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佐々木愛の日常2 side 佐々木 愛

愛目線は思った以上に長くなりそうです……

 土日は返事も既読もつかないメッセージを送り続けていた。それをすることで自分の気持ちを落ち着かせるように。


 そんな馬鹿なことをしていたら、いつのまにか月曜日になっていた。月曜日はいい日だ。だって!和也と会えるんだもん!


 今日は早めに起きることができた。早速準備をして、家を出る。

 今日は直接駅に向かうのではなく、和也の家に向かう。もちろん、和也と一緒に学校に行きたいが、嫌われてしまった私にはそんな資格はない。

 でも、和也のお世話は私がするんだから、和也がいつ起きて、いつ準備して、いつ家を出るのかは確認しないとね。


 和也の家は歩いて10分くらいだ。まだ、朝の7時。人気はあまりないが、私は怪しまれないように和也家の近くにある公園に行く。ここからなら、ギリギリ和也の部屋の様子を確認することができる。

 まあ部屋の様子といっても、電気がついたとか、窓を開けたとかしか分からないけどね。それでもいい、和也の動きを確認できるのなら。


 私は目立たないように本を読んで過ごす。もちろん、和也の部屋を10秒に一回くらいは確認して。

 しかし、私の目立ちたくないという願望は私のせいによって叶わないみたいだ。


 朝、美少女が公園で本を読んでいたらどうなるだろうか?


 めっちゃ、見られます。チラチラと見る人から、じっと網膜に焼き付けている人までいる。勘弁して欲しい。私は目立ちたくないのに。

 これからは目立たないように変装する必要があるみたいだ。


 目立つから、ここから立ち去ろうと思ったがその瞬間、部屋の電気がついた。

 咄嗟に時間を確認する。


 7時20分だった。私はそれをメモする。


 2022年9月12日 7時20分 起床


 もっと、詳しく書きたいなー。朝起きたら、何するの?顔を洗うの?歯を磨くの?着替えるの?髪の毛を整えるの?


 あっ!そっかー。部屋にカメラをつければいいんだー。


 私はとうさ……じゃなくて、愛情カメラを調べようと思った。しかし、学校に行く前だったためスマホを持っていなかった。帰ればすぐに調べることを心に誓って、和也の見守り続ける。


 それにしても今日は起きるのが早いと思うな。学校に来ている時間からして、8時ぐらいに起きていると思っていたんだけどな……

 今日はたまたま目が覚めたのかな?


 私が朝ごはんを作って、食べさせてあげるのに。私の手料理を食べれるなんて、とても幸せだよ?


 そんなことを考えていると、和也の部屋の電気が消えた。そして、しばらくして玄関のドアが開かれた。

 すると、開かれたドアからは和也が出てきた。咄嗟に身を隠す。そして、時間を確認し、メモする。


 2022年9月12日 7時37分 登校


 家を出るのが早いよね?どう考えても。

 どうしてだろう?

 何かあるのかな?


 私が今考えても思いつかない。和也は学校に行ったし、私も学校に行こうと思う。

 途中、なんかキモいおっさんに話しかけられた。私は優しいので笑顔で話しかけないでくださいといい、駅に向かっていった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 学校の近くになると相変わらず、話しかけてくるやつが多い。まあ、女の子の場合はうまく話を合わせないと、また昔みたいになるからね。

 あぁ、でも、そうなったら、また和也が助けてくれるかも。


 それは凄く幸せだなー。でも、今の和也なら私のことなんて無視するかな?そうなったら、立ち直ることができない。


 また、思考回路が暗い方に行ってしまった。しかし、和也を見たらこのくらい気持ちもなくなるに決まっている。


 えっー、名前を忘れた、伊藤の取り巻きとの会話というか、自慢話を聞かされて、うんざりしながら教室に入る。


「えっ?」


 教室に入った瞬間、本能的に和也の席を見る。そこには信じられない光景が広がっており、つい声が出てしまった。


「どうか、した?」


 チャンスだという勢いで、伊藤が私に話しかけてきた。しかし、わたしはそれの相手をするほどの暇も、余裕もなく、思考が駆け巡っていく。


 どうして、和也がどこの誰か分からない、女と一緒にいるの?一体、何をしている?

