表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猿人転生  作者: 468◇
転生しちゃったよ...
1/3

01_01 プロローグ

初の連載作品となります。この作品は、作者の想像上の歴史、生態、植生が多分に含まれます。ご了承ください。

「はぁ...暑いな...」

言っても状況が良くなるわけでもない、無駄な独り言を呟きながら歩いている男。それが俺だ。

俺の名前は佐藤一郎。どこにでもいるフリーター...

というかニートだ。未だに親のすねをかじって生きてます。母ちゃんごめんよ。

家族は両親と妹、そして俺の4人だ。家族はみんな優しくて、妹は俺と違ってめちゃくちゃ頭がいいんだ。それに対して俺は、なんとなく近所の高校に通い、なんとなく不登校になって、そしてなんとなくニートになった。

専業主婦をしてる母は、やれ仕事を探せだの趣味を作れだのと口うるさくいってくる。

だがそれが世間体を気にしてではなく俺への心配からの行動だってことは、頭の悪い俺にもわかってる。

そんな母から、人間なんだからせめて週末くらいは外に出てらっしゃいと半ば追い出されるように外出を促された。

仕方がないので大通りに向けて歩くことにしたのだが、ニートの俺は、夏の暑さと足の痛みによって体力の限界が近かった。

...4か月ぶりに出てきたかもしれない。

気が付くと、博物館の前まで来ていた。

昔、家族に連れられて来たことがあったなと思い出す。

これ以上歩くのもつらいし、久しぶりに入ってみるか...


受付のおばちゃんにお金を払うと、パンフレットと小さな飾りのついた革紐のネックレスを渡される。

「何すかこれ?」

「あぁ~今ねぇ、人類の進化展ていうのやってるのよ。それの入場特典よ~。」

そう言っておばちゃんはテレビを見始めた。


手に持ったネックレスを眺める。

打製石器の飾りて... 手とか切ったら危ないでしょ。

ポケットにしまい、順路に従って進んでいく。

それにしても人類の進化か。中学のときにちょっと習った気がする。

北京原人とかネアンデルタール人みたいなやつ。


展示スペースには頭蓋骨の模型や復元した人形などが並んでいた。

最初に並んでいるのは...

猿人っていうのか。

多少前かがみではあるが、2本の足で立っている。

体毛は濃ゆくてチンパンジーみたいだ。

説明書きによると、猿人は約700万年前から130万年前まで生息していて、森林地帯に暮らしていたらしい。

看板の隅の方には触ってみようとの一言が。


俺、こういう体験型の展示物好きなんだよな。

何気なく猿人の模型に手を伸ばした瞬間...

突然、視界が真っ暗になった。


...

..

.


気が付くと、鬱蒼とした森の中にいた。

え?猿人は?てか博物館は?まじでここどこ!?

周りを見渡していると、自分の腕が視界に入った。

...俺の腕、こんな毛深かったっけ?

おそるおそる自分の姿を確かめてみた。

毛むくじゃらの手足、ぶら下がるマイサン。

「うほっ?」

わっ、驚いた拍子になんか変な声出た...

森林で素っ裸、めっちゃ剛毛な体、それにこの声(鳴き声か?)...


俺...

猿になってね!?

「うほ~~~~っっっ!!!!」

これ、もしかして転生ってやつ?

異世界トラックは?女神さまは?転生チートはどこに?

焦りつつも何かないかと周りを見てみると、足元に見覚えのある首飾りが。

これ...おばちゃんにもらったやつじゃん。

とりあえず首に掛けとこう。

...体毛が濃いからネックレスが埋もれて外からあんまり目立たないな。べつに目立つ必要ないけど。


人間だったときの唯一の思い出(そんな思い入れないけど)を身に着けた俺は、周りを探索することにした。

近くに落ちていたちょうどいい長さの枝を拾い上げる。

よし、こいつに運命を掛けよう!頼むぜ相棒!!

地面に立て、手を離すと枝は左に倒れた。

...左に進もう。

枝を振りつつ5分ほど歩くと、大きな川を見つけた。

早速水辺を発見するなんてラッキー!

せっかくだし、水分補給しつつ、自分の姿を確認するか。

「うほ~...」

かんっぜんに猿。しかもチンパンジーとかああいう系の奴。類人猿だっけ?

それにしても俺、立つの上手いな。

くだらないことを考えていたその時、

がさり

俺の隣に、真っ黒な塊が現れた。

「うほほほ~ぅ!!!」(ぎゃ~~~!!!)

俺の情けない(鳴き)声があたりに響いた。

イチローは、ちょうどいい枝を装備した!

------

ここまで読んでくださりありがとうございます!評価、感想などいただけると執筆の励みになります!!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