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カルミアの魔女  作者: 黒目
第二章 絶対私はキャバ嬢で成り上がる!
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第二十五話 トラウマ再来

 カルミアで働き始め半年が経った。最近自分で気がついたことがある。これまで数々の男性客を相手にしてきた。その度にワクワクしていた自分がいる。体力的にも精神的にも直接悪意をぶつけられることもあるが、それ以上に根本的に男性嫌いなのだろう。一日に○してやりたいと思うことは五回はある。心情とはなんとも矛盾している感覚だ。


 ただ間違いなく言えることは、この接客している人間の、心の奥に抱えている物はなんなのか?それを探り、心に抱えている問題を見つけた時は、どうすればそれを改善できるのか?改善案を提示した時はどんな反応を示すだろうか?その人間の本質的な問題に迫っていくことがたまらなく面白い。今日はどんなお客がくるのだろう?そう思うと出勤時の足取りが軽くなる。そんな好奇心と探究心に満ちていく日々と、この場所【クラブ:カルミア】が私は心地よかった。

 今まで学校はもちろん、家ですら私の心が満たされる場所はなかった。いつも冷たい風がヒューヒューと私の中に吹き、そうでない時はその冷たい風が荒らしのように吹き荒れる時しかなかった。しかし今は違う。時には暖かく、時には熱気に満ちるようになり、私は今全力で生きている。自信を持ってそう感じられる。


 そんな平穏さを感じている時に事件が起こった。


 いつものように私はカルミアで男性客を接客する。今日は一時間で二人の男性から場内指名を一回ずつ取れた。この内一人は本指名に繋げることができると感じた。一人は綺麗な若い女性と飲みたいだけという感じの男性だった。この男性からリピートされることはあまりないだろうと思う。


 しかし、もう一人は好奇心旺盛な性格で、私が話す内容を非常に興味深く聞いてくれた。帰り際にはまた是非キミと話したいと言ってくれ、これは私の必勝パターンの本指名へ繋げやすいと感じた。


そして気分上場の中、私は次の席に着いた。


「レイです。よろしくお願い致しま・・・」


 私は挨拶している最中に、その男性の顔を見た瞬間、背筋が凍った。


「お前・・・」


 男性が私に何か話しかけようとした瞬間、私の体は全力で拒否反応を示し、その場から逃げ出すように走りだす。


 そして気がついた時にはドレス衣装の部屋の隅で蹲っていた。その場にいてどれくらい時間が経っただろうか?5分?10分?いやおそらく1時間は経ったのではないかと思う。途中で「おい!?どうした!?」と言いながら沖田が私の肩を揺す。同じ日に出勤していたエミリやユリも「どうしたの?」と、声をかけてくれていたと思うが、私の思考が人の声を認識できなかったのだ。


 私はどうすればいいかわからなかった。どんなことがあったとしても、店に戻って接客することがプロである。頭ではわかっている。しかし冷静になろうとすればするほど、どんどん思考が回らなくなってくる。


「早く戻らないと、戻らないと、戻らない、戻らな、戻ら、モドラナ、モドラ、モド、モドモドモドモドモドモドモドモドモドモドモドモドモモドドモドドモドドモドドモドドモドドモドドモドドモドドモドドモド」


「レイちゃん!?」


 私はビクっとして条件反射的に後ろを振り向いた。すると息を切らしている麗がそこにいた。その麗の姿を見た瞬間私は押さえていたダムが決壊したように泣き出し、麗の胸に飛び込んだ。

そこから一体どれくらい時間が経っただろうか?その柔らかい胸の中でまた時間の経過が分からなくなる。その間麗は私の頭を撫でてくれた。その暖かさと柔らかさに包まれると、自然と冷静さを取り戻し、今日見た時の映像が頭の中でブラッシュバックされていく。そしてあの顔が明確に映し出されていった。


 私の実家で、私が思春期の時から何年も隠し撮りをし、それを自分のオナネタにしていた、




【性的虐待父親】



の顔だ。


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