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お見合い結婚します「紫電一閃乙女物語」  作者: あやぺん
本編

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番外【振り返ば紫電一閃】

 ロイから俺への解説はまだ続いた。リルが眠そうにしている。昨年夏から読み書きを始めたリルにはサッパリな話題だろうけど卿家の嫁になったから知らないといけない大事な話なので頑張れリル。

 ん? と思ったらロイはリルと手を繋いでいてその手を軽く振った。リルは「ハッ」と目を覚ましたような表情。気遣いはありがたいけど手繋ぎとかイラッ。


「それでネビーさんの場合だとまず5年間は普通養子扱い。今年で21歳ですから26歳までです。この間に中官試験に合格すれば27歳の誕生日に跡取り認定です。細々とした条件はネビーさんの場合は仕事で評価され続けていれば問題ないと思います」


 親から見えない位置で嫁に気遣い。表情はほぼ無表情で真面目な様子。なのにリルの手を指でこしょこしょ。リルを起こすためだけどリルがはにかみ笑いしたのでますますイラッ。

 泣きべそ小僧だった癖に俺の大事な妹になにしていやがる。俺のいないところでやれ。


「バカなんで20代で中官試験突破は怪しいです。30代だとどうなるんですか?」


 ロイとリルは気になるけど無視。見ない!


「跡取り認定の条件が上官試験に上がります。ネビーさんの場合は中官試験突破の方が良いです。上官試験は卿家兵官の為にあるようなもので煌護省入省用みたいなもの。現場は中官で十分。教科書上なので実際はどうなのか知りませんけど」


 ロイはチラリとガイを見たけどガイは何も言わず。息子の解説に満足というような微笑みを浮かべている。自慢の息子だろうな。

 その弟になって欲しいとは俺は俺を自慢する。俺をここまで立派な存在になるようにしてくれた両親こそ立派。俺はますます大黒柱の補佐だな。

 自分がいつか父親になる時に見習い、手本にして相談出来る立派な両親が4人になるとは心強い。


「……20代のうちに励みます。上官試験なんて補佐官が何年もかかって合格する試験です。バカにはとんでもない年数が必要です」

「試験落第なしとしてその補佐官が卿家だと16歳から3年間研修生。現場でなんて言われるかは知りませんけどそうです。19歳からさらに2年後から上官受験資格が発生です。そこから平均3年かと。合計8年が平均です。豪家系は分かりません」


 またロイがガイを見たらガイが口を開いた。豪家系について説明するのだろう。いたっけ?

 多分凖官に紛れているのだろう。調べよう。


「8歳から半見習い可能。まあ14歳くらいで時々からだ。手習と学業が優先。かなりゆるゆるの兵官採用試験と贔屓(ひいき)なしの中級公務員試験の合格で元服後の1月から凖官。19歳で正官。多くは地区本部に配属。そこからは正官5年目以降に上官試験受験資格取得。5年目は珍しいです。平均は8年になります。合格ではなくて受験資格の方です」

「んー……。補佐官が入隊してから10年掛かったって言うていて地区兵官なので卿家かと。豪家の多くはって純粋な地区兵官もいるんですね。地区本部兵官の若いやつは豪家。門下生にもいますけど番隊所属者の豪家は地区本部から出向のみと思っていました。これはもう勉強不足です。自分の仕事のことなのに」


 ロイは小さく首を横に振った。


「それだけ実力社会だと浸透しているんです。そのくらい現場の方々は現場仕事に夢中ってことです。卿家兵官だと研修中に煌護省などへ逃げたりしますよ。憧れと現実は違ったと」


 やはり凖官に紛れている気がする。試験採用期間で辞めるのは役立たずかキツいとかで逃げ出す奴か勧められて志願出征組。

 地区兵官として欲しい者は逆に志願出征禁止にされると今夜知ったのでおだてて戦場送りっぽいな。そこで活躍すればそいつに合うというか国の駒として役立つ場所へ配置。今夜は少し賢くなった気がする。


