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カルミアの魔女  作者: 黒目
第三章 絶対私は私に打ち勝つ!
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第十七話 男手一つの子育てパパさんの悩み!読書家キャバ嬢式カウンセリング開始!(その2)

久しぶりの投稿です。楽しんでいただけたら幸いです。

真一の家を出てから一夜たった。


私は一晩中文献を漁り、今までの知識と経験を総動員して一つのノートに書きなぐった。


父親の気持ちなんて今まで考える機会なかったが、今回のことで様々な文献を探った。


例えば子どもを育てる役割をもつ存在としての父親についてはこんな研究がある。これは1997年に発表されたものだが、


子どもの発達における父親の役割としては

「①母親を支える役割」

「②母子の共生関係に介入する役割」

「③子どもと関わり母親と違った目で子どもを見守り支える役割」

「④子どもの性役割の発達を助ける役割」

をあげた。この研究では、父子関係だけでなく、母親との関係、母子との関係、母親と異なる役割があげられている。母親との関係、母子との関係における父親の役割は、母親をサポートする二次的役割ともいえるが、それに加え、子育てにおける父親独自の役割が指摘されている点は注目に値する。


というものだ。今回は母親がいない家庭での話なので、イマイチどう使えばよいかピンとこなかった。


父親と母親で子供を育てる。それは当たり前ではない。父親と母親がいる一般的な家庭での父の気持ちすら今まで考えてこなかった私が、


子供を一生懸命育ててきた父親の深層心理の解答を出せるのだろうか?


こういう悩みなると自分自身の未熟さや世界の狭さを思い知らせれ、自己嫌悪したくなる。


子を持つ父親としての行動原理。子供を今まで必死に育ててきた親ならだれでも持つものだろうが、その答えは中々簡単に出るものではない。


ましてや、子を育てる思いが強ければ強いほどその思いは強くなる。その強くなり過ぎた思いがどこからきているのか、その深層心理について今私は手を出そうとしているのだ。それは本来本人にしかわからないものだ。


頭を使いすぎて少し疲れてしまった。私はベットに横たわり、枕の横に置いてある本を意味もなくペラペラと捲る。


「私の父親、アイツらは、どうだったのかな・・・」


正直思い出すだけでも気持ち悪い。しかし今想像してもキャバクラで出会った時ほど悪い気持ちにはならなかった。


父親の気持ちを一晩中考えていたのだ。当然、自分の父親の顔も思い浮かぶ。


DVの父親も変態の父親も何度も頭の中に出てきてうっとおしかった。何度も吐きそうになったが、アイツらも父親だ。真一の父親と同じように悩んだことがあるのだろうか?


二人目なんて自分の娘を盗撮するような奴だぞ?


しかし私はどういうわけか、どういう経緯でお母さんに近づき、どう思って私を育ててきたのか、それについて興味が出てきた。


嫌悪感と好奇心。その二つが私の中で対立しているのがわかる。


今日の夜も真一の家庭教師だ。それまでに答えを出したいが、中々うまくまとまらない。


意味もなくペラペラと本を捲る。ぺらぺらぺらぺらぺらぺら・・・


するとベットの上でペラペラと捲った本の一文が目に入った。


「父親としての幸せか」


私が手に取ったのは人生の幸福度と家庭についての本だった。


その瞬間私の中に電流が走った。


「これだ、これだ!」


すぐさま立ち上がり、ノートに自分の考えをまとめる。


ノートにまとめ終わるとすっかり夜になっていた。


_______________________________________________________________________________________


真一の家に向かうと、源一が迎えてくれた


「田井中先生、今日もよろしくお願いします」


「はい、よろしくお願い致します」


私はいつも通り家庭教師の仕事をした。仕事が終わり、リビングに向かう。ついに決戦の時だ。


「あの、昨日お話した件ですが」


「あ、あぁ、田井中先生なりの答えがでたのかい?是非聞きたい。コーヒーを入れよう」


さぁ行こう。私なりの、父親の行動原理理論のプレゼンだ。


参考文献:

吉田弘道・野尻恵・安藤朗子、小林真理子「育児における父親の役割と父親への援助に関する研究―その 1:子どもの心理的問題と父親の役割との関連性―」『小児保健研究』56(1)、1997 年、20-26 頁

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