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異世界に魔法なんてありません  作者: 土口 和
第1章 初めての異世界
4/9

第3話 冒険者登録

今回は説明回です

「失礼します、サクデルです」

 その声とともに部屋に入ってきたサクデルは手に書類のようなものを持っていた。

「何ですか、それは?」

 晴矢の質問に答えたのはガルシアだった。

「登録証と適正測定器だ」

 登録証は何となく分かるが適正測定器とは一体なんだろうと晴矢が考えていると、アリシアが助けを出した。

「適正測定器とは、身体能力を調べて適正があれば濃く、無ければ薄く表される機械の事だ。さらに、色の種類でどんな武器があっているかも分かるんだよ」

「武器ってどんな種類があるんですか?」

 晴矢の疑問にはガルシアが答えた。

「適正のあるなしは色の濃さで分かり。薄ければ薄いほど適正があって、色によって武器の種類が分かるんだ。剣に適正があれば赤にに、銃に適正があれば青に、だな」

 それを聞いた晴矢はやっぱり銃が戦闘のメインなんだな、と考えていた。

「あのー、もうよろしいでしょうか?」

 サクデルが口を挟んだため、この話題は終了してしまった。

 晴矢としてはもう少し適正測定器について聞きたかったのだが、今は先にするべきことがあると気づき、そちらに意識を戻した。

「それではハルヤさん、まずは登録証からです。ここの必要事項について答えてください」

 そう言ってサクデルから渡されたのは、フィルムのような少し硬いシートだった。

「えーっと、サクデルさん。ペンとかはないんですか?」

「えっ?ああ、そういうことですか。それは口にするだけで文字が表示されます」

 地球で言う所の音声認識装置でも使っているのだろうと晴矢は考えた。

 実際のところ音声認識の技術は地球でもかなり進んできているが、恐らくここの音声認識は一言一句間違えないような正確さなのだろう。故に大事な書類であってもこのような方法が取れるのだ。

「なるほど、じゃあ早速、まずは名前か……名前、ハルヤ=サワラギ……おお、すごい! きちんと認識されているぞ! えーっと次は……出身か、サクデルさん、ここはどうしたらいいんだ?」

「そこは……どうしましょう、マスター?」

「ふむ、そうだな……適当にここにしとけ。」

「なるほど、場所、レリシア……ハルヤさんこれで進めてください」

 晴矢の代わりにに入力したのはサクデルだった。

「サクデルさん、ありがとうございます。えっと、次は……」


 そして数分後、

「よし終わった。こんなんでいいですか?」

 そう言って晴矢はサクデルに登録証を手渡した。

「必要な事項は……はい、大丈夫です。次に何ですが、この適正測定器を二の腕に巻いてください」

「それで体をスキャンして、筋肉のつき方や成長の仕方を遺伝子レベルで調べるんだ。だから巻く場所は別に何処でも良いんだが、二の腕が一番巻きやすいだけだよ」

 見ているだけではつまらなかったのだろう、アリシアが口を挟んできた。

「ちなみに私はほとんど黒だったんだが、ハルヤのはどうだろうな?」

 と若干興奮気味のアリシアだったが、晴矢はアリシアの言った通りに測定器と呼ばれるシートを左の二の腕に巻いた。

「そのまま三十秒ほどじっとしててくださいね……はいこれでオッケーです。後はこれをこうして……えっ?」

 突然妙な声をあげたサクデルにガルシアが声をかけた。

「どうした?何があったんだ?」

「緑です、緑なんです」

「一体なんなんだ?」

 たまらずアリシアも口を挟んだ。

「「これは……」」

 ガルシアとアリシアにとって見たことのない色ーー赤と青しか表示されないはずの測定器から表示された緑色にどちらからともなく声をあげたのだった。

 一方、そんな事情は知らない晴矢はというと。

「それで緑って言うのはなんの武器なんですか?」

 などと無邪気に質問しているのだ。

「それが、分からんからこうして困っているんだ。少なくとも俺の人生の中でこんな色見たこともねぇ。一体どうなってやがる」

 ガルシアが苦し紛れに発した声はこの部屋にいる、晴矢以外の三人の気持ちを代弁していた。

「とりあえず、調べてみるしかないだろうな。すまない晴矢、とりあえずカードは発行しておくからまた明日来てくれ。俺はそれまでにこれがなんなのか調べてみるよ」

 そう言ってガルシアはさっさと出て行ってしまった。

「私も仕事があるので……」

 サクデルもそう言って出て行ってしまった。

「ハルヤ、とりあえず一度研究所に戻ろうか。この事について一度ゆっくり話したい。いいか?」

 晴矢が頷くとアリシアは彼を連れて研究所へ帰っていった。

お読み頂きありがとうございます

次話の投稿日時は未定です

今週中には書き上げます

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