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雅屋というお店で菓子折りを購入。明日の夜の屯所宿泊代代わりの菓子折りも買ったのにしれっとネビーに支払われた。
照れ顔で「家族以外の女性に奢ることが無かったので楽しいというか嬉しいというかなんとやらなのでさせて下さい」だって。
貢がせ女性にはなりたくないと告げたら「予算は決まっているので過剰は無理です。梅膳と同じです」という返事。
ロイや彼の友人達——ネビーももう友人——に聞いてこういう相手が出来た時用の貯金をしていて費用があるし、このくらいなら良いみたいな基準もあるそうだ。
ジエムは急に腹が減ったから何か食べようと言い出して拒否しても連れて行かれて「お前、払っといて」だったので落差が激し過ぎる。
ジエムを基準にしたらそこそこ悪い男でも彼よりマシって腐った判断をしてしまうのは、家出してから5年も経てば理解している。でもネビーに対しては恋は盲目腐り目、ではないと思う。
「ウィオラさん? 俺なにか言うかしました? 急に眉間にしわが」
「いえ全く。比較したくないし思い出したくないのですがネビーさんが素晴らし過ぎて元婚約者の悪行が蘇って腹立たしいだけです。ずっと忘れていましたけど彼はこうだったけどネビーさんは違う、みたいに」
「おお。そういうことですか。俺にその顔を向けられたら怖いというか凹むというかしょぼくれそうです」
私は首を横に振った。
「そういう日はきません」
「いやありますよ。喧嘩無しなんてことはないでしょうから」
「どういう喧嘩をすると思いますか?」
「んー。俺は忘れっぽいのでそのことで怒られたりしそうです」
「それだとすみませんとかごめんと言われて終わりで喧嘩にならなそうです。大切なことは過ぎたり終わったことをほじくり返したり非難しないで改善策を考えたり挑戦することです」
「疲れ過ぎて待ち合わせを忘れて長時間放置したら謝罪ではおそらく気分はおさまらないですよ」
つまりそういう前科があるのね。
「それなら待てるだけ待って伝言を残して帰るようにします」
「昨日の朝の調子だとウィオラさんのことだと忘れても覚えてそうですけど念のため。待ち合わせの予定はないですけどね。デオン先生のところで暮らすなら迎えに行きますし、長屋暮らしならお隣さんなのであそこから一緒に出掛けますから」
「お互い仕事後にどこかへ、という時があるかもしれません」
「そんなの職場まで迎えに行きます。帰宅も勤務時間なので調整して。ああ、でも大捕物で残業とかあるからそういう時はすれ違いますね。おお、伝言を残して帰るか。行けたら行くとか突然誘われるとか、家族なら家で待ってろだし、忘れたらあのバカは忘れただろうから無視とか放置される。こっちも呑気に悪かったなと雑。大事な話が出来た気がします」
つまり……私は雑に扱いたくないということ?
