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異世界に魔法なんてありません  作者: 土口 和
第1章 初めての異世界
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第5話 ぶらり街歩き2

またもや説明回になってしまいました

 アリシアの案内により二人は街を散策し始めた。

 歩きながらアリシアはこの都市について話し出した。

「ここはレリシア共和国の首都シクドレアで主に五つの地区に分かれているんだ。まず初めにこの辺りの地区は商人街だ。ここでは店舗を構える許可を得た人が店を開くことができるんだ。ここから真っ直ぐ行くと政治機能をメインとした地区に着くようになっている。さっき行った冒険者ギルドなんかもそこにあるな。そうそうシクドレアはほぼ円形の都市で中心に政治地区がありどの地区からでも、そしてどの地区へも行けるようになっているんだ。地区から政治エリアをみて西側には漁港地区が、東側には農耕地区があって、居住地区はこの街の外側を囲むようにできているな。うん、シクドレアについてはこんなものか」

「他の都市はどうなんですか?」

「そうだな、主な都市といえば、ここから北に行ったところにあるのが鉱山都市フィアレンツで、南にあるのが交易で栄えた都市リトノシアナ、東側には小規模な村が点在しているがこれといった大きな都市はないな、後は西側だがこの国の西側は海に面しているから漁村がいくつかある程度だな。ああ、そうそう東の国境付近には軍事要塞があるから、旅に出るならあんまり近づかないほうがいいな」

「要塞?この国は隣国と戦争をしているんですか?」

「ああ、そういえば行ってなかったかな?ここ最近になってダンションの影響で、住めない土地が増えてきたんだ。そしてその原因がアストロズ帝国にあるとして、ソリーデ教国がアストロズ帝国に戦争を仕掛けたんだ。この国の軍隊も帝国に攻撃を仕掛けたんだが帝国軍が予想外に強敵で中々攻め込めずにかれこれ三年は経っているな」

「今でも続いているんですね?」

「ああ、なんでも教国と帝国は未だに国境付近で戦っているそうだぞ」

「ところで教国と帝国ってどこにあるんですか?」

「おっとすまない、すっかり忘れていた。この星『ハールス』はフェア大陸と南極大陸の二つに分かれている。南極大陸には今現在住んでいる人はいないな、最も昔は人の住むコロニーがあったそうだがな。で今私たちがいるのがフェア大陸だ。形は殆ど長方形だと思ってもらって構わない。だいたいの国の位置は大陸を盾に三等分と二等分の線を引いて横に二等分の線を引いて左上三分の一がこの国『レリシア』だ。次に下側二分の一がセントケンサ合衆国だ。この国は表立って戦争には参加していないな。次に右端三分の一が戦争の原因になったソリーデ教国だ。この国はソリーデ教の総本山で、国民の殆どは信者だと言われているな。最後に残った場所がアストロズ帝国だな。尤も南の方はソリーデ教国が占領しているがな。だいたい分かったか?」

「よく分かりました。ところでそのソリーデ教っていうのはどんな宗教なんですか?」

「ソリーデ教は神の力の力を信じ、その神に祈りを捧げればその力によって助けてくれるなんていう宗教だな。ソリーデ教国には御神体がいるらしくてその声を外に発信する人もいるそうだぞ。まあ詳しくは知らんが」

 それを聞いた晴矢は、神の力と神の声をかけ聞く人間とはどんなものかを考えていた。すると突然アリシアが晴矢に言った。

「おお、あの店だ」

 そう言ってアリシアは一軒の店を指差した。

「ここは武器屋だ。戦闘能力がある人はもちろんのことだが無い人にもその人にあった武器を売ってくれるんだ。この世界に連れてきてしまったお詫びと言ってはなんだが、武器なんかのこの世界で暮らすための道具を送らせて欲しいんだ。晴矢の適正は濃い色だったから一応他の武器でも使えるはずだ。どんな武器がいいか今のうちに決めておけよ」

 そう言って晴矢とアリシアは武器屋に入っていった。


〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜



「いらっしゃい、アリシア。武器の新調か?」

 店員らしき若い男性がアリシアに向かって話しかけてきた。

「いいや、今日はこいつに武器を売って欲しいんだ」

 そう言ってアリシアは晴矢の方を向いた。

「へぇ、あんたが。なんの武器が欲しいんだ?」

 その質問に晴矢は晴矢は銃が欲しいと言った。


 もともと晴矢は地球にいた頃ゲームをよくやっていたのだが、その中でも特にはまっていたMMORPGで主に魔法を用いた支援職でプレイしていたので、その頃の名残で後衛の武器を選んだのだ。

 尤も彼は支援職でありながらその魔法の攻撃のdps(ダメージパーセカンド)は前衛職の攻撃をはるかに上回り、さらには味方への支援もしっかりと行うため一部の友人からは、晴矢が一人パーティーにいればこのゲームで倒せない敵はいないと言われたほどだ。

 この世界に魔法職はないので仕方なく後衛型の武器である銃を選んだといえどもらそれは彼にとって正しい判断であったであろう。

 もし仮に晴矢が剣を選んでいたならば、一から体を鍛えなければならない。いくら適正があると言ってもその武器を使うためには力が伴わなければどんな名剣でも(なまくら)の剣となんら変わりはないのだから。

 そんな理由もあってかどうか、晴矢は銃を選んだのである。


 閑話休題(それはさておき)、それを聞いた店員はカウンターの下から一台のタブレット端末のようなものをを出し、晴矢たちに見せた。

「この中から好きなのを選んでくれ、初めての武器らしいから安くしとくぜ」

 そのタブレットには拳銃やライフル、ショットガンなど一冊づつ異なる絵が描かれていて、どうやら種類ごとにページが分かれているらしい。

 晴矢は迷うことなく拳銃の絵が描かれているページに触れた。

「へえ、ハンドガンを選んだのか」

 隣にいたアリシアが声をかけてきた。

 どうやらこの名前は地球と同じらしい。

「アリシアさんもこの武器を使うんですか?」

「ああ、適正ががなくてもある程度は扱えるからな。なんだったらハルヤのも選んでやろうか?」

「ぜひお願いします」


 数分後

「よし、こんなものでどうだ?」

 そう言ってアリシアから渡されたタブレットに表示されていたのは見た目は銀色の拳銃でスライドの中央部分に一本の線が入った銃であった。

「いいですねこれ」

 そのセリフを聞いたアリシアは店員を呼んだ。

「おい、トーラス」

 どうやらあの店員の名前はトーラスと言うらしい。

「出来たか?」

「ああ、これで頼む。すぐ作れるか?」

「うーん、これぐらいなら五分もあれは作れるね。君ギルドカード持ってる?」

「いいや、まだだ。今回は私のカードでどうにかならないか?」

「アリシアが保証人か、了解。君、名前だけ教えてくれ」

「晴矢です。晴矢椹木」

「ハルヤね、了解。ちょっとここで待っててくれ」

 そう言ってトーラスは店の奥に入っていった。

お読み頂きありがとうございます

作中に出てきたフェア大陸のそれぞれの国の位置分かりましたか?

みなさんの反応次第ですが分かりにくいとの反応を受ければイラストを入れることも考えます。


トーラスに作ってもらう拳銃はオートマチック式の銃、よくエアガンなどのデザインで使われる拳銃ですね。スライドとは弾を装填するときに引く部品です。


次話は1月23日19時頃更新の予定です。

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