エピローグ (一日の終わり)
授業も終わり、生徒達が下校する時間となった。
そんな中、夜は教室の窓から夕日を眺めていた。
「夜くん。もう下校の時間だけど……」
俺はメモ帳を取り出す。書いた文章を日菜に見せる。
「……まぁ、確かに夕日は綺麗だけど」
俺はメモに再び文章を書く。
『皆んなスマホばかり見てる。夕日がこんなに綺麗なのに、誰も見ようとしない』
「夜くんって結構ロマンチストだったりする?」
俺は首を横に降る。
「……そっか」
日菜はそう言うと夕日を眺めた。
「確かに、綺麗だね……」
夜と日菜は夕日が山に沈みかける時まで夕日や、雲を眺めた。
「今日も色々あったね〜。まさか保健室にお世話になるなんて……」
夜は静かに頷く。
「明日って何かあったっけ?」
メモ帳に文字を書く。
『社会見学だろ、確かどっかの工場……』
「社会見学!?明日だったの!?」
(先生の話聞いてなかったのか)
「色々準備しないと……私先に帰るね!」
日菜は少し駆けると振り返って夜の方を見る。
「明日ってバスで行くんだよね!」
夜は縦に頷いた。
「明日のバス、一緒に乗ろうね!じゃあね!」
夜は優しく手を振った。
(……)
一人となった夜は半分沈んだ太陽を見た。一日が終わるんだなと思った。
(時間って本当に経つのが早いな……)
そう思いながら夜は帰宅した。
青春を送れる時は思いの外、早く、短く感じました。