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魔法学園

このマナアースには1つの大陸があり、5つの国が存在している。

1つ目はミルロ達が住む、大陸の南に位置するウィシュタリア王国

2つ目はゲーム上では、今後ウィシュタリア王国に戦争をしかける予定である大陸の東に位置するキルラルド帝国

3つ目は大陸の西に位置し雄大な自然に囲まれた豊かな国、ワイマール共和国

ワイマール共和国は多民族国家で、獣の姿をした獣人やドワーフ、エルフ等の珍しい種族達が住んでいる。

ちなみに騎士団のミミルさんとハヤブサさんは、この国の出身だ。


4つ目は凍てつく氷に覆われた国、シルバール北帝国

以上の4つが4大国と言われている。

なお、ワイマール共和国とシルバール北帝国は、マナアースの物語では殆ど登場しない。


そして残る5つ目の国が4つの国と一線を画し中立を貫いている、魔法公国だ。

この魔法公国は、精霊が生まれ人間が初めて魔法が使えるようになった始まりの国と言われており、精霊と契約して魔法が使える者しか国民として認められない特殊な国だ。

場所はちょうど4大国に囲まれた中央に位置した小さな国だ。


魔法学園はこの魔法公国にあり、4大国出身で魔法が使える者はこの学校に通い魔法を学ぶことを義務として課している。

このように、魔法公国は4大国を動かせる力をもっているのは魔法による武力の力が大きい。

魔法公国に住む住民は、全て精霊と契約して魔法が使うことのできる魔法使いだ。

そして、この世界では、魔法が使える者と使えない者との間には絶望的な戦力の差がある。

魔法によって強化した肉体と全てを破壊する攻撃魔法に対して、とても生身の人間では太刀打ちできないのだ。


その為、魔法公国は他国を寄せ付けない圧倒的な武力を持っている。

しかし、魔法公国は、魔法の研究と研鑽に重きを置いている国家であり、他国の侵略には全く興味がない。

むしろ積極的に魔法の知識や技術を広めて他国と交流を深めようと考えていた。

その為、こうして魔法の教育を義務と課し、他国から学生を受け入れているのだ。


ここは学園内にあるカフェにあるラウンジ。

この場所は学生達の憩いの場として、人気のある場所だ。

今はまだ春休みだというのに、多くの学生達で賑わっていた。

学園の授業及び実習は全て4人までのパーティー単位として行う。

4人までなので、もちろんソロでも問題ない。

だが強力なモンスターの戦闘やパーティー単位での模擬戦もある為、特別な事情がない限り4人1組が多い。

その為、カフェのテーブルは自ずとパーティー単位に別れ、4人1組で座る者達が多かった。

男性4人、女性4人、男女混合、いろいろなパーティーがカフェで各々寛ぎ話を楽しでいる。

入学式の1週間前、多くの学生たちの話題は今年入ってくる新入生の話題が多くを占めていた。


そしてここにもまた、新入生について2人の女性と2人の男性のパーティーが話をしていた。

彼らは今年2年生に上がったばかり。

そして去年の1年生の中では、トップの成績を収めたパーティーだ。

パーティー名は「ウィシュタリア」。

そう、メイの兄でありこの物語の主人公ゼノンが率いるパーティーだ。

だが、そのパーティーメンバーはゲームとは少し異なっていた。



「そういえば、今年、ゼノン様の妹のメイ様がご入学されるのですよね?」

リーダーであるゼノンの隣に座る女性が彼に話しかけた。

その女性は黒い髪の縦ロールで派手な髪形をしており、紫色の綺麗な目をしていた。

美人ではあるのだが、目がつり上がっており少しきつそうな印象を受ける。

彼女はゼノンの婚約者であり、ゲームでは悪役令嬢であったカトレア=ジーエルンだ。


カトレアの言葉に、彼女の隣に座るゼノンは嬉しそうに言葉を返した。

ゼノンは、短髪の金髪と碧眼の容姿をしている。