「隊長がそれぞれにお前は何を目指せと言うて上司達がああしろこうしろと言うからかと。俺だと6番隊隊長を目指せです。途中に地区本部へ引っこ抜かれたら部隊長、総隊長と夢があるから中官試験の勉強をしとけって」

「ちなみにネビーさんは今回正官になった時点で早くも中官試験受験資格が付加されました。毎年受けろとか言われていませんか? 同時に志願出征禁止」

「言われました。バカだから無理ですと言うたらバカだから何回も受験して実践練習できるように配慮されたと言われました」

「なんていう言い方をされたんだ。まあ、それだと他の兵官は文句を言わない。君が今みたいに言うて上司もそう答えたら自分もとは言えなくなる。上手いな。補佐官か?」

「はい。そうです。正官になる時に補佐官に言われました」


 ガイの口調が砕けた。これが彼の素なのだろう。気さくそうで嬉しい。


「ネビーさんはなんか思っていた性格と違うな。悪い意味ではない。良い意味かというとそれもまた違うというか」

「お前は変だとよく言われます。同じ人間なんて1人もいないんだから変も何もない。お前だって変だとか言いますけど変な気もします。まあ困ってないのでよかです」

「そういう訳でネビーさんが特別養子縁組制度を受け入れた場合、中官試験もしくは上官試験に合格すると跡取り条件を満たしてルーベル家分家当主です。最短は27歳ですね」

「29歳の12月までが勝負ってことです。上官試験なんて内容も知らないけど響きからして白目」


 特別養子縁組で得があるのはルーベル家ではなくて俺みたいだから跡取り認定されなくても迷惑を掛けることにはならないけど励みたい。


「ちなみにネビーさんは遅くて25歳まで下積みをさせつつ贔屓(ひいき)で特別教育。中官認定持ちで地区本部兵官。今のところそういう教育目標がついています。今のところ順調です」

「俺って期待に応えていると遅くて25歳で地区本部兵官なんですか⁈ 叩き上げの20代で地区本部兵官って有名人ですよ!」

「言いますけどネビーさんは既にそこそこ有名人です。漁師達が知っていましたし地元では聞き取り調査し放題です」

「まあ顔見知りは多いです。名前を知らない人に知られていたりは良くあります」


 俺は自分からバシバシ話かけない性格なのに知り合いが多いのは不思議な話。

 ロイとも必要がある時に話してきて話かけられないから最近まで雑談は無しできている。

 他に喋るやつが周りにいるしどんどん話しかけられるからそれを無視して「よお!」と話しかけられる相手ではなかった。身分格差で気後れである。実力が近いとまた違ったのだろうけど。

 ロイはようやく団体戦の末席になれるかなれるかまできた劣等生。だけど努力家。


「赤鹿や視察や教育者訓練や個人仕事を追加してもらって30歳前に中官認定を引っ提げて卿家として地区本部兵官。6番隊で相談したら賛成してくれました。地区本部と6番隊を行き来とかデオン先生の後釜などまあ色々です」

「デオン先生の後釜ですか?」

「今現在までですと人柄評価と共に高いのは教育者としての能力です。早期退官後に剣術道場運営や共同運営という道があると言うことです。デオン先生の息子さんは推薦兵官担当は無理でしたから在職中から共同運営の勉強開始など期待されていますよ」


 これは今夜大事な話を始めてから1番嬉しい話かもしれない。デオンに聞こう。励んだらなと次々課題を出されそうだから悩む。


「それは是非検討したい夢です」

「それで卿家ルーベル家4代目候補は息子です。家出して初代にもなれます。ネビーさんは4代目の予備。別居だと初代。卿家には本家も分家も関係無いのでルーベル家と呼ばれるだけです。初代になるなら苗字を変えたければ変えられます。ルーベル家の名前に何かいちゃもんがついてロイが4代目襲名前ならしれっと苗字変更です。君も同じく」

