第6話 (休息)
解剖で吐いた俺と日菜は保健室のベッドにそれぞれ横になっていた。
三時間目の授業が始まって十五分が経過した。俺はすぐに吐き気が治まったので正直教室に戻れる状態にまでは回復していた
それに対して日菜は割と重症だった。臭いがどうもダメだったようだ。今は隣のベッドで眠っている。
俺は暇なので窓の外を眺めていた。青い空の下をゆっくりと流れる白い雲をただただ眺めていた。
三時間目の授業が始まって三十分が経過した。
すると、
「……ん。……夜?」
どうやら日菜が起きたようだ。俺はメモ帳に文字を綴る。
『おはよう。調子は?』
「……うん。だいぶ楽になったよ。気遣いありがとね……あと、ごめんね?夜にも迷惑かけちゃって……」
『別に迷惑なんて思ってないからいいよ』
そういうと日菜は笑みを浮かべた。
「こうやってぼーっとしてるのも悪くないかも……」
日菜はあまりぼーっとしない性格なので、なんだか新鮮な感覚だった。
「……」
(……)
確かに、ぼーっとしたくなるな。
俺は再び窓の外を眺めていた。二羽の小鳥が互いに鳴き合っている光景が見えた。
そうして時間は経っていき、三時間目終了のチャイムが鳴ったと同時に俺と日菜は保健室を後にした。
四時間目は確か……世界史だったな。