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第7話 (夢)
……。
俺は現在、自室のベッドで天井を眺めていた。
(……何で家にいるんだ?)
確か、世界史の授業を受けていたはず……。
それと、何かがおかしい。感覚が変だ。
確かに仰向けの姿勢である。だが感触が仰向けではない。どちらかというと、これは……うつ伏せ?
そう考えていた時だった。左手に針が刺さったような痛みが伝わる。
瞬きした瞬間世界が真っ暗になった。いや、俺の両腕が視界を閉ざしていたんだ。
俺は顔を上げた。隣にいた日菜と日菜が持っていたシャープペンシルがこちらを見ていた。
「夜くん、さっき寝たばっかりじゃん」
(……)
どうやら俺は寝ていたようだ。そして、夢を見ていたようだ。
授業はあと十分で終わる。俺は黒板に書いてあったことをノートに書き写した。そして、メモ帳を開き、白い紙に文字を書いてそっと日菜の方へ渡した。
「……?……お互い様だよ」
日菜はそっと微笑んだ。