「ネビーさん。一蓮托生と言うても何事にも抜け道はあるものです。そうでなければ父上も書類や聞き取りだけでこの提案をしません」


 ロイの発言にふむふむと頷く。つまり俺が卿家になるどころか足を引っ張ったら複雑で面倒くさい手続きをして縁切りして嫁の実家にも悪影響ということでガイの権力で配置換えみたいな方法で追放の可能性だ。


「ここからは主な卿家の恩恵の話です。細々したことは飛ばします。ネビーさんが卿家跡取り認定を受けたら君の子どもは卿家ルーベル家の2代目候補です。様々な恩恵を受けられます。ネビーさんのお子さんがどのような職を選ぶにしても条件付きで指定小等校から高等校まで無料はかなり得だと思います」

「無料なんですか⁈」

「3代目続けて卿家を目指すのにそこをすっとばしなのは珍しい高評価なので卿家拝命時に特別に家屋建設支援金も出ます」

「家屋……家を建てるお金をもらえるんですか⁉︎ 3代続けた後に念願の初代で拝命の時にお金が貰えて家を建てられると卿家の方に聞きましたけどそれが俺にも適応されるんですか⁉︎」


 成り上がって豪邸を建てるぜ! という俺の日頃の口癖というか目標は夢ではないということだ。まじか。俺は本気たけど皆から「バーカ」と呆れられている。

 むしろ国からも職場からもガイからも後押しされる。俺すげえ。これは俺がすごい。教育指導してくれた人達のおかげだけど俺は期待に応えている。

 野心を抱いて生きていたけどパチパチと胸の奥で燃えていた火が炎になった気がする。

 共栄なら俺が成り上がって信頼を得続けると家族を丸ごと守れる。磨いた腕は大怪我や加齢でしか失われないけれど信用信頼破壊は一瞬。

 俺に期待されているのは「腕」ではなかった。身が引き締まる。


「本来は祖父や親を亡くした平家危機の息子がこの特別養子縁組制度を利用して卿家の養子になって卿家として続くために使います。普通該当です。特例該当だと家屋建設支援金や学費返却などがあります」

「いきなりとんでもない得が出てきて衝撃的です。俺ばかり悪いです」

「我が家は跡取りの予備を獲得です。息子に何かあった時の孫の為。実子と養子を公平に育てられる自信が無くて1人息子のまま来ました。本来なら予備を教育しておくものですけど友人関係からとかそこはまあ色々」

「孫ってことは俺の甥っ子や姪っ子です」

「そうです。友人の孫や友人の子より甥っ子姪っ子の方が気持ちを寄せるものです。特に君の性格ですと」

「この話の損ってなんですか? 美味い話には罠があると言いますけど何かありますか? 怖いんですけど」


 俺の頬は自然と引きつった。


「まだ美味い話があって大豪家並みに稼いでも卿家なら寄付金は無いし納税額も卿家上限いっぱいで済みます。稼ぐ卿家なんて中々居ないから抜け道みたいなものです」

「それはとんでもないですよ!」

「卿家跡取り認定取得を目指しているので豪家にはなりません。卿家になるまでいくら稼いでいても本来強制の豪家拝命を拒否出来ます。寄付も納税も無しです。卿家跡取り認定をされなくても平家なのに大金持ちを目指せます。合法的脱税です。まあ地区兵官なので副業や浮絵の版権代が稼ぐ方法なので大豪家並はなかなか難しいですけど夢はあります」

「えー……。合法的でも脱税って響きが犯罪的です」

「そこで自ら多少納税です。評価が上がります。このぐらいの額を稼いだら最低このくらいみたいな話は財務省の友人に相談します。豪家より低い額ですね」

「ありがとうございます」

「それから卿家は卿家とつるむので各方面にツテが出来ます。息子の友人達を利用。君は利用される。持ちつ持たれつで時に華族より勝る。難癖犯罪にはロイ、財産関係なら財務省、ちょっと馬や赤鹿に乗ってみたいならネビーさんとか色々です。卿家は調査や許可や手続き関係に強いです」


 親父がよく分からないけどここにお金を払って息子を励ませたら兵官になれる。本人にも娘達にも良いことだとデオンの門下生にしたらロイと出会ってそんなに親しくないのに妹を(さら)うように奪われてこれ。

 なんなんだこれは。誰の運だ? 両親か? リルか? 今後両家が栄えたら恩恵を受ける妹達の誰か? 婿入りしてきたジン? 俺? 