私は小さく頷いた。景色が徐々に変化している。ルーベル家のある地域よりもより実家に近い雰囲気の地域だ。実家周りとは建物の形は違うけど敷地とか塀の高さなどが似ている。
「実家周りみたいです」
「広い家なんでしょうね」
「家族が暮らす部分はそうでもないです。居間もルーベル家を少し広くしたくらいですから。広さの理由は舞台とか離れ、住み込み部分や稽古部屋などです。氷蔵や蔵などもですね」
「個人宅に氷蔵があるんですか。ルーベル家のある町内会では共同の氷蔵です。長屋にはご存知の通り無いです」
「3区あたりから北東農村区にある山にある洞窟が氷の世界らしくわりと氷に困らないそうです。南地区では高い削り氷が安くて夏は大人気です。暖房でぬくぬくしながらももちろん大人気です」
「それは食べよう。ルルとレイにも教えておきます」
そんな風にお喋りしていたらデオン剣術道場にまもなく到着。このお屋敷には剣術道場が2つもあるそうだ。1つは成人門下生用、もう1つは未成年門下生用。
緩めの健康目的の稽古、1日2回ある未成年門下生の稽古、夕方からのみの成人門下生の稽古、出稽古などを行っていて月曜日と土曜日は基本的にお休み。
デオンは元地区本部兵官で煌護省から推薦兵官育成者に指定されているので兵官や兵官候補も通っているけど割合は少ないそうだ。
息子達2名も元地区本部兵官と地区本部兵官。元なのは教育関係を学んだ後にデオンの後継、推薦兵官育成以外になるべく退官したから。
次男が道場跡取りとして副経営者の1人で長男は将来は道場経営に関与したいのでまだまだ名を売ったり学ぶためだと地区兵官として上を目指し中。
成人門下生は基本は未成年門下生経由でしか受け入れていなくてその未成年門下生の稽古は厳しくて続く者は多くないらしい。
「今の俺は業務として稽古に参加することもあるし自主的に来たりします。今日は15時から始まる未成年門下生の稽古に先生の息子さんの補佐で参加してそのまま夕方からの成人門下生の稽古に自分のために参加します。もう年寄りなのに先生は化物みたいに強いし成人門下生の老耄達にもなにその動きっていう方がいるんです」
とてつもなく楽しそうなお顔をしている。
「華族で仕事は仲介商売系なのに通い続けていて強い方とか地区兵官にはなれなかったけど他の仕事に就いても続けてる人とか色々います」
「お顔がとても楽しそうなので道場通いは楽しいと伝わってきます」
「ここへ通うようになってもうすぐ20年なので祖父や父がここにもいるような感じですし兄貴分も沢山、弟分も沢山です。週1や隔週1日の方もいるけど俺は8歳の時から火曜と土曜以外は毎日通って、就職してからは指示された時以外は自由気ままにどうぞと言われてやはりかなり通っています」
「……稽古は結納お申し込み前に見てはいけないものなのでしょうか」
「他の門下生に連絡をしていないので。家族が見にくるならよかだけどウィオラさんの立場だと祝いはどうするとかあれこれ始まってしまうので結納しましたとか祝言日が決まったら祝って下さいとか説明しないと」
「説明されてみればそうです。浅はかでした」
見学したいとは嬉しいです、とネビーは照れ笑い。
私も私で「結納したらこういう良いところや悪いところを見て考えて欲しいです」という誠実な提案やなんでもないようなことを話しているだけで楽しいのでずっとときめき中。
こうしてデオンのお屋敷に到着してお屋敷の方に案内されてデオンの妻エレナに玄関近くの応接室に招かれた。
今日のお昼前に訪ねてくることはガイとテルルとネビーが昨日デオン本人に伝え済みなので「楽しみにしておりました」と歓迎された。
エレナは顔立ちは全く違うけど亡き祖母に雰囲気が似ていて懐かしさが込み上げた。
彼女はご挨拶後に少し退室してからすぐ戻ってきて私達と雑談。使用人らしき年配女性がお茶を持ってきてくれてしばらくしてデオンがやってきた。
70代らしいけど若々しく見えるし体格が縦にも横にもガッシリしていて圧が凄い。けれども目元には笑い皺で口角も上がり気味。うんと良い年の取り方をしているという印象を受けた。
