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カルミアの魔女  作者: 黒目
第二章 絶対私はキャバ嬢で成り上がる!
23/54

第十五話 恋の悩み多き会社員客!麗華流デートに誘う方法

今話の登場人物

佐藤:29歳(未婚)前回の登場【第二章、第三話】


「こんばんは、久しぶりだね」


 私は今日は本指名をもらった。以前恋愛案を提案したことがある佐藤だ。彼は当時恋愛がうまくいっておらず落ち込んでいた。そこでどうすれば付き合う前に相手が良い相手かを見抜く方法はないものか?と考えていたところ、後日私が1つの案を提案し、喜んでくれた客の一人だ。その佐藤が今日は私を本指名してくれたので、私は彼の席に着いている。


「以前はありがとう。【男性女性のどちらが働いているかということは関係なく、本人の誠実性が高かった場合は収入や仕事、人生の満足度が高くなる】だっけ?あれは本当にその通りだなと思ったよ。我ながら耳に痛いことだった。いい相手を見つけるためにまず自分自身を鍛えないといけないことがよく分かった。正直当たり前のことだけどね」


「ははっ」っと佐藤は薄く笑い、目線を外してウイスキーを飲む。


「それで、どうですか?いい相手は見つかりましたか?」


 私は佐藤が何か話したがっていることを直感で悟った。そして佐藤が話したがっているであろうと思われる内容に切り込んでいく。


「う、うん。まぁね」


 佐藤は少し照れるように目線を下に落とし、またウイスキーを飲んだ。


「それはおめでとうございます。よかったですね。良い相手が見つかって」

「いや、それがまだそんな関係じゃないんだ」


 なるほど、好きな相手が見つかっただけということか。気になるけどアプローチはこれからと言ったところだろう。


「あら、その意中の相手にはアタックしないんですか?」

「うん、まぁアタックしたいんだけど、どうすれば成功するかなって考えちゃうんだ」

「なるほど、その話、もう少し踏み込んでお聞きしていいですか?」

「もちろん、実はその話を聞いて欲しくてここに来たんだ」


 私の中で好奇心スイッチがポチっと音を立てて入ったことが感じた。同時に初めて接客した男性でもあるので、できるだけ良くしてあげたいとも思った。その悩み、私が持てる知識を全て使って良い提案ができるように、私は全神経を注ぐ勢いで彼の話に耳を傾けた。


「彼女は違う部署にいる。名前はミカ。まだ正直仕事絡みでしか会話をしたことがないんだ」

「なるほど、告白以前にデートもまだなんですね?」

「あ、でもね、彼女はその部署でも評判が良くて、仕事も事務職って言う少し地味な仕事だけど、毎日コツコツ真面目に取り組んでくれている。誠実性も高そうな感じがする。まだ以前キミに送ってもらったビックファイブテストでは測ってないけど、たぶん彼女は付き合うと長期的にいい関係になれると思うんだ」

「そうなんですね。それは是非お付き合いしたいものですね」

「うん、できればクリスマスは一緒に過ごしたいな~なんて薄っすら思っているんだけど、デートもまだだから、どうやってアタックしようかなって悩んでいる。どうかな?」

「ん~そうですね」


 相手の確定的な情報が少ないが、佐藤の要望は理解できた。要するに「デートの成功率を上げる」にはどうすればいいかということらしい。私はいつものように知識の点と点を繋げながら1つ提案してみる。


「とある研究こんなものがありまして、99人の男女を集めて、参加者を2つのグループに分けて、短いエッセイを書いてもらうという実験を行っています」

「へ~、どんな研究?」


「まず、

①自由にエッセイを書いて下さいとお願いしたグループ

②アルファベットの E から始まる単語は使わないでエッセイを書いて下さいとお願いしたグループ


英語ではアルファベットの E から始まる単語はかなり多くて、これが使えないとなると、文章を書く際に違う言い方を考えたり結構悩むようになります。結構難しいので頭をかなり使い脳がかなり疲れてしまいます」

「つまり、普通にエッセイを書いたグループと悩んで頭が疲れたグループに分けて、参加者全員に美男女の写真を見せて、その人からお誘いを受けたらあなたはついていくかということを尋ねました。その結果、


【アルファベットの E から始まる単語を使わないでエッセイを書いて下さいとお願いされ、脳を疲弊させていたグループは、普通にエッセイを書いたグループに比べて、誘いに応じやすかった】


という結果が出たんです。そして美男女の写真を見せられて、その人に誘われたらついていくかという質問に対して YES と答える確率が高かったということです。確率としては30%も高くYES と答えたということです」

