて立ち止まる
これは、俺にも匂いを嗅げと言ってるのか?
とりあえず同じようにしてみる。
すんっすんすん... グゥ~ッド!
頭の中に浮かんだ変な眼鏡のばあさんを追い払いながら、獣って思ったほど臭くないんだなと考えた。
まぁ、思考回路が猿用にチューンされてるだけかもしれないけど。
そんなことを考えていると、メスの猿が...
言いづれぇや。あいつのことはベッツィーって呼ぶことにしよう。
ベッツィーが木に登って俺を見てくる。
ついてこいってやつか?
とりあえず登ってみるか。
幹を蹴って枝に手を伸ばす。おおっ!意外と登れるもんだな!
その後も、少し進んでは俺を見てくるベッツィーの後をついて行った。
あ、この枝どうしよう... ずっと持ってきてるよ...
ふと地面を見るとつる植物が生えている。
...この枝捨てるのもなんか違うよな。もう相棒みたいなもんだし。
地面に降りてつるをむしる。うん、いい長さだ。
腰に巻き付け縛ったら、体とつるの間に枝をはさんだ。
ええやんええやん。
不思議そうな顔で見てくるベッツィーをよそに、俺は剣士みたいでかっこいいな等と考えていた。
暫くベッツィーについて森を進んでいくと、
そこにはたくさんの猿が待ち構えていた。
ベッツィーが仲間になった!
------
ここまで読んでくださりありがとうございます!評価、感想などいただけると執筆の励みになります!!