22/45
シスター-6-
「夕日に染まる教会と言うのも悪くないですね?」
ヴァンは何時の間にかつかさの隣にいた。さもソレが当たり前であるかのように。
つかさは教会の前の階段で何をするでもなくただ段差に腰掛けていた。
「でもステンドグラスは朝ほど綺麗じゃないです。ひかりが弱くなってますしっ?」
つかさは目だけを胡乱に動かしてヴァンのことを見る。しかしその口からは何も発せられない。
まるで疲れているんだと訴えるかのようにただ沈黙していた。
「どうでしたっ?ちゃんと記憶は消せましたか?」
瞬きほどの沈黙。それからつかさは
「…ああ。多分。でも本当に消えたのかはわからない」
と一言だけいう。
「確かめにいけばいいじゃないですか?」
そしてまた沈黙。ヴァンは「はっはーん」と鼻を鳴らしていたずらっぽくつかさの顔をのぞいてきた。
「もしかしてぇーつかささん確かめる勇気がないから僕を待ってたんですか?」
「…。違う」
つかさはそう一言つぶやくように言って立ち上がり、その歩みを教会へと進めた。




