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魔物使いはめんどくさがりながらも相棒と異世界で生きていく  作者: 千歳
2章~仲間集め編とも言う~
27/42

兆し8

遅れて申し訳ありません。

ほんとに戦闘シーンを書くのが難しくて…

 ノクシーに精神干渉への対抗魔術を始め、出来るだけの補助魔術を貰い、ティバリーのポーションで細かい傷も治した。

 多少の引っ掻き傷や、切り傷程度で高価なポーションを使うのはもったいないと慎二は遠慮したのだが、ティバリーは「これくらいしか出来ませんから」と押し付けてきた。

 おかげで体の傷はキレイさっぱり消え、疲労も回復した。

 傷はぱっと消えるわけではなく、瘡蓋のようなものが出来て、ぽろっと取れると塞がっていた。

 再生能力を強化しているのだろうか。後でノクシーに聞いてみよう。

 そんなことを考えながら、慎二は[気配探知]で距離を計りながら"何か"を待ち構えていた。

 

 姿を表した"何か"の様子はまさしく異様だった。

 気配で探った通り、歩く度に頭をがくがくと揺らし、口はあんぐりと開かれたままでよだれを垂らしている。

 オーガの肌は赤みがかっているらしいが、それも変色し黒に近い紫。

 白いままの角が異常に目立つ。

 気配で確認するまでもない。

 "何か"だ。

 

「うわ、気持ち悪っ」

 

 それが慎二の感想だ。

 前世で見たアメリカのホラー映画に出てきそうだ。

 

「おら!」


 慎二は足元に転がっていたナイフを投擲。

 見事に腹部に命中するが…

 

「全然反応なしかよ。いや…」

 

 感覚がないのか、それを受け取る脳がないのか、痛みを感じている様子は微塵もない。

 しかし、"何か"は刺さったナイフをじっと見つめると、慎二に目を向ける。

 

「ガァァァァァ℘∀∂∃∅∆∋∇∉」

 

 理解できない雄叫びをあげて、ようやく戦闘態勢に入る。

 しかし、それを待ってやるほど慎二もお人好しではない。

 雄叫びをあげている間に一足で距離を詰め、懐に入る。

 

 相手が武器を持っており、しかも遠距離からのちまちました攻撃が効果を示さない以上、距離を取っておく意味がない。

 

「ふんっ」

 

 狙いは魔石。

 アンデッドであるとすればそこさえ壊してしまえば消滅するらしい。

 飛び込んだ勢いそのままに[硬化]した手刀を胸部に見舞う。

 "何か"の振るう棍棒を避けるために狙いは多少ずれたが、手刀はあっさりと腹部を貫通した。

 

「こんなもんか?」

 

 そう思い、手刀を引き抜こうとしたその時。

 

「っつ」

 

 [硬化]を解除していた右手に痛みが走る。

 "何か"が背中越しに手を強烈な力で握ったのだ。

 ゴキゴキと手から嫌な音が聞こえる。

 しかし、痛がっている暇はない。

 "何か"は握っていた棍棒をあっさりと捨て、空いた手で自分ごと殴るのも厭わず拳を振るってきた。

 

「っち」

 

 迫る拳を体を半身にし、受け止める。

 

「力も異常かよ」

 

 慎二自身も鍛えており、[身体強化]も既に使っている。

 しかし、それでも拳を押し返せないどころかむしろ押されている。

 普通ならば力を入れにくい体勢であるにも関わらずだ。

 更に攻撃は止まらず、"何か"は慎二の頭を噛み砕こうと先程まで以上に口を開く。

 慎二は掴んでいた拳を離し、しゃがみこんでそれを回避。

 拳は見事に胸を強打した。

 それでも握られている手は離されない。

 

「なら…よっと」

 

 胸部を叩いた"何かの"腕を掴み取り、貫通している自身の腕に力を込める。

 そのまま体を捻った。

 背負い投げの派生だ。

 "何か"には何をされるのか理解出来なかったのか空中でバタバタと暴れる。

 その際に掴まれていた右手が解放された。

 "何か"は受身も取らずに地面に脳天直撃。

 角も真っ二つに折れた。

 

「グガァ」

 

 小さく呻いて倒れこむ。

 慎二は倒れている"何か"に目を落とす。

 

「思ったよりあっけないな。いや、腹を貫かれても平気なやつだしな。アンデッドってのは恐ろしいな」

 

 ようやく抜けた右手を擦りながら"何か"を見下ろす。

 右手は指の骨がかなり折れていて使いものになりそうにない。

 

「ま、この程度は慣れっこだけどな」

 

 前世でも稽古の組手で骨折や打撲なんてのはよくあった。

 当然痛みはするが、今更大袈裟にするようなことでもない。

 

「さて、今のうちに骨を外しておくか」

 

 いくらゾンビでも体の構造が変わるわけでもなし。

 骨と筋肉で動かしているはずだ。

 慎二は無事な左手と足を使って、肩、股関節など大きな関節を外していく。

 首の骨と歯も踏み折った。

 あれだけ異常なのだ。

 念には念をいれておくべきだろう。

 そのタイミングでノクシーの声が聞こえてきた。

 振り返るとティバリーと共にこちらへ近付いてきているのが見えた。

 

「シンジ!やったの?魔力がだいぶ減ったみたいだけど」

 

「あぁ、大丈夫だ。そっちは大丈夫なのか?」

 

「問題ないわよ。残党は犬っころが相手にしてるわ」

 

「ギ、ガ、ガ」

 

「おいおい、まだ生きてるのかよ」

 

「さっさと魔石を抜いちゃいなさいよ!」

 

 "何か"は呻きながら体をもじもじと動かす。

 アンデッドの生命力にはほとほと呆れる。

 アンデッドなので生命力というかは疑問だが。

 

「はいはい。お前ももうおとなしく成仏してろ」

 

 慎二は左手を[硬化]し、"何か"の胸に突き刺すと拳ほどもある魔石を抜き取った。

 

次回は21日深夜更新です。


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