 和也は私のだよ?私以外の女と話すことも目を合わすことも許さない。


 何秒くらい、ぼっーとしていただろうか?

 それすら分からないくらい、時間感覚がないが和也が私の方を見ていることに気がついた。

 咄嗟に目を逸らしてしまった。いつもなら、私の方から目を逸らすことなんて、絶対にない。しかし、私は今の和也を見ることができなかった。


 女と一緒にいる和也なんて、見たくない。


 気が動転しながらも、なんとか席に座った。こんな私の様子に気がついてか、伊藤やその取り巻きも一緒についてきた。


「本当に大丈夫?」


 うるさいな。


「体調が悪いの?」


 うるさいな。


「顔色が悪いよ」


 うるせぇよ。


 危なく、今のセリフを声に出してしまいそうだった。しかし、そんなことをするとダメだ。

 私はお淑やかで、誰にでも優しくしなければならない。だって、和也と約束したんだから。


「心配してくれて、ありがとう。少し体調が悪いけど、大丈夫だよ」


 気合いでなんとか、泥棒猫と伊藤たちへの怒りを抑えて答えた。


「でも、ちょっとしんどいから、そっとしておいて欲しいな」


 少し気だるげな様子を装いながら、答えた。奴らは演技だと気づいていない。


「そうなんだー。凄いね!しんどいのに、頑張っていて」


「そんなことないよー。ちょっとだけだからね」


「いやいや!すごいって!」


 うぜぇー。どこか行けって言ったじゃん。

 女は褒めたら満足するとか思ってんのか?

 キモいやつに褒めらても、キモいだけだし。


「そんなことないよー」


 私はそう答えると、体を机に少し寝かせる。これで、寝たいオーラーを出す。これが効いたのか、やっと伊藤とその取り巻きたちは去っていった。

 このまま、寝たふりをすることにする。

 目を閉じて、耳を澄まして和也と泥棒猫の会話を聞く。


 ……

 ……


 どうやら、2人は勉強をしているみたいだ。しかも、生意気にも和也に勉強を教えてもらっているみたいだ。私すら、和也から勉強を教えてもらったことがないのに、それをポッとでの女に取られるなんて。


 私の中にある醜い部分が強くなっていく。

 それを慌てて否定するが、1度芽生えたそういった感情をなくすことはできなかった。そして、否定することのできないこの感情が次第にあの女に対する憎しみのみになっていく。


 あの女の今いる場所をどうやって、奪い取る?

 そっかー!あの女を消せばいいんだぁー。

 消すためには……


「愛!?どうかした?なんか、ブツブツ言ってるように聞こえるけど」


 はっ!と、顔を上げた。そこには梨乃が目の前にいて、私のことを心配していた。


 いま、私は何を考えいたの?消す?

