いろいろな問題解決
星空を見上げながら、これからいろいろ考えて、想う。
「結婚したら、家にずっといることになるのかな?」
いきなりのハーレム生活も悪くないが、今はそれよりも世界を見て歩きたい。
「彼女達に世界を見て歩きたいから、家にこもらず旅に出よう。」
なんて言ったらOKしてくれるだろうか?
よくわからない相手とでも結婚したいだなんて、やっぱり子供が欲しいから?これまでいろいろやってきて、彼女達は落ち着きたいような感じもするし、だめだろうな。それに俺が行きたいところを優先していってくれるとは限らないしな。
となると、何とかうまいこと俺とは別れて、という方向がいいな。彼女達には助けてもらったし、なんとなく楽しかったから、俺の代わりになる人もどうにかしたいけど。
そこら辺の状況がわからないから、どうしようもないな。
結婚近くになってから、結婚したくないなんて、これがマリッジブルー?なんてね。
とりあえず、結婚のことはあとで何とかしよう。
魔法を使いたかったが、この世界は身体強化が主流らしい。それはそれで面白いと思う。ファイヤーとやったけど、もちろん何も起こらない。
「強化、といってもいろいろあるけど…」
思い当たるのは、彼女たちの戦い。連携が一番すごかったが、速度、力、反応速度と、どれもが凄かった。
「でも、回復系がないんじゃ攻撃力をあげても意味ないな。それに痛いのも嫌いだし。」
防御力をあげても、きっと自分なら、痛いのに驚いて、その間にぼこぼこにされるのだろうと思った。
それならば、回避系かな?
大五郎もゲームはやったことはある。お世辞にもうまいとは言えず、どのジャンルでも気づくと周りは敵に囲まれ、逃げ場がなく、やられてしまうパターンが多い。それはそれで本人は楽しんでいるので良いのだが…
「問題は、現実で、ってとこだよね。」
自分は、痛いと集中力が欠け、パニックになることはわかっている。俺は、我慢強くないからな。できれば遠距離からの攻撃手段がよかったのだが、その手段は今はない。石を投げる?弓?方法はあるのだろうが、時間がかかるかもしれない。お金もかかりそう。
今、すぐにできるのは身体強化。それを何とかしたい。
「王道だと、魔力をまとう。体に循環させる。あたりか?」
体にある魔力をいろいろもてあそぶ。
体に纏う感じで力を入れる。…効果は、よくわからない。
体内を血液と一緒に巡らせる。…なんとなく、疲れがとれたような感じがする。回復系かも。
意外とすぐできそうだな。
もともと持っている体の機能に魔力を集めれば、その部分が強化されるのかもしれないな。
それならば、神経に魔力を集めるイメージで体を動かせば…。右手に魔力を集めて、っと。
「おおおお~~~」
思わず、声を上げてしまった。思った以上に素早い動きができた。でも、すぐに普通に戻ってしまう。
なんでだろうか?
「そういえば、魔力がほとんどない、だっけ。」
この辺りは魔力がない。
世界を旅してまわって、魔力がないところでは無力。というのもどうかと思う。その時は筋力がものをいう。
「絶対、魔物や俺より強い人がいるはずだからなあ。どうしようか。」
魔力のない状態でも強くなれないかな?
筋力アップして、重たいものも持てるし、素早く動ける。…それでは、たたかれたときは痛いままだから、パニクッて終わりのパターンだな。
皮膚を固くして、骨も丈夫にして、…たたかれても、切られても怪我しないようにする。やられている間に走って逃げる?…いやいや痛いの嫌だし。
素早い動きには筋力アップが必要だから、それはいいとして、神経に魔力を集めたあの感覚、どうにかならないかな?
「あの感じ、よかったんだよなー。」
そうか、神経の伝達速度を向上させればいいんじゃない?
神経を金属線的なものに置き換えとか。炭素繊維だったら、体の何かと置き換えれば材料はなんとかなりそうだし。炭素繊維そのものじゃなくても、ファンタジー的な魔法の力でなんとなるんじゃないだろうか?
でも、炭素繊維ってもろかったような?動いたら切れる神経っていやだよね。
ネットワーク的な神経網を組んで、どっかが切れても回り込んで情報伝達して動いてくれたり、触覚や痛覚を伝えてくれたり、てのがいいんじゃない?
そうか、それなら、痛覚を制御して、過剰な痛みはカットして、てのができるかも。何事もいい落としどころがあるよね。
ついでに皮膚の下に防弾チョッキとかに使われるような樹脂もなんとかなんないだろうか?
樹脂だし、炭素原子とか窒素、酸素あたりでどうにかなるはず。
ファンタジーな世界の魔法だよりだけど、なんとかなるだろうか?
とりあえず、ちょっとだけど、魔力が戻ってきたような感じもするから、試してみますか。
全身か?