筋肉質で引きしまった大きな体をした、スポーツマン風のイケメンだ。


「ああそうだよ。メイとは3年ぶりだから会うのが凄く楽しみなんだよ」


ゼノンは実は3年前から、魔法の修行の為にこの魔法公国に来ていた。

魔法学園は3年間だ。

だがゼノンは魔法に多大な才能があった為、その才能を伸ばす為に幼少期から先行して魔法学園に通っていたのだ。

その為、ミルロはメイの護衛として王宮に通っていたものの、主人公のゼノンには会ったことがない。


「メイ様はご病気で引き籠っていたとお聞きしますが、大丈夫なのでしょうか?魔法学園の厳しい環境に耐えられるのか、心配ですね」


ゼノンに言葉に対して、ちょうどゼノンの向かいに座っている女性が心配そうな顔で2人の話に入る。

彼女はヒロインのアリアだ。

銀色に輝く長い絹のような長い髪に、神々しい金色の瞳をしている。

きつそうな印象を受けるカトレアとは対照的に、アリアは温和で優しい印象を受ける顔だちだ。

ゲームだとカトレアが失墜な苛めを行う為、カトレアとアリアは仲が悪かった。

だが、今のカトレアとアリアは同じパーティー仲間であり、親友でもある為、凄く仲がいい。


「なんだアリア知らないのか?メイ様は今や引き籠りではないぞ。魔法の研鑽をして王女教育をしっかりと受けた淑女になっていると妹から聞いたぞ。ちなみに、今年の1年生の入学前の試験トップは、メイ様と俺の妹だからな」


そんなアリアの言葉に対して、自慢するように大きな体をした茶髪で短髪の男性が言葉を返した。

彼の体はゼノンよりも大きく筋肉質で、身長は180センチを超える長身であった。

だがこんないかつい体に対して、顔は優しそうな甘いマスクをしたこれまたイケメンであった。どちかと言えばジャニーズ系だ。

彼はミルロの兄であるアーサー=マルチーズだ。


アーサーの言葉に対して、今まで涼しい顔で話を聞き紅茶を嗜んでいたカトレアは噴き出した。

噴き出した紅茶を見たアーサーは、訓練で身につけた瞬発力を生かして華麗にそれを躱す。

カトレアが噴き出した紅茶を躱したアーサーは、呆れたようにカトレアを非難した。

「カトレア様、どうしたんですか?突然噴き出して。淑女としてあるまじき行為ですよ」


「まあまあアーサーそう言ってやるなよ。だがカトレアどうしたんだい?いったい??」

そんなアーサーをゼノンは嗜めると、心配そうにカトレアに声をかけた。


「大丈夫ですかカトレア?喉でもつまりましたか?」

同じくアリアも心配そうに、カトレアを見る。


「いっいえ、アーサーが今年の1年生トップがメイ様と妹様とおっしゃられたので驚いてしまって。ところで、アーサーは妹様なんていらっしゃいましたかしら?一人っ子だと思ってましたわ」

そう言うと、カトレアは再び紅茶が入ったカップに口をつけた。

それに対してアーサーは少し考えたそぶりをした後に答えた。


「そうか、カトレア様にはそういえば言ってなかったかもしれないですね。3年前に父上が養子を取ったんですよ。名前はミルロです。ミルロは自慢の妹で、メイ様の護衛騎士で、剣の腕も立ち魔法も・・・」


だがそんなアーサーの言葉に対して、カトレアは再び紅茶を噴き出した。

今度も慌ててアーサーは、飛んできた紅茶を躱した。


「ちょっとカトレア様、いったいなんなんですか?さっきから」

2回も噴き出し紅茶をかけられそうになったアーサーは怒りの顔を浮かべてカトレアを睨み付けた。


だが、カトレアはアーサーの様子を気にする余裕はなかった。


ちょっとなんで、アーサーの妹がミルロなのよ。

あいつはペペロンチーノ家じゃないの?

それにあの引き籠りで根暗のメイが、トップ!?

もしかして、わたしがアリアと和解したから、状況が変わった??


アーサーの話を聞いたカトレアは心の中で激しい動揺を見せるのであった。

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