 そんなこと、しちゃいけないよ。そんなことをしたら、和也に嫌われてしまうよ。


「大丈夫だよ。体調も良くなってきたんだけど、少し考えことをしていて」


「そっかー。なら、いいんだけど。なんか、最近あまり元気ないよね?」


 やはり、気がつかれていたか……

 梨乃は人の考えとか、気持ちとかを汲み取るのが凄く上手だ。会ってから半年も経っていないけど、彼女のそういうところは本当にすごいと思っている。


 私の醜い気持ちを知られるわけにはいかない。なんとか、誤魔化さないと。


「そうなんだ。体調が悪いことが多くて……」


「えっ?そうなの?大丈夫?」


「うん。大丈夫だよ。最近、涼しくなってきてるでしよ?それがダメなんだー。季節の変わり目は体調を崩すんだよね」


 変に誤魔化すのではなく、元気がないことを肯定する。そして、元気がない理由を創り上げる。

 こうすることで、変に疑いかけられることはないだろう。


「そうだったんだね。今はもう大丈夫なの?」


「うん。だいぶ、楽になったよ」


 梨乃は苦笑いしながら、伊藤とその取り巻きがいる方向を見る。


「愛は人気だからね。朝から絡まれていたよね?」


 私はさっきまで、押さえつけていた感情を少し解き放ちながら


「そうなんだよ!もう少し、私のことを考えてって感じだよ!」


「そんな怒っていたんだね……じゃあ、これからはあたしが助けるね」


 梨乃は私が怒っている姿に驚いている。まあ、私は怒らないことを信条にして生活しているからね。


「えっ?ほんと?それは凄く助かるよー」


「うん。あたし、そういうのん得意だから」


「知ってるよ。頼りにしているね」


 梨乃は処世術がうまく、上手にコミュニケーションをとっている。その辺りは私がうまくできなかったことだった。

 だから、本当に頼りにしている。

 まあ、本当は和也に助けてもらいたいけど、それはもう叶わない願いだ。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 朝から気分の悪いものを見て、ぶつけようのないイライラが溜まっていた。それを誤魔化すように授業に集中した。

 集中していたらいつのまにか、お昼休みだ。


 いつも通りに梨乃とお弁当を食べる。

 和也はまた、1人みたいだ。やっぱり、クラスメイトから避けられている感じがする。

 これは私が作った結果なのだから、私が助けるべきなんだろう。でも、そんな勇気もなく。私にはただ、和也を見守ることしかできない。


 そんなひとりぼっちの和也に対して、話しかける人がいた。また、あの泥棒猫だ。

 私は2人の会話に耳を傾ける。


「宮野くん!一緒にお昼ごはん食べよ!あっ、勉強のお礼にお菓子買ってきたよ。後で食べよぅ」


 泥棒猫はそう言った。それを効いた瞬間、立ち上がって一緒に食べるのを止めようと思った。しかし、なんとか理性で踏みとどまることができた。


 和也に近づくなんて、ずるい。羨ましい。そこを代わって欲しい。

 和也は私以外の女と会話してはいけないんだよ?それを私に見せつけるように、楽しそうにして。


 私が嫉妬で狂いそうになっていると


「そうなんだー。じゃあ、卵焼きあげるよー

 はい。口開けてー」


 泥棒猫は自分の箸で卵焼きをつかんで、和也に食べさせようとしていた。

 この光景を見た瞬間、立ち上がってしまった。


 何も考えずに、急に立ち上がってしまったため大きな音が出た。そのせいで、和也にもクラスメイトにも見られている。

 しかし、そんなことを気にせずに泥棒猫を睨んでしまった。数秒間、怒りと嫉妬に頭が支配されたが、なんとか理性が冷静さを取り戻してくれた。


 私は何事もなかったかのように椅子に座る。


「何かあったー?」


 座った私に梨乃が質問した。

 そりゃ、そうなるよね。あんな奇行に出たら。

 まあ、本当のことは言えないから適当に誤魔化す。


「窓の外に何か見えた気がしたんだよねー」


 もちろん、窓の外は何事もなくいつも通りの風景が見ている。これで上手く誤魔化せたとは思っていないが、仕方ないだろう。


 その後も和也は泥棒猫と楽しそうにお話ししていた。私は梨乃や男子たちと会話していたが、目線や意識が和也の方を気にしてしまう。なんとか、梨乃たちと喋りながらも和也たちの会話を聞く。


 どうやら、2人は放課後にも勉強をするみたいだ。和也のことを勉強を教えてくれる便利な道具としか思っていないな。あの泥棒猫は。


 これは監視するしかない。

 2人が何事もなく勉強するのなら、百歩いや、百億歩、譲って許せる。しかし、もしも和也を傷つけるようなことをしたら、絶対に許さない。

 だからそのための、か・ん・しが必要だよね。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 今日の授業が終わり、放課後になった。