片手だけにするか?
なんか、変なものに変わったりしないよな?…あっ、これフラグ?まあ、いいか。
でも、左手だけにするかな。
とりあえず、運動神経、触感、痛覚、温感を入れ替えるイメージを込めて魔力を込める。
「………」
ちょっとした違和感があるが、先ほどの魔力を普通に込めた感じと似てなくはない。ただ、手先がちょっと温かい。体のなかで、化学反応やら、魔力が反応?してるからかな、と思う。その間もイメージが途切れないように、集中。
しばらくすると、熱っぽさはなくなった。
その代り、ちくちく、さわさわ感が半端ない。空気の動きが手に取るようにわかるようになったらしい。
とりあえず動かしてみる。
「すげー。」
すごい速度でグー、パーができる。倍速くらい?
今度は…全身だな。
左手と同じく、随意神経系だけ入れ替えるイメージで。心臓が倍速で動くとか嫌だしな。
先ほどと同じで、熱っぽさを感じる。全身から。
風が動くのがわかる。感覚も敏感になるのがわかる。
左手が痙攣している。止まらない。
「おや?」
おや、じゃない。
心臓の音が聞こえる。複数。
そういえば、彼女達は弾き飛ばされてたんだ。遠くにいるのに聞こえるんだ。
なんで?
全身、って頭も入るよね?
耳の神経も置き換わっているみたいです。
そんなところを置き換えるイメージしてないんですけど。
やめようと思ってもやめられない。一度やり始めたものは止まらないらしい。
「いだだだだだだぁあぁぁぁ。」
皮膚の下で何かがうごめく感じ。一気にやりすぎた!
ひょっとして、防弾チョッキのイメージが残っている?いや、時間がかかるから、さっき思ったこと、思い出しちゃっただけだから。
つーか、過剰痛覚を遮断するイメージはどうしたの?先にそっちをやっちゃってって!
全身痙攣。
熱っぽさ。
激痛。
なんか、吐き気もしてきました。
本格的にやばいです。
これは、あれですね。散々お世話になった彼女たちをほっぽいて、飛ばされて崖の下に落としっぱなしにしておいた罰かな。なんて思ってる場合じゃない!
痙攣は収まったけど、体を動かせません。力が入らないです。
痛みは朝まで続く。
「ううう、ごめんなさい。」
それでも、この異世界を巡る旅はあきらめたくない。
朝、彼女達が目を覚ました。
地面に転がっているダインを見つける。
「大丈夫か?」
返事がないが、心臓は動いており、息もしている。
彼女たちは、結婚相手を求めていた。その相手がこうなってしまっては、結婚生活はままならない。
「彼は返す。」
リーダーのケインさんだ。えっ?返すって?
痛みはあるが、喋れないけど、意識はある、のがつらい。
聞こえた話をまとめると、俺が死んでしまっては、交代要員は望めないらしい。彼女たちの手落ちで死なせてしまったら、責任は彼女達にあるから。
そこで、こんな状態の俺を連れて帰る。こんな状態の男を結婚相手によこすとは何事だ。責任はそちらにある。ということらしい。
なので、森を抜けるまで肩に担がれて運ばれる。
なんとなく扱いが雑のような気がする。
山頂とは違い、森は魔力が全くない状態だったので、魔物はいない。その代り、魔力によるサポートがないので、大人の男を一人運ぶのは大変そうだったが。そのせいで、余計、雑な扱いになったと思う。
森を抜け、馬車に乗り、街に帰ってくる。
外の景色は全く見えない。残念だ。
建物に入り、しばらくするとケインさん達の声が聞こえる。
「彼は、この後どうなるんだ?」
それは俺も気になるな。
「新しい結婚相手がもらえたんだ、貴方たちが気にすることではありません。しかし、一度は結婚しようとした相手です、気になるのは仕方がないでしょう。あなたたちは優しい方ですね。」
知らない声が聞こえる。ダインが育った施設の誰か、だろうな。
「彼は、この施設で引き取ります。この様な姿になったとはいえ、我々の子供に違いありません。大切にします。」
「そうか。これは彼の為に使ってほしい。」
そういうと、ジャラっと音が聞こえる。お金、だよね。
「これは、ありがとうございます。安心してください。」
その後、すぐ、俺は売られました。
娼館?
見目麗しい男、抵抗もせず、自由自在。そんな需要もあるそうです。
他にも客寄せに使えるし、いろいろいたせなくても問題ないそうです。
そういう話は、本人を目の前にしてしないでほしかったです。
まあ、彼女達と結婚しなくて済んだし、彼女たちの結婚相手も見つかったしな。
魔法も、身体強化だけど使えたから、目標達成?
身体強化の途中だけど。
娼館に売られちゃったけど!
なんとかなるさ、きっと。