「なるほど、相変わらず凄いね。よくそんなこと知ってるね」

「要するに、人間というものは、仕事が終わった後や少し頭を使うような作業をした後には、1.3倍も異性からの誘いに乗りやすくなる可能性があるということです。なぜそのような結果になったかというと、人は脳を酷使すると考えるのが面倒になってしまいます。考えるのが面倒になってしまうと、流れで軽く判断をすることが増えてしまい相手の誘いに乗りやすくなるということです」

「なるほど、要するにキミが言いたいことは、相手が疲れている時にデートに誘えば、成功率が1.3倍になる。ということ?」

「そうです。今は水曜日ですから金曜日の夜などに誘えば上手くOKを貰えるんじゃないかと思います」

「う~ん、そうか~」


 佐藤はイマイチいい反応を示さない。私は瞬時に次の手を考える。


「正直今の話を聞いてもまだ不安感が勝るな~」

「ではこんなのはいかがでしょうか。ダニエルギルバートさんというハーバード大学で心理学の教鞭を振るっている方がいるのですが、その方がこんな研究をしました」

「バージニア大学の女子大生20名を対象に実験を行い、参加者たちにはオンラインデートの実験だと伝え、同じ大学に通っているとした4人の男子学生のフェイスブックのプロフィール、経歴や学歴、交際ステータス、自己紹介文等を見せました。その4人の男子学生に対しては、事前に参加者の女子大生たちのプロフィールを見てもらい好感度を採点してもらっていると伝えました。その採点の結果を聞いた後に、女子大生たちが、どの男子学生に会いたいと思うかということを調べました。

男子学生の好感度は、

①「とても好き、付き合いたい」

②「好きでも嫌いでもない、普通」

③「好きか嫌いかわからない」

の3つで女子学生たちを採点しています。この3つの評価をしている男子学生の内、どの好感度を示している男子学生とデートをしたいと思うか、ということを調べたんです。つまり、女性は相手の男性が好意を向けている場合と、どちらでもないという場合と、よくわからない場合の内で、どの状態の時に最もデートの誘いに応じやすいのかということです」

「なにそれ、凄く面白いね。会ってもいないのにデートしたいとか思うもんなの?」

「でしょ?私もこの研究も見た瞬間、実験結果がどんな風になるんだろう?と、想像ができませんでした。そして結果ないついてなんですか、


【最もデートの誘いに応じてくれやすいのは、「好きか嫌いかわからない」という状態】


と、なりました」

「へ~何考えてるかわかんない人とか一番低いと思ってたよ」

「そうですよね、私もどっちかって言うと基本はわかりやすい人が好きですが、でも確かに私自身最初にデートに誘われるならよくわからない人が一番興味が湧きますね。好奇心旺盛な性格なので!」

「あ~確かに、キミはそうだよね」

「ちょっと、それどういう意味ですか?」


 佐藤は私をからかい。そして私は彼の求めていそうな返答をする。お互いの対応で笑い合った。佐藤も私という人物をある程度理解してきたのだろう。そのちょっとしたやり取りがお互いを知っているからこそできるやり取りなので、相手の考えていることがわかりやすくて心地よかった。


「要するに、不確実性が興味につながる。と、言うことです。とはいえ、全く興味のなさそうな人は流石に微妙でしょうが、


【興味がありそうにも見えるし、時には興味がなさそうにも見えるという人が、実は最も興味を持たれる】


というわけです。人間って面白いですよね」

「面白いよね。日々色んな人と出会ってこの人なに考えているんだろう?って思うことはたくさんあるけど、でもそれが面白いんだよね。はっきり見えすぎるのがつまんないって、贅沢な奴らだな、俺たちって」

「そうですよね、私もこの仕事についてそのことを痛感します」

「でもどうせ行動するならもっと上手くいく方法は見つけたいね」

「私でよければ一緒に考えますよ?」

「じゃあ、よろしく頼むよ」


 佐藤は両太股に手を置いて、深く頭を下げる。本来は客である佐藤がキャストの私に頭を下げるという光景が本質とは逆をついており、そのおかしな光景にまた佐藤と私はお互い笑った。

 その後ある程度の佐藤のデート成功作戦を一緒に考えた。日時や場所はもちろん、誘う時のシチュエーション、声のかけ方、それらを演出するにはどうしたらいいか?考えられる要因をすべて考え、ある程度まとまったところで佐藤は席を立った。


「今日はありがとう」


 佐藤はまた私にお礼を言う。私も普段と同じようにエレベーターが閉まるまで、深く礼をして佐藤と分かれた。おそらく佐藤はいい人だ。だからこそ上手くいくといいなと思う。今後の経過が楽しみである。





参考サイト:

https://daigoblog.jp/dating-successrate/

https://daigoblog.jp/howto-invite/


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