 梨乃は部活に行って、私も帰るふりをしたが教室に戻ってきた。

 クラスメイトたちが帰った教室に2人の男と女がいる。


 和也と泥棒猫だ。


 この2人を見ているだけで、気が狂ってしまいそうだ。でも、なんとか理性を保って2人の様子を見る。

 私の予想とは違い、普通に勉強しているだけだ。しかし、2人が一緒にいるところは何が起こるか全て確認しなければならない。だって、私は和也のお世話をするんだから。


 教室で勉強しているところを誰もいない廊下で見守る。たまに先生や生徒がやってくる。しかし、幸いにも話しかけられることもなく不思議そうな顔をしながら、去っていく。

 流石に声を出すとバレてしまうため、話しかけられるのは勘弁して欲しかったから、助かっている。


 何時間たっただろうか?

 2人は勉強道具を片付け始めた。

 腕時計を確認すると18時を過ぎたあたりだった。2時間以上も一緒にいたなんて妬ましい。


 あの女は和也をどう思っているのだろう。

 ただ、利用しているだけならまだいい。もし、好意や悪意があって近づいてきたなら、処理しないとね。


 2人が教室から出てくる。私はバレないように先に階段に向かう。

 私は目撃されないようにコソコソと階段を降りていく。2人は1階で別れた。和也は自転車で、泥棒猫は電車なのだろう。


 和也の後を追いたかったが、自転車の和也を追うことはできない。私も自転車通学にしたいと思ったが、母が許さないのだから、どうしようもない。


 私も駅のほうに向かう。数十メートル先に泥棒猫がいる。どうやら、勉強が終わったらそのまま帰るみたいだ。

 泥棒猫の後ろ姿を見て、話しかけることを決心する。私はこの女の真意を聞かなければならない。


 あれ?てか、この女の名前と知らないな。

 なんだっただろう。今日の昼に梨乃が教えてくれたんだけどな……


 あぁ、思い出した。高島だ。

 高島 美歩。


「高島さん。ちょっといい?」


 前に歩いていた、泥棒猫に話しかける。彼女は後ろを振り返り、私の顔をみる。見た瞬間、訝しげな表情をした。


「佐々木さん?私に何か?」


 何を話すか、考えていなかった。


「特に用とかはないんだけど、ちょっと聞きたいことがあって」


 私たちは歩きながら、喋り始めた。泥棒猫は私のことなんて全く気にしない様子でどんどん歩いていく。さっきより歩くのが早くなったように感じる。

 同姓とはいえこんな扱いは久しぶりだ。


「そう。聞きたいことって?」


「貴女、どうして宮野くんに近づいているの?」


 泥棒猫は宮野くんという言葉に反応して、立ち止まる。そして、私のことを睨みつける。


「佐々木さんには関係ないでしょ?佐々木さんには!」


「えぇ、私には関係ないわ。でも、貴女のその態度は何?」


 私も感情的になって喧嘩腰になる。そんな私に対して、彼女はさらに怒りをぶつけてくる。


「あんたこそ、その態度は何よ!?私は宮野くんと一緒にいたいだけ。それを止める権利を貴女は持っているの?」


 和也と一緒にいた時はもっと、お淑やかだったにも関わらず随分と態度が悪いことで。猫を被っていたのね。泥棒猫だけに。


「そう。貴女の言い分は分かったわ」


 そう言い放つと早足で近くのコンビニに歩いていく。さすがにこのまま駅まで一緒に行くのは気まずい。だから、駅で鉢あわないように時間を潰す。


 それにしても、これで彼女が和也に近づいた理由がわかった。この女は和也が好きなんだ。それで勉強を教えてもらうっていう理由で近づいた。


 すなわち、私の敵だ。


 でも、あのクソ女に何かすることはできない。だって、和也はそういう行為が嫌いなのだから。


 それでも、敵であることは変わらない。なんとかしないと。


 和也のことは私が守ってあげないと。


感想とか貰えるとありがたいです。ストーリーや書き方が正しいか分からないです。迷走中です

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