第九話 多感少年の悩み!天才を超える思考プロセスの鍛え方
昔家庭教師をしていた時の思い出しながら描きました。
今私が教えていた子はどうしているだろう?昔の教え子を思い出して、少し懐かしい気持ちを感じました。
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私の福沢家で1日1時間、週1回家庭教師をすることになった。私はまず合格までの計画を立てた。まず準二級の対象漢字数は1940文字だ。合格ラインは200点満点中140点で、約7割取れれば合格できる。もちろん7割では合格できないので、1940文字の中で8割か9割を覚える時間は、おそらく15時間程度で覚えられると思った。なので二ヶ月あれば合格できると踏んだ。
具体的な学習内容については、漢字は暗記物なので、【インプット】の作業は私のいない時間にやってもらうようにした。では私は家庭教師の時間で何をするかというと、真一が【インプット】した内容を【アウトプット】する時に私と学習した。週に一回出来を確認し、そこで理解度をチェックして合格するという寸法だ。
そうやって真一の学習を見ていった。学習を進めていくとすぐにわかったが、この子は頭の良い子だ。
「あ~この漢字って読み方覚えにくいけど、この別の漢字の読み方と似てるね。だったら覚えれるかも」
そう言って自分なりに考えて漢字を覚えていった。なので真一は自分の頭を使って自分で問題を解決できる、という意味でとても頭のいい子だ。
しかしその後二週間たって、改めてテストをすると、一週間目と比べて学習意欲も覚えている漢字量も少なくなった。一緒に学習している時もあまり集中していないように思える。
「ねぇ真一君、何かあったの?」
私はそのおかしな様子に疑問を投げかけてみる。しかし真一はモジモジして、次第に思い積めた表情をし始めた。そして五分間の沈黙が流れた後、ようやく口を開いた。
「ねぇ先生、努力って意味ある?どんなに努力しても天才を超えれないなら僕達って努力する意味あるのかな?」
その真一の唐突な質問が理解できず、私は困惑してしまった。事情を聞いてみると、学校の同級生に「お前俺より勉強してるくせに俺より成績低いとか才能ねぇーんじゃねえの?」という心無い一言を言われたそうだ。元々内気な少年である真一はその言葉を真に受け、がんばることの根本に疑問を持ってしまい、そのせいで勉強が捗らないという。
もう少しその気持ちを察することができればよかった。まだまだ私は教育者として未熟であったと思った。私はすぐにその疑問を解決するための知識を頭の中で総動員して探した。
「こんな話があるのだけれどちょっと聞いてもらっていいかしら?」
「何?」
「まず前提として、天才は超えられるものなのよ?」
「え?どういうこと?」
真一は疑いの表情をして私を見る。
「これはクリティカルシンキングという能力って知ってる?」
「うんん、知りません。なに?クリテシカルシンキングって」
「この能力はなんと唯一、一般人が天才を超えることができる能力で、これを鍛えれば、天才以上に人生を豊かに幸せに変えることができる可能性があるの」
「へー!すごいね!」
「もっと具体的に言うと、クリティカルシンキングとは、
【感情や意見に流されることなく、客観的に物事を判断しようとする思考プロセス】
のことを言うの。このクリティカルシンキングを鍛えてないと、例え自分が天才であったとしても困難な状況になるわ。まぁ頭のよさの1つの指標としてIQがあって、確かに生まれ持った才能で壁を乗り越えられる人もいる。でも、天才といわれるくらいにIQが高くても、社会生活に馴染めなかったり、他の人に理解されずに不満を抱いたり、そんな困難の壁にぶつかったりして不幸なままの人はいるじゃない?知能犯と呼ばれる犯罪もそのいい例ね。つまりIQ的な頭の良さでは、人生の豊かさや幸せの度合いは決まらない。じゃあ、その困難の壁に立ち向かうためにどうすればいいかというと、【感情や意見に流されることなく、客観的に物事を判断しようとする思考プロセス】、つまりクリティカルシンキングの能力で決まるというわけ」
「そっかー、わかった、でもじゃあそのクリティカルシンキングってどうやったら鍛えられるの?」
「それずまり言うと、【批判的思考】を持つこと。つまり、何でもすべてを無批判に1つのパターンに当てはめて考えようとするのではなく、「本当にこの方法でいいのか?」とか「あのやり方でもない、このやり方でもない、じゃあこのやり方はどうだろうか?」という風に、
【自分の見方・考え方を疑って、別の方法や道はないかと考えて、答えを導き出す】
この思考を常に頭の中に置いておくことよ」
「ちょっと難しい」
「そんなに難しいことじゃないわ、だって今日君が思った『天才は努力の量で超えられないのだろうか?』という疑問は、自分の今までの考え方を疑った証拠じゃない?そういう機会をくれた友達にはムカつくけどある意味感謝ね。今回はその考えの答えを私が言っちゃったけど、そこで私に聞いて【クリティカルシンキング】のことを知った。そうやって考えていった過程はまさにクリティカルシンキングを鍛えていることになるんじゃない?」
「あ!そうか!確かにそうだね!」
真一は今まで雲にかかった表情から一転して、ニパっと笑って笑顔になった。その様子を見て私はとりあえず彼の中にある問題を一つ解決できたと思う。体はどんどん成長するが、こういう表情を見るとまだまだ子供だなと感じて、可愛く見えてくる。
「じゃあ早く勉強始めましょうか?」
その後は真一はどんどん進んで勉強していった。
参考文献:
『天才脳をつくる!メンタルナゾトキ』メンタリストDaiGo,松丸亮吾