 始まりは8歳の日なのは確かだ。


『ネビー。父ちゃんがあの竹刀を作るからな。全部は無理だけど手伝って作る。立派になれよ』


 この間振り返った時よりもとんでもねえ人生を切り開いてくれたぜ親父。教えて感謝しよう。泣くだろうな。

 作ってくれた竹刀はとっくの昔にボロボロで捨てられかけたけど俺は大事に取ってある。家だと「邪魔」と両親のどちらかに捨てられるからデオンに預けてある。


「損ですよ損。損はなんですか?」

「何かあったらあちこちの卿家総出に袋叩きにされます。自分達の足を引っ張るなと。厳罰回避と点数稼ぎです。卿家は犬なので仕事や人の荒しをして点数を稼ぎます。大人気の花形兵官になっても派手に色遊びをしたら早々に告げ口とか小さな犯罪で告げ口とか。花街でもコソコソ系です。難癖は無理です。特に我が家では。息子と友人が後ろ盾にいるから難癖対策は万全です」


 つまりロイも派手な色遊びは出来ないってこと。リルには朗報だろうなと思ったらそのリルはロイを睨んでいた。

 ロイは動揺して見えると思ったら「なにもしていません」とリルに小さく囁いた。あのロイが俺の妹の尻に敷かれてそうとは変な感じ。ガイもテルルに睨まれている。

 

「特例該当者は中々見つけられませんし該当しても家族を託すなら深い仲の友人関係の方が安心です。息子の弟として助けてくれるかもしれないから欲しいなぁと思って調べ始めて蓋を開けたら第3部推薦兵官。さらに調べたら特別養子縁組制度の特例該当。まさに共栄の話です」

「こんなことあるんですね。ロイさんがリルの弁当を気に入ったら俺が卿家になれる可能性。しかもそちらが望んでいると」


 ロイとリルの旅行話。いなり寿司が小型金貨6枚や贅沢旅行になったような話。つまり下手すると俺にバチが当たる。バチとは何かあると卿家総出で袋叩きのこと。地区兵官は区民の安心安全を守る者だから区民を助け続けてバチを回避し続けるしかない。


「あと他の損ですが卿家は時に卿家というだけで睨まれます。ですが君には地区兵官としての評価の方がついて回ります。なるべく黙っていて自らの評価を使って使える時に卿家の肩書で追撃です」

「2刀流ですね。特に才能がないからやめておけどころか禁止と言われました。特技を伸ばせと」

「それは知らない話です。あとの損は自分の実子扱いの息子になるということです。同居は必要なくて書類上だけですがご結婚の際などは自分が父として対応することになります。普通養子ならレオさんでも構わないんですけどここまでくると複雑なので存命中はこちらで良縁の後押しをします。お嬢さんとご結婚が夢らしいそうなので卿家跡取り認定で確実に叶えられますよ」


 それは衝撃的。自然とにやつく。誰だ俺に「お嬢さんなんて夢は捨てろ。アホ。不相応っていうだろう?」と言ったやつ。山程いる。


「それなら死ぬ気で跡取り認定されます」


 今夜1番気合いが入ったかも。テルルとリルが呆れ顔になった。さっきからこの2人は気が合うのか?


「されなくても良縁は結べますけどね。今の出世街道の話で釣れる家はありますよ。我が家のツテだと基本は卿家のお嬢さん。お見合いをして気に入ってもらえれば縁結び。家も建てられます」

「ロカが嫁に行くまであと10年……」


 家族全員にお金も苦労もかけたから俺は自分の気が済むまで家族と過ごすつもり。


「でも中官試験までだからその前……。30歳前に卿家跡取り認定されて家を建てるのでその時に縁談を下さい。それまでは仕事と勉強。大家族で暮らせる家を建てる貯金。長屋住まいか町屋住まいにお嬢さんは招けません」


 家を建てられそうになったらお嫁さん探し?

