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カルミアの魔女  作者: 黒目
第二章 絶対私はキャバ嬢で成り上がる!
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第二十一話 無自信男!行動力を身に付ける方法???

「どうやった自信というもがつくんだろう?自分に自信なさ過ぎて行動に移せないんだ」


 目の前にいる男は長宮ながみやと言って、最近私をよく本指名する男性客だ。年齢は36歳、中小企業の工場作業員だ。自分が話すことが好きで、私はよく聞き役になっている。彼の感覚からすれば、若い女性に自分の話を聞いてもらえることが重要で、理解者として接してくれることを望んでいるようだった。ただ、その日はいつになく落ち込んでいた。どうやら好きな女性ができたらしい。しかし自分に自信がなく、好きという気持ちを自分で理解しても行動に移すことができずに悩んでいるとのことだ。


「彼女ほしい!けど告白できない!」


 その行動力についての悩みを聞いた瞬間、私は以前五十嵐(第十四回の男性)の時に話題に出そうと思った。


「行動力を上げる方法について1つ気になる本を読んだことがあります。それを話してもよろしいですか?」

「是非教えてほしい!クリスマスまでに彼女がほしいんだ!」

「マイケル・ボルダックさんという方をご存知ですか?」

「だれ?それ?」

「世界各国にクライアントを持つ成功のコーチングをしている方で、数千人の受講者を前にセミナーを行う国際的なスピーカーでもあります。これまでボルダックの著作は日本で4冊出版され、いずれもベストセラーとなりました。そして自分がコンサルティングした人は何億という利益を出しているのに、当の本人は年収が一億円となる奇妙な人です」

「へ~面白い人だね」

「そのボルダックさんによると、行動力のない人間の足にしがみついているのは、ビリーフです。ビリーフとは、"信念であり、確信の度合いの高い思い込み"のことです。 失敗や挫折などがもとで、「私には無理だ」「どうせできない」と思い込んでしまう。ボルダックは、このような"自らの可能性を閉じてしまうようなビリーフ"のことを、


【リミティング・ビリーフ」(自分を制限する思い込み)】


と呼びます。このリミティング・ビリーフを打ち破り、目標に近づく一歩を踏み出す。そのための手段のひとつが、「大きく考え、大きなゴールを設定する」ことです」

「リミティングビリーブ、思い込みか~」


宮長は腕を組み、大きく考え込む。その様子を見て少し間を空けて私は話し始めた。


「これは私も学生時代に思い当たる節があるのですが、私は本当に勉強しない人間でした。教科書を見るだけで眠くなり、なんの役に立つかわからないからという理由のせいです。何より一番は【自分自身が勉強や物を覚えることが苦手である】と思い込んでいたように思えます。なので、今まで本を読むことはありませんでした。しかし、今では多くの本を読み、人に接客をする仕事で話をする事前情報として多くの物を学んでいます」


ここで少し話を区切り、会話に一呼吸置く。


「この私が学生時代でかつて陥っていたリミティング・ビリーブを打ち破るためにどんな思いや決意をしたかというと、


【貧困から脱却し、絶対就職活動を成功してやる!という思い。そしてその後キャバ嬢として成り上がる決意】


です。その思いや決意を経て今私は多くの本を読んでいます。私自身もこんな風に四六時中本を読むことになるなんて想像もできませんでした。このように私は自分のリミティング・ビリーブである【自分自身が勉強や物を覚えることが苦手である】という考えを今では打破することができました。そして長宮さんも


① 目標達成したくなる大きな理由を持つこと。

② 自分のリミティングビリーブがどのような物か自分で認識すること


これを考えてみてはいかがでしょうか?」


 正直最初キャバ嬢になる時は、麗の決意に押されてなったかもしれない。しかしその後自分の無力さを知り、なんとしても有意義な時間を過ごしてもらおうと頑張ったのは私自身だ。また貧困で悩み、就職活動で何度も地獄を味わったからこそ言える。


 その後私は五十嵐の時のように【自己規制】の大事さや、その根拠となる【マシュマロ実験】の話をしていった。そこまで話すと長宮は満足した表情で、カルミアを後にしたのだった。私は気分よく納得してくれたと思い、その日はこれ以上長宮のことについては考えなかった。


 しかし数日後、長宮から来た一通の連絡で私は少し困惑してしまった。同時に反省もした。

 

「前はありがとう。とても参考なったよ。でもやっぱり俺は行動できないや。あれからデートに行ったんだけど、やっぱり好きな人を目の前にすると告白できなかったよ。ごめんね、せっかくアドバイスしてくれたのに生かせなくて」



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