「事情はおおよそうかがっています。おおよそというより貴女が話したこと全てでしょう。噂を聞いて昨夜こっそり妻と宴会の様子を見に行ったら予想外なことに屋根の上で芸披露。楽しませていただきました」
「……デオン先生と大奥様いらしてたのですか⁈」
「どんな方なのかと君の様子を隠れて見たいと思って。他の用事で6番隊にちらっと顔を出して半結納浮かれ会が開かれるみたいな話を聞いてな。息子達と孫達もいたぞ。2人の挨拶と見事な芸を見られたので帰ろうと土手に上がったら俺は律儀だと信用されないといけねぇんだよって。なあ、お前」
「結納まで触りませんとか大声が土手の上まで聞こえてきましたね」
「君がまさか桜の枝文とは。オーランド君やロイ君から学んだのか?」
つまり蛙に悲鳴をあげて半泣きも見られている。顔を両手で覆って隠したい。
「先生もご存知の通りお嫁さんはお嬢さんと思っていたのでロイさんや友人達がどう祝言まで至ったかとかを彼等からまあそれなりに」
「ロイ君の弟になって中流層の友人が増えたからな。君がその気になったら紹介したいという者は多かったので今回の話は青天の霹靂だ」
「仲人はテルルさんと私だと張り切っていたのに驚きしかないです。淑やかなだけでは気が合わなそうなので剣術小町とか考えていたのに残念。まぁ試しに会わせても興味無さそうだったけど」
「……子どもと女性中心に教えている剣術道場での稽古の手伝いってそういうことだったんですか? 数回で終わりだったから教え下手とかそういうことだと思って先生にかなり指導方法を学びたいとまとわりつきましたけど」
エレナは肩を揺らして「ふふっ」と笑った。
「ええ。お前のせいで疲れることになったと言われました。向こうから頼まれて簡易お見合いよりこの方が突っぱねられないないかなと。中官認定取得か末の妹さんが女学校を卒業するまでは余程のことがないと考えませんだったので」
「その余程があればあっさりなので驚いている。考えてみれば自分に素直なのは昔からだ。土曜の夜に出会ってもう結納したいです。まあ結納の内容は結婚お申し込みみたいな内容だからおかしくはない。一目惚れして調べて殴り込むのは珍しい話ではないからな。今回みたいな内容だと仮結納とも呼ぶぞ」
そうなんだ。私の暮らしていた世界というか私の友人達ではそういう話を聞いたことがない。
「ええ、ルルがたまにされています。仮結納は聞きました。祝言がほぼ決定ではないからと。そのまま結納なしで祝言したら結納品の代わりに祝言品にしたりすると。前祝言でしたっけ? 本来の結納みたいな宴席を設けたりするって」
またしてもそうなんだ。結婚お申し込みだとお申し込み側だけが「他の方とは縁結びしません」という口約束。
その次が飛ばされることもある半結納で「お互い他の方とは縁結びしません」という口約束。
さらに次は「契約書をしっかり交わしてお互い他の方とは縁結びをせず祝言までの条件や祝言後の生活などを決めていきましょう。その間に綻んだら縁無し」という結納になり最後は祝言。
私とネビーは「お互い他の方とは縁結びしません」と「ネビーの立場と私の素性確認も兼ねて結納契約書を交わしたい」と「祝言までの条件や祝言後の生活などを決めていきましょう。その間に綻んだら縁無し」だけどまだ「お見合い段階みたいに気が合うか確認したい」でもあるので結納破棄は犯罪以外は無賃で結納品も無し。片方が嫌だと言ったら通常の結納より破棄が簡単な契約内容になっている。確かにこれは仮結納と呼ぶかも。
世の中には色々なお見合い結婚があると聞いていたけど花街ではその知識は増やせなかったので勉強になる。
「その通りだ。ルルさんは弟子達の誰かと気が合いそうなのに君が兄弟門下生はもう嫌だとうるさいから」
「いや、俺だってこの方なら渋々だけどよかだと思う方はいます。だけどもう他の女性がいるとか噛み合わないんですよ。ルルもルルで私は惚れっぽいから卿家の方ならきっとどなたとでも、みたいに言っていたのに蓋を開けたらオババだから嫌がられてそうで嫌だとか、逆に華族? とか雅な兵官や雅な大工がよかとか言い出して」
