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カルミアの魔女  作者: 黒目
第二章 絶対私はキャバ嬢で成り上がる!
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第五話 営業結果

 キャバクラへの通勤中に昼に送った連絡の返答がきた。一瞬ドキっとしたが返答内容を見てみる。


1.武からの返答

「一瞬なんだこれは!?ってびっくりしたけど、こんなに考えてくれるなんておじさん嬉しいぞ!なにより謙虚さが可愛い!キャバクラにはこれからも通うから麗ちゃんと共に俺を癒してくれ!これから大変だろうけどかんばるんだぞ!」

2.田中からの返答

「すごくたくさん調べてくれてありがとう。正直あまりキャバクラってのは女性が多くて苦手だったけどレイさんみたいな人もいるんだなって思いました。また上司に連れられていくかもしれませんが、その時も話を聞いてやってください」

3.佐藤からの返答

「すごく物知りなんだね。説明も分かりやすいしとても納得できた。真摯に対応してくれてありがとう。常務に連れられてキャバクラにはたまにいくけど、こんな連絡が来るキャバ嬢のは初めてだ(笑)。是非また会って話をしてみたい。近々また行かせてもらうね」


 それぞれの返答を見てホっとした。正直この世界では型破りな方法であったことは自覚していた。自分が何も出来なかった悔しさ半分で送ったものだったが、どの返答を見ても応援や好意的な連絡ばかりで素直に嬉しい。しかしキャバクラが近づくにつれてやはり不安がどんどん募っていく。昨夜のような置物状態には決してならない。そう決意をして今日もキャバクラの門を叩いた。


「あらレイ、早い出勤ね」

「お!この子やっぱり入ったんすね!いやーやっぱ俺の読みどおりだわ!」


 出勤30分前に店に着くと、麗と私にこのキャバクラを初めて紹介してくれた黒服の男性が迎えてくれた。


「今日もよろしくお願いします」

「こちらこそよろしくね」


 私は麗に会釈すると、彼女はニコっと笑い握手してくれた。最初に出会った頃とは雲泥の対応の差だ。彼女の中でなにがあったのだろう?


「え!?え!?!?!?麗さんどうしちゃったの!?」

「何よ?沖田くん?」

「あんなに中悪かったじゃないすか!俺そのせいでこの子に脇腹グーパンされたんすよ!あの後10分間は立ち上がれなかったんすから!」

「そんなこともあったわね。そういえばあれがきっかけか~~~」


 沖田と呼ばれる黒服の男性が当時の様子をシュミレーションするかのように、脇腹を抑えて痛みを表現する。そんな中麗は遠い懐かしき日々のように顎に手を置いて店の天井を見る。


「ま、細かいことはいいじゃない。とにかく私は彼女が気に入ったの。わかった?」

「は、はぁ~。まぁ麗さんの言うことなら従います」

「じゃあレイ、少し早いけどメイクを整えましょうか?」

「え!?麗が直にメイクするんすか!?珍しいー!!」

「あんたは一々うるさいのよ、もう一回絨毯の上を転がりたいの?」

「申し訳ございませんでした」


 私は昨日と同じようにメイクとドレスコードは麗に、ヘアメイクはお店の担当さんにお願いして私はお客さんを迎える身支度をした。店が開店するとお客さんを連れてきた先輩キャバ嬢の人たちが店内を賑わしていった。私はというと待合室で今日の朝から夕方までに役に立ちそうな知識をまとめたノートを見て復習する。

 例えば、以前麗が私を勧誘した時に話した、相手の性格を見抜くには、自分で意思決定している所有物を見ること、その中でも靴に着目するということ。これは後から調べてみて分かったことだが、これはカンザス大学の研究で、人の性格はその人の靴に現れるというものがある。しかも、ほぼ90%の確率で何の訓練もなく性格を当てることができるという凄い研究だ。ただしサンプル数はそれほど多くはなく、63人の男女に実際の所有者がいる色々な靴を写した208枚の写真を見てもらうという実験を行った。そして全員にその靴を履いている持ち主はどんな性格だと思うかということを尋ねました。用は『写真に写った靴だけを見て持ち主の性格を予測したその答えと、心理学的に分析した持ち主の性格を比較する』ということを行ったのだ。するとどのような結果だったのかというと、


【約9割は全員が持ち主の性格を当てることができた】


というものになった。例えば、外交的な人はカラフルな靴、誠実性の高い人は手入れしながら長く靴を履く等を見抜くことができるのだ。恐らく麗はこのような根拠を持ってあの時発言したわけではないだろう。しかし自分自身の経験によって身につけ、科学的にも正しい根拠のあるものに仕上げていったのだ。そういう見方をすれば私は次第に麗を好意的に受け取ることができてきた。


 というような、人の心理をベースに相手を見抜き、何を求めているかまで網羅し、バッチリ対策してできたのがこのノートだ。おそらくもうすぐ誰かのヘルプにつくだろうと予測できるので、私はできる限りの時間を知識のインプットに使い、様々な接客パターンをイメージしていった。しかし開店20分後に、そのイメージが吹き飛ぶ一言が黒服の沖田から放たれた。


「お客様入りまーす!レイさんお願いしまぁーっす!」


 私は沖田の発言の意味がわからなかった。何をお願いされたのかがさっぱりわからなかった。同じように待合室で待っていた他のキャバ嬢から一斉に私に視線が集まり、心臓の鼓動が一気に早くなるのを感じた。すると麗が後ろからポンっと私の肩を叩き、


「凄いわね、入店二日目で【本指名】が入るなんて。さすが私の見込んだ女ね。さぁ、いってらっしゃい」


 麗は方に置いた手を滑らせるように私の腰に移し、待合室から退出させた。私は恐る恐る私を指名してくれたお客さんの所にいった。


「あ、ど、どうも。今日連絡ありがとうございました。昨日の今日ですみません。もう一度レイさんとお話したくてきちゃいました。どうかよろしくお願いします」


 なんと私を指名してくれたのは、今日の朝に連絡をした田中だった。


参考文献

https://daigoblog.jp/shoes-firstimpressions/

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