序章 転生準備
「転生、か、」
俺は死をも司る神であった。だから生き物の生死などの仕組みをある程度は聞いたことがある。生き物は死ぬと、この亜空間を通り記憶などを消されそのまま、また生き物に転生させられる。この時人と言わないのは意思が無くても魂に刻まれた情報なども、全て消されるからである。話はそれたが、もし俺が転生するならば今ある記憶は消される。そして記憶の無いままどこかに転生させられる。
「ふう、転生、するか」
俺は早速転生の準備に取りかかった。まず俺が転生する中で条件を決める。まず記憶を残す。次に力を残す。そして転生先を決める。この3つは最低でもいる条件だ。まず最初の記憶を残すだが、これは魂を分解して物に宿らせる。すると転生した自分がそれに触れると魂と結合し、少しづつこの邪神の能力や人格が戻る。次に力を残すだが、これも魂を分解することで解決出来る。そして最後の転生先を決めるだが、これが一番難しい。転生は普通ランダムで決まるが、これをねじ曲げるにはこの亜空間の回路をランダムではなく絶対に一カ所に辿りつくようにしなければならない。これは出来るがその肉体に自分以外が入ることが考えられる。しかし仕方がない。
「さあ、始めよう」
俺はそう言って俺の権能、生物創造を発動した。
「ほう、今下界には魔物というのがいるのか。一番強くて闘神の子供程度か。なら、、、」
俺はそう言って新しい魔物を創った。魔物の名前は帝龍。下界には竜という種族がいるが、今回俺が創った龍はこんな竜よりも数千倍は強く成長する。早速俺は下界に帝龍を創り、それを魂だけが通れるよう封印した。
「ふぅ、次だ」
汗をかきながらも次は自分の魂に自分を刻み込む。しかしこれは普通の記憶などより深く刻む為とてつもない痛みを伴う。
「ぐ、ぐぁぁぁ」
俺は唸り声を上げながらも魂に刻みつけていく。
数百個の並行思考がある俺だが、これをしているだけで、どんどん壊れていく。その度に再生しているが気を抜けば即効で意識が壊れてしまうだろう。その準備が済むと、そのまま魂を分解していく。
「ぐ、、、ぐぁぁ、、、、ぐ、、、ぐぐ、、、ぐぁ、、ぐぁぁぁぁ」
とんでもない痛みを耐えながらとんでもなく集中力を削る作業をする。今、俺がしていることはとんでもない力を消費する。
「ふぁぁ」
俺はひと仕事終え、どんどんと、魂は分解されていく。そして魂が分解されていく中、俺がしたのは肉体に向かう魂に自分の人格を植え付け、自分が知り得る情報を肉体に送り込んだ。
「絶対、、ちか、をとり、、して、、、」
俺は薄れる意識の中願望を言葉に乗せ弱々しく言い放った。そしてどんどんと俺の意識は闇に落ちていった。
「俺の願い、絶対に叶えてやる。」
この時、新たな何かがうまれた。