ネビーは呆れ顔をして肩をすくめた。ルルはそのような感じなのね。
「君は親でもないのにずっと昔から子煩悩だし既に経験値が結構あるから良い父親になると思うぞ」
君は、と口にしたのにデオンはチラリと私を見たしエレナなんて私を見据えて微笑んで軽く頷いた。つまりそういうこと。
ここでもなぜか「貴女と上手くいって欲しいです」と望まれた。なぜかではなくて私にはその価値がある、という考え方が大切。それが多分ネビー流。
「下の妹達からちび親って言われています。うるさい、世話焼き、妹バカに親でもないのにとか。妹バカの自覚はあります。物心ついたら兄ちゃんと懐かれていてどんどん増えたらそりゃぁかわゆいです。娘はなるべく欲しくないです。5人も嫁に出しておぉ……ってなった後に今度は娘って白目」
彼はますます呆れ顔をした後に苦笑いとため息をついた。
「そうそう、昼食を一緒にどうかと思っているが何か用事はあるか? 明日の夕方出立すると聞いているので今日が無理なら明日でも。屋敷のことなどは結納が決まってからなのは昨日話した通りだ」
お茶請け無しなので誘われる予感はしていた。
「それがですね先生。彼女は今朝母と朝食作りをしてくれたんですが人生で初めてお弁当を作ったそうです。なので妹夫婦から強奪しました」
「あらあら。2人で花見がてらのんびりするのは素敵だからトト川の上流沿いへ行ってごらんなさい」
「ありがとうございます。明日は明日で父達がお世話になっているお店の大旦那さんにご挨拶をする予定なのですみません」
結納後にまた、となって私達はデオンのお屋敷を後にした。
勝手に挨拶場所を決めたり予定を決めないで、という感想がさっぱり湧いていない。私が嫌ですと言ったら「それならこうします」みたいに譲ったり変更してくれそうだからかな?
嫌な人は嫌だろうけど私は平気みたい。トト川へ向かいながらまたお喋り。
「漁師が味方なので猛反対は怖くないですし、ウィオラさんが何かしらの事情を知って実家に絶対に残ると言わない限りは連れ帰ってくるつもりなので外堀から埋めています。女学校の仕事があるから1度は帰ってきましょうとか口説き落とすまでは……口説き深く落とし? なんだ? まぁそんな感じです」
「はい。お願いします。家の為だから残れとか親不孝だから残れとか言われたらきっと……。まあ……。その場にならないと分かりません」
私は「はい」と言いそう。そう言っておいて親が望む道でありつつも反抗的な違うことをするだろう。そういう風に育ったからこういう人生を歩んでいる。
家や門下生のために泥を被って破門隠居なんて嫌だ! だけだったら今頃ここにはいない。
破門隠居は仕方ないけどそれならそれで大人しく従わないと「嫌がらせも兼ねて自由になる」と家を飛び出すお転婆世間知らず娘。
しかも家族に相談したり根回しもせずに自己判断や思い込みで猪突猛進。5年経って気が付いたこの欠点は直すつもり。
「その時に話し合って決めましょう。人生の先読み先回りはうんと苦手です。勉強はさせられていますけど軍師とか参謀は全く向いていません。目の前の相手がどう出るかくらい」
「私は決めつけて思い込みで道が一本しかないと歩いていたようなものなのでこれからは沢山の道があると考えたり、頼れる方と道を色々見つけてそこから一緒に選びたいです」
「この道を堂々と歩きたいけど2人ならこっちの路地でも仕方ないと思えるとか、よかかなとかありますからね」
こっちと示されたのは少し狭い路地。彼は足を止めてそっぽを向いた。首の後ろに手を当てている。
「俺は妹バカなのでやはりというかそうかもなぁと思っていたけど嫉妬心が強いみたいなのであざと聞いたらかなりムカムカしていて。抱きしめはしませんけど手前をしてもよかですか?」
「……手前とはなんでしょうか」
「それはまぁ、手前です。触りません」
「うっすらあざが出来るくらい強く掴まれてこういう路地裏に連れて行かれてハレンチ寸前は何度もなのでこうして先に丁寧に誘われて、お相手がお相手なのではいとしか言いようがないです」
予告されるのははずかし!
