やっぱり魔法をつかいたい
結婚については、ウィンディーに聞けとのことなので、別のことについて聞く。
「アリサさん、魔法について教えてください。」
「いいよ~。」
「ありがとうございます。火の玉飛ばしたり、空飛んだりしてみたいです。」
「はは、おもしろい~。童話のお話みたい~。」
ファンタジーの住人に笑われました。悲しいです。
聞くところによると、火の玉や氷の塊を出すことはできないらしい。あるものを制御することはできるらしいが。重たいものほど制御するのが難しいらしく、自分の体を飛ばしたりするのは至難の業だとか。ファンタジーのくせに無駄に物理法則に則りやがって!
でも、たいまつとかの炎があれば、玉状にして持ったり、剣状にして振り回すこともできる。物理的な剣を受け止めるのは、それ相応の魔力や制御技術が必要、とのことだった。
残念なのは転移や精霊召喚、なんて魔術もないところ。ん?俺はどうやって来たんだろう。召喚じゃないけど。精神乗っ取り?転生ものか?この年になって、急に思い出した、なんて設定もあったな。…って、設定の話じゃないし。
そうそう、この世界の魔法の話だ。強化魔法が主なものらしい。力が強くなるとか、スタミナが付くとか、反応速度が速くなるとか、そんな感じ。アリサちゃんはパワー系らしい。
「そういえば、なんでここって魔法が使えないんでしょうか?」
「ここは混濁の森と呼ばれてて~、森の中は何故か魔法が使えないの~。不思議なところなの~。」
ファンタジーの世界で不思議なところなの~って、おもしろいな。俺にはこの森のほうが普通に見える。
「でも、ゴブリンがいたよね。」
魔法生物がいたぞ。
「この森の外にもいるよ~。全然強いよ~。」
「そうなんだ。」
「はは。やっつけてたの見てたでしょ。」
「そうでしたっけ。」
隠す気はないけど、あまり触れたくない話し。
「魔法の使い方、教えてください。」
話題を変える。
「うん、いいよ~。」
急に話題を変えてもついてくる、少しの躊躇もなく。すごいぞアリス!
「でも、ちょっとまってね~。」
そんなことをいいつつ、少し悩んでいる様子。
しばらくするとナイフを取り出し、おもむろに自分の手を切る。血が出る。
「なにやってるんですか!」
「えっと~、飲んで。」
「えっ?」
「魔力を体内に取り込むのが一般的なの~。でも、ここには~、練習用の素材がないから~、わたしの血が代わりなの~。」
へー、そうなんだ。でも、血っていろんな病気が…、なんて考えていたら、口に突っ込まれました。指がずぼって。思わず飲んじゃいました。後ろから、「何やってんの。」なんて声が聞こえてきましたよ。同感です。
「まずわ~、わたしの体になじんだ魔力を感じられるようになってね~。ここは魔力がないから~、ほかでやるより~、感じやすいかも~。」
なんか、いろいろ、別もことを想像しちゃう言い方ですね。
「がんばります。」
「あったかく感じる人がほとんどだけど~、人によって、冷たく感じたり~、虫がはいずりまわっている様に感じる人もいるみたい~。」
「虫は怖いですね。」
そんな感覚ひつようなら、魔法はキャンセルしたい。
とりあえず、教えられたことを試す。要は違和感だろう。いつもと違う状態を感じとればそれが魔法の可能性があるということだろう。
まずは、温かさを感じ取る。絶対あたたかさだ。あたたかさがいい。
それにしても、血。アリサちゃんの血が体の中に入ってる。体どいうより胃袋か。…ちょっと気持ち悪い。かわいい娘ってのが救いだが。救いなんだが。この気持ち悪さが、俺の魔力の感じ方だったらどうしよう。魔法、使えなくてもよいかも。この感じがそうなのも聞きづらい。吐き気がするけど、これがそうですかって。せっかく教えてもらっているのに。
しばらく我慢して歩きました。
聞いてみると、1日や2日で感じとれることはないとのことでした。じゃあ、この吐き気は魔力じゃないですね。聞かなくてよかった。
お昼になりました。お肉です。ゴブリンの肉はさすがに食べないそうです。イノシシとか山鳩とか捕まえます。剣しか持っていないのに、どうやって捕まえてきたのかな?
でも、血抜きもそこそこの肉を食べるのは抵抗があります。さっき生血を飲んだけど。飲まされたけど。思い出したら、ちょっと気持ちが悪くなっちゃいました。
初日に食べたお肉はおいしかったのに。
「昨夜の食事はおいしかったですね。」
「今日のはおいしくない?昨日はダイン君が動けなかったから、時間はあったからな。そのおかげかな。」
リーダーさんのお言葉です。微妙。俺のせいっていうか、俺のおかげというか…。すいませんでした。
週に一回のペースで投稿です。これが今の実力…