 遠っ!

 

「末の妹さんが嫁にいくまでレオさんの隣とは親孝行というか妹さん孝行なんですね」

「気が変わったら父親任せで裏切ります。俺の子ではないので。うっとうしいのと脅迫教育で色遊びは禁止にしていますのでそこは問題ないです。その前に先に結婚したいとかこの人だという相手が出来たら相談します」


 兵官の嫁だと玉の輿みたいな好みではないガサツ女に難癖で強制結婚の罠にはめられないように気をつけている。女の中には怖えやつがいる。


「うっとうしいのと脅迫教育で色遊びは禁止って何ですか?」

「お前は花街に行ったら女を殺すから行くなとかです。そこらで嫁にしたくもないのに色ボケで手を出したら強制的に結婚だからお嫁さんはお嬢さんは無理。手前までと思って遊んだら難癖で恋人にさせられて渋々結婚した火消しの友人がいるので兵官の俺にやたら絡もうとする女は警戒しています。特に気の強そうな女」

「ネビーさんは試合とかでたまに女性に囲まれそうになっていますもんね。花街で女を殺すからってなんですか?」

「俺の親父は1発で俺を作って他も似た感じなので親父似だと俺は知らないうちに父親の可能性です。他のやつよりその可能性が高いです。それで遊女が仕事が出来なくなるからと殴られ蹴られて薬で死んだら俺が殺すのと同じです。まあそもそもお金が無いですけど」

「……えっ? 殴られ蹴られて薬って何ですか?」

「知らないんですか?」


 ロイの方が知識豊かそうなのに知らない?


 こうして俺は成人家族の賛成を得てネビー・ルーベルとなった。

 ロイとリルの結婚をあっさり許したどころか激怒する妻をのらくら説得した理由は「ロイの弟にネビーが欲しい。1人息子に支えの柱」だったと判明。

 妻テルルの激怒が軟化してそこそこリルを気に入って嫁の家族と良さそうという態度になったところで養子縁組を提案。

 リルのために親戚付き合いをしたいとコソコソ根回ししている息子が俺との交流でウキウキして見えるから決意を固めたそうだ。

 王都配置の推薦兵官だからではなくて兄弟門下生としての評価が高いとガイにこっそり言われた。

 リルとの結婚のための家族調査でロイがたまに「ネビーさんっていう門下生が……」みたいな話題があったことを思い出したらしい。


 俺はこうしてガイの次男でロイの弟になった。別居だし家計も別。ロイは「なんで自分が長男」とぶつくさうるさい。

 この1年後、俺は恐れていた難癖をつけられた。生まれたばかりという赤子を抱いて「責任取って」と泣きついてきた女が登場したのである。

 推薦兵官で素行調査がちょこちょこされて記録があること、ロイが中央裁判所勤務の出世頭で卿家なので俺味方目線で調査裁判されて無事潔白。

 難癖関係者は美人局(つつもたせ)で逮捕。お嫁さんはお嬢さんが夢なので俺はさらに女関係に気をつけるようになった。

 気を持たせない、必要がなければ触らない、家族以外の女と2人の時間を極力作らない。

 金を払わなくてもそこらで触るくらい出来るけどしない。難癖怖い。

 俺は一部で男色家と噂されている。俺は嫁を死ぬほど触る予定。まあ相手が嫌がらない範囲でだけど。


 ★


 振り返ればこの特別養子縁組の話は俺の人生の第2の紫電一閃。兵官としての教育にガイの要望、視察という名で旅行に同行させたいとか息子は赤鹿乗りが出来るぞと自慢したいとかが入って地区本部兵官に引っこ抜きも試験勉強も少し遅れたからだ。

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