でもかなりホッとする。私はこのくらい相手が私を面倒くさいと思いそうなくらい丁寧な方が安心するな。箱入り照れ屋もあるけど多分ジエムの乱暴のせいだ。
「……ハレンチ寸前ってなんですか⁈」
「まだ11で着物に手を掛けようとしたからどこまでするつもりだったのやらです」
ネビーの反応を無視して少し狭い路地へと進んだ。思い出して怖いかな? と思ったけどドキドキしかしない。素敵な予感しかしなくて期待で胸が高鳴り中。
「それを聞いたら思い出させそうだから路地では何もしません」
「えっ⁈」
私は勢いよく振り返った。それはうんと優しい発想だけど悲報。
「困り笑いだから正解ですね。進まないで戻りましょう。まあすぐまたそこそこ広い通りに出ますけど」
「逆です。期待したのでざん……ねん……」
はずかし!
手前とはなんなのか分からないけどどうぞと思って塀に背を向けて端に寄ってみた。こんなのもう両手で顔を隠さないと恥ずかしくてならないのでそうする。
「えっ? じゃあ、まあ失礼します。逃げる際は右手側へどうぞ」
なにかな? とそっと手を目の下まで下ろしたら目の前に立たれて彼の右腕が私の頭の横の塀にくっついた。私の右手側はがら空き。目が合ったので視線が泳いだけど向こうも同じみたい。
これで停止。触られていないし逃げたくなったら突き飛ばさなくても逃げられる。走らなくても徒歩で逃亡出来そうな雰囲気。
顔を少し寄せられたのでドキンッと自分でも驚くくらい胸の真ん中が跳ねた。彼の顔は私の顔を避けていって頭の近くというか彼の腕あたりへ移動した。
私からは表情はもう見えないし彼も私の反応は分からなそう。
急に初華蝶行列の曲が頭の中で大暴走。
(何でもない……何でもないと言い聞かせては……。連れ出してって気持ちだけではなくて主役の彼女はきっとこう思ってる……。抱きしめたいし抱きしめられたいだきっと……)
本当の意味でお別れをする切ない曲なのにこの状況の切なさを投影するとはバチ当たり。
(私が触るのは常識の範囲? いや違うか。あんたの子って難癖事件があったなら私相手に難癖……つけられても構わないからこの状況か。こういうところを誰かに見られたら真実味があると言われてしまうから女性を過剰に避けてたってこと……)
抱きしめられないのは決定事項なので私が抱きつくかこのまま素敵、と固まっているか選択肢は2択。
着物すら触れていないのに体温が伝わってくるような感覚。
「んー、やはり好みですこの香り。無理に使っている方は鼻がキツイけどさり気ないというかかなり控えめで」
「ひゃあ……」
耳打ちだけなら耐えられたけどこの状況で甘ったるい感じの声で囁かれたのでへなへなと脱力。素敵だけど無理。しゃがんで体を丸める。
「ウィオラさん⁈」
隣に並んだ気配がした。見られない。
「す……」
「す?」
「あとはてで……」
「あとはて?」
「きです。照れで腰が抜けました」
「……おお。それはよかです」
チラリと見たら私の隣にしゃがんで照れ臭そうにニコニコしていた。そうっとそうっと近寄って腕と腕をくっつけてみた。着物越しでも分かる。固い。2人ともしばらくそのまま無言。
今日から少し狭めの路地を見かけたら今日の事ばかり思い出しそう。
どちらともなく立ち上がってトト川河原へ出て少し上流へ向かうと白藤が並んで咲いていた。
他にも花見客がちらほらいたので混じって人生で初めて作ったお弁当を2人で食べながらとりとめのない事をお喋り。
少し川に入って小魚やちび海老を眺めて帰る時に白藤を少し髪に飾られた。
積もり、つのる……とはきっとこういうことで昨日の桜並木の散策中に閉じ込められていたら今日はなかったのでどこで閉じ込められてもらえば良いのか分からない。




